保井 啓志
ヤスイ ヒロシ
研究開発推進機構
特定任用研究員(学術研究員)
Last Updated :2025/07/04

研究者情報

    プロフィール

    イスラエル/パレスチナ地域を対象に、フェミニズム・クィア理論(ジェンダー・セクシュアリティ研究)、批判的動物研究を専門にしています。

    主な研究関心は①性の政治と②動物の政治、③ナショナリズムという三者の関係を見てゆくことです。

     

    【1】性の政治とナショナリズム(①と③)

     近代国家の成立以降、性は管理の対象とされ、同性愛者を含む非規範的な性を持つ人々は婚姻制度や軍隊などの国家の制度から排除・周縁化されてきました。それに対し、20世紀後半以降、今日性的少数者(LGBTなど)の権利運動として知られるようになった動きは、この規範の解体と廃止を求めてきました。特に2000年代以降、LGBTの権利の可視化が進むと同時に国家の側からの包摂が表明されるようになりましたが、今度は米国やオランダ、あるいはイスラエルではこの包摂が国家の「民主主義」や「先進性」に結び付けられ、「少数派の権利を侵害する」主に中東イスラーム諸国に対する優位性を主張するナショナリズムの言説につながっていきました。

     特にイスラエル政府は2000年代以降、「自らの国がLGBTフレンドリーである」と国際的に積極的にアピールしてきました。しかしこのアピールは、現在進行中のパレスチナに対する占領と人権侵害を覆い隠す「ピンクウォッシング(同性愛者のシンボルカラーのピンクと覆い隠す、ごまかすという意味のホワイトウォッシュをかけ合わせた語)」であるとしてLGBTの運動内部から批判が上がってきました。

     この問題は「ある権利擁護の主張が、他の権利を侵害するための口実となる」という重大なアポリアを提示しています。ある権利を求める動きがナショナリズムや排外主義に結び付くのはどのようなメカニズムによって起きるのか、という問いについて、イスラエルの政治・経済・シオニズムの思想の観点から追っています。

     

    【2】動物の政治とナショナリズム(②と③)

      動物の政治とナショナリズムの間の関係性は今日錯綜しています。近代の成立の基礎にあったのは、ヒューマニズム(人間主義)、すなわち確固たる自我を持ち自己を律した主体が前提とされ、その範疇に動物は入りませんでした。また、このヒューマニズムを土台にした近代国家の成立は、戦争遂行を通じて国家にとって良き主体=国民の選別を行うと同時に、動物の「飼いならし」の技術を援用した戦争技術の発達と、戦争への動物利用を加速させてきた側面があります。1970年代以降に発達した動物の権利と解放を求める運動は、工場式畜産の廃止と、動物搾取の廃絶を求め、人間を他の動物よりも優位なものとみなす種差別の規範の解体を求めてきました。

     イスラエルにおいて、こうした運動が主流化し始めたのが2010年代でした。性の政治で起こってきたことと同様、この2010年代の動きは、「テロリスト」の野蛮性を強調しながら、イスラエルという国家の「倫理性」を強調する対テロ戦争におけるナショナリズムの言説に利用されてきたという点でも顕著です。

     このように、イスラエルにおいて近年顕著になりつつある動物の権利あるいはヴィーガニズムの高まりと、ナショナリズムの間のつながりを、政治・経済・思想の三点から追っています。

     

    【3】性の政治と動物の政治(①と②)

     これまでフェミニズム・クィア理論と批判的動物研究という二つの研究領域をあくまで別建てで紹介してきましたが、より理論的に、動物の政治が性の政治に与える示唆・視座を考察することにも関心があります。例えば、エルサレムのプライドでは、「LGBTプライドは獣のプライドだ」と反対派から言われることがあります。この発言は特定の性のあり方のみを不道徳とみなし、文字通り人外の行為と位置付ける差別発言であるといえばそれまでではあるのですが、より深く考えれば、セクシュアリティが近代主体にとってコントロールできないもの、すなわち「獣性」として規定されてきたということを示唆してもいます。

     このように、ジェンダー・セクシュアリティと動物性は広く、そして様々な形で交差するものです。女性性と動物性を主に分析してきたのが「エコフェミニズム」と呼ばれる領域で、代表的なところでは肉食と男性性、動物搾取と女性の抑圧の共通性等を指摘しました。

     このエコフェミニズムの議論を引き継ぎながら、動物性がジェンダーやセクシュアリティとどのように交差するのかを考えることに関心があります。

    科研費研究者番号

    00977803

研究キーワード

  • イスラエル・パレスチナ研究
  • 批判的動物研究
  • クィア理論
  • ジェンダー・セクシュアリティ

研究分野

  • 人文・社会 / ジェンダー
  • 人文・社会 / 地域研究 / イスラエル研究

経歴

  • 同志社大学研究開発推進機構(都市共生研究センター), 学術研究員, 2024年04月 - 現在
  • 人間文化研究機構, 人間文化研究創発センター, 研究員(特任助教相当), 2024年04月 - 現在
  • 筑波大学, ヒューマンエンパワーメント推進局, 助教, 2023年02月 - 2024年03月
  • 公益財団法人平和中島財団, 日本人留学生, 奨学生, 2020年09月 - 2022年08月
  • 独立行政法人日本学術振興会, 特別研究員(DC1), 2017年04月 - 2020年03月

学歴

  • 東京大学, 大学院総合文化研究科, 地域文化研究専攻, 2017年04月 - 2023年03月
  • ヘブライ大学, トルーマン記念平和研究所, 2020年09月 - 2022年08月
  • ヘブライ大学, ロスバーグ国際校, 2017年08月 - 2018年09月
  • 東京大学, 大学院総合文化研究科, 地域文化研究専攻, 2015年04月 - 2017年03月
  • 東京大学, 教養学部, 教養学科地域文化研究分科 アジア・日本研究コース, 2013年04月 - 2015年03月
  • 東京大学, 教養学部, 文科三類, 2011年04月 - 2013年03月

学位

  • 博士(学術), 東京大学, 2023年03月
  • 修士(学術), 東京大学, 2017年03月
  • 教養学士, 東京大学, 2015年03月

所属学協会

  • Middle East Studies Association, 2024年01月, 9999年
  • Association for Israel Studies, 2022年03月, 9999年
  • 国際ジェンダー学会, 2021年08月, 9999年
  • 日本ユダヤ学会, 2020年09月, 9999年
  • 日本女性学会, 2017年04月, 9999年
  • 日本中東学会, 2017年04月, 9999年

委員歴

  • 第40回年次大会実行委員, 2023年10月 - 2024年05月, 日本中東学会, 学協会

受賞

  • 第14回南原繁記念出版賞
    2023年12月, 東京大学出版会, 出版社・新聞社・財団等の賞

論文

  • Vegan nationalism?: the Israeli animal rights movement in times of counter-terrorism
    Hiroshi Yasui
    Settler Colonial Studies, 14(1) 3 - 23, 2024年, 研究論文(学術雑誌)
  • 現代イスラエルにおける権利をめぐる政治とナショナリズム―性的少数者の権利と動物の権利の比較分析
    保井啓志
    2023年03月, 学位論文(博士)
  • シオニズムにおける動物性と動物の形象:近代化とショアーをめぐる議論を事例に
    保井啓志
    日本中東学会年報, 38(1) 61 - 93, 2022年09月, 研究論文(学術雑誌)
  • あなたには居場所がある : イスラエルのLGBT運動における国家言説とシオニズムとの関係
    保井 啓志
    女性学 = Journal of the Womens Studies Association of Japan : 日本女性学会学会誌, 日本女性学会 ; 1992-, 28 56 - 78, 2020年
  • 「中東で最もゲイ・フレンドリーな街」:イスラエルの性的少数者に関する広報宣伝の言説分析
    保井 啓志
    日本中東学会年報, 日本中東学会, 34(2) 35 - 70, 2018年

MISC

  • トランプ時代のホモナショナリズム
    保井啓志
    インターセクション, 同志社大学都市共生研究センター(MICCS), (3) 86 - 118, 2025年03月, その他,
  • イスラエルにおいて戦争に動員される人間/動物の境界
    保井啓志
    アンジャリ, 親鸞仏教センター, (44) 14 - 17, 2024年12月, 記事・総説・解説・論説等(その他)
  • 中東研究博士論文要旨:「現代イスラエルにおける権利をめぐる政治とナショナリズム:性的少数者の権利と動物の権利の比較分析」
    保井啓志
    日本中東学会年報, 40(1) 53 - 57, 2024年08月, その他
  • 「我々は人間動物と戦っているのだ」をどのように理解すればよいのか
    保井啓志
    『現代思想』特集 パレスチナから問う 100年の暴力を考える, 青土社, 52(2) 119 - 126, 2024年01月29日, 記事・総説・解説・論説等(商業誌、新聞、ウェブメディア)
  • 書評:中村覚監修 浜中新吾編著『イスラエル・パレスチナ』シリーズ・中東政治研究の最前線第3巻
    保井啓志
    中東研究, 公益財団法人中東調査会, (541) 95 - 97, 2021年03月31日, 書評論文,書評,文献紹介等
  • 書評:ジュディス・バトラー著、大橋洋一/岸まどか訳『分かれ道』
    保井啓志
    ユダヤ・イスラエル研究, 日本ユダヤ学会, 34 95 - 99, 2020年12月
  • 新書紹介:立山良司編『イスラエルを知るための62章』(エリア・スタディーズ104)第二版
    保井啓志
    ユダヤ・イスラエル研究, 33 98 - 98, 2019年12月
  • Book Review : Joseph Massad : Islam in Liberalism
    保井 啓志
    日本中東学会年報 = Annals of Japan Association for Middle East Studies, 日本中東学会, 35(1) 209 - 215, 2019年
  • イスラエルの性的少数者事情~留学生活をもとに~
    保井啓志
    UTCMESニューズレター, (13), 2018年09月
  • ドーハ・カタル研修報告: ジェンダーと女性性/男性性の観点からの考察
    保井啓志
    UTCMESニューズレター, (9), 2016年09月

書籍等出版物

  • 権利の名のもとに—イスラエルにおける性的少数者の権利と動物の権利
    保井啓志
    東京大学出版会, 2025年04月12日, 単著, 学術書
  • How Public Opinion in Israel Shifted: Insights from Post-Cross-Border Attack Opinion Polls
    Springer, 2025年01月15日, 分担執筆, Gaza Nakba 2023-2024: Background, Context, Consequences Chapter 6, 学術書
  • ジェンダーとLGBTQ
    保井啓志
    丸善出版, 2024年07月, 分担執筆, 『ユダヤ文化事典』内「10章 イスラエル」内一節 (pp. 368-369), 事典・辞書
  • ジェンダーと民族概念
    保井啓志
    丸善出版, 2024年07月, 分担執筆, 『ユダヤ文化事典』内「総論」のうちの一節 (pp. 20-21), 事典・辞書
  • イスラエルにおける性的少数者/動物の権利運動とパレスチナ問題——単一争点か複数争点か
    保井啓志
    東京大学出版会, 2024年06月25日, 分担執筆, 土屋和代、井坂理穂編『インターセクショナリティ—―現代世界を織りなす力学』第7章
  • イスラエルの世論はどう動いたか——越境攻撃の世論調査から見る
    保井啓志
    東京大学出版会, 2024年06月25日, 分担執筆, 鈴木啓之編『ガザ紛争』第3章
  • パレスチナと性/生の政治
    保井啓志
    新教出版社, 2023年03月, 分担執筆, 在日本韓国YMCA編『交差するパレスチナ』第4章
  • 【資料19】ゾラフ・ヴァルハフティグのヘブライ語回想録『ショアー期の難民と生存者』(1984年)部分対訳
    菅野賢治; 保井啓志
    2023年03月, 共訳, 調査報告書
  • 【資料15】マーヴィン・トケイヤーからヤド・ヴァシェム、ドニヤ・ローゼンへの手紙
    保井啓志
    2023年03月, 単訳, 調査報告書
  • 【資料11】ドヴ・レヴィンによるソラフ・ヴァルハフティグへのインタヴュー(1965)(抄)
    保井啓志
    2023年03月, 単訳, 調査報告書
  • 【資料10】イツハク・エデルシュテインのヘブライ語回想録『嵐の日々に』(1960年代前半)
    保井啓志
    2023年03月, 単訳, 調査報告書
  • 【資料5】ヨセフ・エプシュテイン「ミール・イェシヴァー」(1956年)(抜粋)
    菅野賢治; 保井啓志
    2023年03月, 共訳, 調査報告書
  • 【資料1】ハイム・シュテインのヘブライ語日記(1940年6月15日~8月31日)
    菅野賢治; 保井啓志; 飯郷友康
    2023年03月, 共訳, 調査報告書
  • パレスチナ人ゲイAとの出会い
    保井啓志
    明石書店, 2021年06月10日, 分担執筆, 長澤栄治監修; 鳥山純子編; イスラーム・ジェンダー・スタディーズ・シリーズ 4; 『フィールド経験からの語り』; 5章
  • ゲイ・フレンドリーなイスラエル:トランスナショナルな運動と政治
    保井啓志
    明石書店, 2020年03月31日, 分担執筆, 長澤栄治監修; 鷹木恵子編;イスラーム・ジェンダー・スタディーズ・シリーズ 2;『越境する社会運動』; 13章

講演・口頭発表等

  • 10.7 以後のイスラエルにおける性的少数者の権利運動とその正当性 をめぐる闘争
    保井啓志
    日本中東学会第41回年次大会, 2025年05月18日, 口頭発表(一般), 日本中東学会, 北海道大学
  • Animal Politics and The Rise of Vegan Nationalism in Israel: A Critical Examination of the “Animal Nationalism” Framework
    Hiroshi Yasui
    Critical Perspectives on Animals and Colonialism, 2025年04月24日, 公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等, Zoom
  • Mobilizing the Human/Animal Binaries: A Critical Analysis of Vegan Nationalism and Israel's Ongoing 'War on Terror'
    Hiroshi Yasui
    Colonial Legacies, Racist Discrimination: Belgo-Japanese dialogues, 2025年01月29日, 2025年01月28日, 2025年01月29日, シンポジウム・ワークショップパネル(指名), the HERICOL ARC-Advanced research project on colonial legacies in Belgium (ULB, AGS, LAMC) and the MICCS (Research Center for Multiculturalism and Intersectionality in Complex Cities) at Doshisha University, Campus du Solbosch, Université Libre de Bruxelles
  • 動物の権利と批判的動物研究 - 動物の問題を考えるために
    保井啓志
    第186回 サロンde人権, 2025年01月15日, 公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等, 大阪公立大学人権問題研究センター, 大阪公立大学人権問題研究センター 共同研究室/ZOOM
  • Rebranding Tradition?: Environmental Sustainability as a Global Norm and the Adaptation of Israel’s Kibbutz Agriculture
    Hiroshi Yasui
    第15回AFMA(アジア中東学会連合)大会, 2024年12月08日, 2024年12月06日, 2024年12月08日, 口頭発表(一般), アジア中東学会連合, 同志社大学
  • The Rise of Depoliticized Veganism and Its Association with Neoliberal Values in Tel Aviv
    Hiroshi Yasui
    Middle East Studies Association 58th Annual Meeting, 2024年11月15日, 2024年11月11日, 2024年11月15日, 口頭発表(一般), Middle East Studies Association, Online
  • レバノン大規模攻撃前後の世論調査から見るイスラエル世論の変遷
    保井啓志
    緊急ワークショップ「中東戦争の新展開:ガザからレバノン、イランへ(?)」, 2024年10月15日, シンポジウム・ワークショップパネル(指名), 科学研究費補助金基盤A「空間・暴力・共振性から見た中東の路上抗議運動とネイション再考:アジア、米との比較」 科学研究費補助金学術変革領域研究(A)「イスラーム的コネクティビティにみる信頼構築:世界の分断をのりこえる戦略知の創造」(イスラーム信頼学)総括班, Zoom
  • 『インターセクショナリティ』刊行記念 インターセクショナリティ入門:イスラエル/パレスチナ、日本の LGBTQをめぐる運動から
    保井啓志; 高井ゆと里
    2024年08月25日, 公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等, 本と珈琲の店UNITÉ, 本と珈琲の店UNITÉ
  • 動物論から見るイスラエル社会の諸相
    保井啓志
    公開シンポジウム『内側からのイスラエルとパレスチナ』, 2024年07月07日, シンポジウム・ワークショップパネル(指名), 日本ユダヤ学会, 東京大学駒場キャンパス21KOMCEE WEST3階K303
  • 動物をめぐる政治と植民地主義の結節点:イスラエルの事例から考える
    保井啓志
    「人間」を脱植民地化する, 2024年03月09日, 公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等, 国際基督教大学ジェンダー研究センター, オンライン(Zoom)
  • ホモナショナリズムとヴィーガン・ナショナリズム:イスラエルにおける性的少数者の権利運動と動物の権利運動をめぐる政治の比較分析
    保井啓志
    2023年12月23日, 公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等, ポスト・ジェンダー法学の構築に向けた総合的研究:法と意味秩序の相克を軸に(JSPS科研費21K01289), ハイブリッド(Zoom/早稲田大学早稲田キャンパス3号館606教室)
  • イスラエル側の動きと世論の変遷
    特別ワークショップ ガザ紛争を考える:イスラエル、パレスチナと国際社会はどうなるか, 2023年11月16日, 公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等, 令和5年度科研費新学術領域補助金基盤A「空間・暴力・共振性から見た中東の路上抗議運動とネイション再考:アジア、米との比較」(課題番号21HD4387-K), 東京大学駒場キャンパス18号館ホール 及び Zoom
  • コメント「社会運動におけるインターセクショナリティ イスラエル/パレスチナの事例から」
    保井啓志
    第31回地域文化研究専攻主催公開シンポジウム「インターセクショナリティ――新たな地域文化研究の可能性」, 2023年06月24日, 公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等, 東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻, Zoom
  • ヴィーガン・ナショナリズム:イスラエルにおける動物の権利とナショナリズムのつながりに対する考察
    保井啓志
    グローバル地中海地域研究同志社拠点 「多文化都市と共生の危機」主催公開講演会, 2023年01月25日
  • 動物倫理の「最前線」:最前線としてのイスラエルからの応答
    保井啓志
    イスラーム・ジェンダー学科研主催若手研究報告会, 2023年01月21日
  • 報告コメント「「良い兵士」とは?:イスラエル軍におけるジェンダーとエスニシティの交差」
    保井啓志
    イスラーム・ジェンダー学科研主催若手研究報告会, 2022年10月23日, その他
  • パレスチナと性/生の政治
    保井啓志
    連続ティーチイン「交差するパレスチナ」(在日韓国YMCA), 2021年12月17日, 2021年12月17日
  • シオニズムにおける動物性と動物の形象:マックス・ノルダウの近代化論を中心に
    保井啓志
    日本ユダヤ学会, 2021年10月31日
  • クィア理論に対するJoseph Massadの植民地主義批判と地域研究の可能性
    保井啓志
    国際ジェンダー学会, 2021年10月09日
  • イスラエル/パレスチナの現在の状況 ——現地で見た情勢
    保井啓志
    緊急ウェビナー「エルサレムを起点にパレスチナ/イスラエルの現在を考える」, 2021年05月19日, 2021年05月19日, 公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等, 新領域研究「グローバル関係学」計画研究B01 科研費基盤研究(A)「空間・暴力・共振性から見た中東の路上抗議運動とネイション再考:アジア、米との比較」(21H04387、研究代表者:酒井啓子)
  • フェミニズムから見たシオニズムの一考察
    保井啓志
    日本中東学会, 2020年08月30日, 口頭発表(一般)
  • 『イスラエルのゲイ・コミュニティにおける境界と排除 ――パレスチナ人ゲイの事例からの考察』
    保井啓志
    公開シンポジウム イスラーム×ジェンダー:「境界」を生きる/越える(主催:基盤研究A「イスラーム・ジェンダー学構築のための基礎的総合的研究」), 2019年12月21日
  • イスラエルの動物の権利に関する運動・ヴィーガニズム:ナショナリズムとパレスチナ問題の関わりから
    保井啓志
    日本中東学会, 2019年05月12日, 口頭発表(一般)
  • 「LGBTフレンドリー」のその先: イスラエルの事例からLGBTポリティックスを問い直す
    イスラーム圏における「ジェンダー化された暴力/苦悩」研究会(基盤研究A「イスラーム・ジェンダー学構築のための基礎的総合的研究」内公募研究会), 2019年01月30日, 公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等
  • テル・アヴィヴ、イェルサレム両都市におけるLGBTプライドの比較考察
    保井啓志
    パレスチナ/イスラエル研究会, 2018年12月16日, 公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等
  • ピンクウォッシング~性的少数者をめぐる運動と公的機関との親和性~(企画セッション「クィア・ポリティクスの現在」内)
    保井啓志
    日本女性学会, 2017年06月18日, シンポジウム・ワークショップパネル(公募)
  • 愛国主義・排外主義と性的少数者:イスラエルを事例に(企画セッション「イスラーム・ジェンダー学の未来:セクシュアリティに見る国家・宗教・ジェンダー」内)
    保井啓志
    日本中東学会, 2017年05月17日, シンポジウム・ワークショップパネル(公募)
  • Sexuality and its Representation in the Middle East.
    Hiroshi Yasui
    The Asiatic Society of Japan, 2016年11月07日, 口頭発表(一般)

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 中東北アフリカ地域における遺産形成の批判的研究ー移動の視点から
    鳥山 純子; 大坪玲子; 齋藤剛; 保井啓志
    日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 2024年04月 -2028年03月, 研究分担者, 基盤研究(B), 立命館大学
  • 現代の多様化と多様性尊重をめぐるムスリム・コミュニティの課題とその解決方法の研究
    後藤 絵美; 鷹木恵子; 高橋圭; 村上薫; 保井啓志
    日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 2024年04月 -2028年03月, 研究分担者, 基盤研究(B), 東京外国語大学
  • イスラエルにおける極右思想と菜食主義の融合:『菜食主義と平和のビジョン』を事例に
    保井 啓志
    日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 2024年04月 -2028年03月, 研究代表者, 若手研究, 同志社大学
  • テル・アヴィヴ市におけるヴィーガニズムの台頭と新自由主義経済
    保井 啓志
    日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 2023年08月 -2025年03月, 研究活動スタート支援, 筑波大学
  • 現代イスラエルの権利運動とナショナリズム
    公益財団法人 平和中島財団, 2020年度日本人留学生奨学生, 2020年09月 -2022年08月, 研究代表者
  • エスニシティとセクシュアリティ:イスラエルのピンク・ウォッシングを事例に
    保井 啓志
    研究員は、令和元年度の研究テーマを『動物の権利運動のイスラエルにおける進展』と、『ジェンダーの視点から見たシオニズムの系譜の考察』の二つに設定し、主に年度前期を前者のテーマに、主に年度後期を後者のテーマに時間を割き、研究を進めてきた。以下にその概要を報告したい。 1.前期 5月12日に秋田大学で行われた中東学会第35回年次大会において、『イスラエルの動物の権利に関する運動・ヴィーガニズム:ナショナリズムとパレスチナ問題の関わりから』の報告を行い、昨年度からの継続した研究成果を発表した。また、7月16日より、イスラエル国に調査渡航した。現地では、テル・アヴィヴ及びイェルサレムに滞在し、現地での資料の収集と参与観察、対象としている動物の権利活動家やヴィ―ガンなどに複数のインタビューを行った。8月6日より、外部調査員としてヘブライ大学で行われた二か月間の語学講座(サマー・ウルパン)を受講し、ヘブライ語の語学向上に努めた。その結果、ヘブライ語の語学水準「ヘー(上級)」を修了した。 2.後期 引き続き、7月期から9月期の研究成果をまとめ、Settler Colonial Studiesのジャーナルに論文を投稿するために論文を執筆中である。また、これらと並行して、従来のイスラエル国内の運動を、シオニズムとの接続の文脈で考察し、統合するべく、Daniel Boyarinといった、シオニズムとジェンダー・セクシュアリティに関する先行研究の読解に着手した。さらに、これまでのセクシュアリティに関する研究について、12月にはイスラーム・ジェンダー科研シンポジウムにて、『イスラエルのゲイ・コミュニティにおける境界と排除――パレスチナ人ゲイの事例からの考察』の報告を行った。これらの研究成果をまとめ、2020年4月に博士論文構想届の提出、2020年7月に博士論文リサーチコロキアムの開催を予定している。, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業 特別研究員奨励費, 2017年04月 -2020年03月, 特別研究員奨励費, 東京大学

社会貢献活動

  • 専門家による解説会: イスラエルにおける植民地主義を考える:権利運動の側面から, パレスチナあたたかい家, パレスチナあたたかい家in松戸, 2025年05月04日, 講演会
  • ピンクウォッシュが隠す人権侵害 イスラエルの発信に指摘 保井啓志・同志社大研究員に聞く, 朝日新聞, 2024年12月18日, 朝日新聞デジタル、朝日新聞(夕刊), 新聞・雑誌
  • アフタートーク, Normal Screen, Queer Visions 2024, 2024年11月10日, 同志社大学寒梅館クローバーホール, 講演会
  • ガザめぐる対話 いま何ができるのか 「難しいよね」で終わらせない, 朝日新聞, Re:Ron(リロン), 2024年08月09日, 朝日新聞デジタル, 新聞・雑誌
  • ガザに掲げられた虹色の旗 イスラエルの「ピンクウォッシュ」とは?, 朝日新聞, 朝日新聞デジタル, 2024年07月01日, 新聞・雑誌
  • 戦争に利用される「ピンクウォッシュ」 イスラエルの“LGBTQフレンドリー”イメージ戦略とは, 日本テレビ, 日テレNews, 2024年06月06日, テレビ・ラジオ番組
  • 荻上チキ・Session ピンクウォッシュとは何か ~イスラエルとLGBTQ, TBSラジオ, 荻上チキ・Session, 2024年05月07日, テレビ・ラジオ番組
  • This is me!~ジェンダーレスと新しい家族のカタチ~, Tokyo FM, This is me!, 2024年04月29日, テレビ・ラジオ番組
  • ピンクウォッシュとは何か。日本にもある?「LGBTQ当事者が、イスラエルの虐殺に声を上げるのは自然なこと」と専門家【解説】, HUFFPOST, 2024年04月01日, 新聞・雑誌
  • 【イスラエル国民の3割「戦争敗北」】現代ヘブライ語使いの専門家が現地メディア報道を徹底分析/イスラエルの本音から見る不安定化する国際政治/ネタニヤフと首相は評価されているのか【PIVOT TALK】, PIVOT, 2024年02月09日, インターネット
  • 緊急報告会:イスラエル国内の今 〜世論調査から見る人々の意識と声〜, 特定非営利活動法人日本国際ボランティアセンター(JVC), 2023年11月22日, 講演会
  • 座談:ガザ攻撃におけるホモナショナリズムを再考する 話題提供, Dialogue for Dialogue, 2023年11月08日, 講演会
  • 【WEZZY MEETING #42】遠藤まめた×保井啓志「保井さん、パレスチナのLGBT事情を教えてください」, WEZZY, 2023年03月24日, 講演会

担当経験のある科目(授業)

  • ライフスタイルと政策Ⅱ
    甲南大学
  • セクシュアリティと現代社会
    奈良県立大学
  • ジェンダー論
    大阪経済法科大学
  • ジェンダーと社会
    大阪経済法科大学
  • Area Studies
    立命館アジア太平洋大学
  • ダイバーシティとジェンダー/セクシュアリティ
    筑波大学
  • ダイバーシティとSOGI/LGBT+
    筑波大学
  • Religion and Belief
    立命館アジア太平洋大学