NRF1とNRF3は翻訳制御を介してがん細胞内のタンパク質分解をコントロールしている
和久剛; 小林聡
第44回日本分子生物学会年会, 2021年12月, シンポジウム・ワークショップパネル(指名)
転写因子NRF3はがん細胞内のセリン代謝を制御する
和久剛
先端モデル動物プラットフォーム若手支援技術講習会, 2020年09月11日
NRF3-POMP経路を介したユビキチン非依存的なタンパク質分解の誘導によるがん増悪メカニズム
和久 剛
第14回日本臨床ストレス応答学会大会, 2019年11月02日
NRF3 acts as a tumorigenic transcription factor for the assembly of a ubiquitin-independent 20S proteasome
和久 剛
第78回日本癌学会学術総会, 2019年09月26日
NRF3 (NFE2L3) contributes to colorectal cancer development through 20S proteasome assembly and the ubiquitinindependent proteolysis
和久 剛
The Environmental Response V /17th JBS Biofrontier Symposium, 2019年09月11日
NRF3-POMP経路を介したユビキチン非依存的なタンパク質分解の誘導による がん増悪メカニズム
和久 剛
第7回がんと代謝研究会, 2019年08月01日
がん増悪性転写因子NRF3(NFE2L3)は mTORC1シグナルを活性化するアミノ酸センサーである
和久 剛
第9回TOR研究会, 2019年06月27日
Colorectal cancer addicts ubiquitin-independent 20S proteasomes assembled by the NRF3-POMP axis
和久 剛
2019 Meeting on Ubiquitin, Autophagy & Disease (Cold Spring Harbor Laboratory Meeting), 2019年04月23日
タンパク質恒常性(プロテオスタシス)の破綻による 新たな癌増悪メカニズム
和久 剛
第一回 日本医学会連合Rising Starリトリート, 2019年03月
転写因子NRF3(NFE2L3)は20Sプロテアソームアッセンブリを亢進して腫瘍増大に寄与する
和久 剛
第41回日本分子生物学会年会, 2018年11月
大腸ガン細胞におけるNRF3遺伝子の発現誘導メカニズムの解明
青野 栞; 和久 剛; 筆宝 義隆; 小林 聡
日本生化学会大会プログラム・講演要旨集, 2018年09月, 2018年09月, 2018年09月, (公社)日本生化学会
NRF3-POMP-20Sプロテアソーム軸の異常によるプロテオスタシスの破綻は腫瘍増大に寄与する
和久 剛
先端モデル動物プラットフォーム若手支援技術講習会2018, 2018年09月, 公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等
NRF3-POMP-20S proteasome axis enhances tumor growth
和久 剛
日本癌学会第77回学術総会, 2018年09月, ポスター発表
プロテオスタシスの破綻による新たな腫瘍増大メカニズム
和久 剛
日本生化学会第91回大会, 2018年09月, ポスター発表
大腸がんの細胞増殖を制御するβ‐catenin‐NRF3‐20Sプロテアソーム経路
小林聡; 小林聡; 青野栞; Masudul Chowdhury AM; 畠中惇至; 筆宝義隆; 和久剛
がんと代謝研究会プログラム&抄録集, 2018年05月, 2018年05月, 2018年05月
腫瘍増大に寄与するプロテオスタシス制御機構
和久 剛
第6回がんと代謝研究会, 2018年05月, ポスター発表
Transcription factor NRF3 (NFE2L3) promotes tumorigenesis through 20S proteasome activation
和久 剛
ConBio2017, 2017年12月, ポスター発表
転写因子NRF3(NFE2L3)はプロテアソーム活性亢進を介して腫瘍増大に寄与する
和久 剛
先端モデル動物プラットフォーム若手支援技術講習会2017, 2017年09月, 公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等
タンパク質分解制御による新規ガン生存機構の解明と創薬応用
和久 剛
イノベーション・ジャパン2017, 2017年08月, その他
遺伝子発現の変調によるガン進展メカニズム解明
和久 剛
第五回 四私大合同生命科学シンポジウム ”数理・情報による生命科学の新たな潮流”, 2017年03月, 公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等
1) 転写因子NRF3はプテアソーム発現亢進を介してp53依存的なガン抑制シグナルを阻害する
和久 剛
転写研究会・新学術領域「転写サイクル」共催 冬の若手ワークショップ2017, 2017年01月, 公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等
転写因子NRF3はp53依存的なガン細胞の増殖抑制を阻害する
和久 剛
日本生化学会第89回大会, 2016年, 口頭発表(一般)
生体内代謝をモニターする転写システム:核内受容体PPARgによる転写を介した代謝ネットワーク間のクロストーク
白木琢磨; 和久剛; 森川耿右
日本生化学会, 2013年, 2013年, 2013年, 日本生化学会
Structural basis for the activation of the nuclear receptor, PPARg, by fatty acid- and serotonin-metabolites
和久 剛
日本生化学会第85回大会, 2012年, シンポジウム・ワークショップパネル(指名)
核内受容体PPARγのリガンドタイプ依存的活性化機構の構造基盤
和久 剛; 白木 琢磨; 塩生 くらら; 五十嵐 和彦; 白井 剛; 森川 耿右
日本生化学会大会・日本分子生物学会年会合同大会講演要旨集, 2010年12月, 2010年12月, 2010年12月, (公社)日本生化学会
レドックス制御のケミカルバイオロジー 核内受容体PPARγに対する内在性リガンドのケミカルバイオロジー
白木 琢磨; 和久 剛; 五十嵐 和彦; 森川 耿右
日本生化学会大会・日本分子生物学会年会合同大会講演要旨集, 2010年12月, 2010年12月, 2010年12月, (公社)日本生化学会
核内受容体PPARγに対する新規内在性脂肪酸リガンドの同定と受容体活性化機構
和久剛; 白木琢磨; 森川耿右
生化学, 2008年, 2008年, 2008年
リガンドの共通部分構造を認識する脂質シグナル系タンパク質部位の探索
塩生くらら; 和久剛; 大山拓次; 白木琢磨; 白井剛; 森川耿右
日本蛋白質科学会年会プログラム・要旨集, 2008年, 2008年, 2008年
脂肪酸リガンドによる核内受容体PPARγの活性化キネティクス
白木琢磨; 和久剛; 森川耿右
生化学, 2008年, 2008年, 2008年
アミノ酸飢餓によるがん細胞老化メカニズム解析とその改善法の検討
2025年04月 -2028年03月, 研究代表者, ロッテ財団奨励研究助成
アルギニンシグナルによる新たな生理作用:マクロピノサイトーシスとがん免疫回避
小林 聡; 和久 剛
日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 2023年04月 -2026年03月, 研究分担者, 基盤研究(B), 同志社大学
Nrf3誘導性ヘテロ-オートファジーを介したMHC-I分解によるがんの免疫逃避メカニズム解明
和久剛
清水免疫学・神経科学振興財団, 研究助成, 2023年02月 -2025年12月, 研究代表者
腫瘍免疫系における転写因子NRF3を介した肥満パラドックスの分子メカニズム解明
和久 剛
日本学術振興会, 科学研究費助成事業 基盤研究(C), 2022年04月 -2025年03月, 研究代表者, 基盤研究(C), 同志社大学
機能的ドーパミン神経細胞サブセットの解明
藤山 文乃; 高橋 晋; 和久 剛; 苅部 冬紀; 平井 康治
パーキンソン病の原因は黒質緻密部のドーパミン神経細胞の変性脱落であるが、黒質緻密部のどのドーパミン神経細胞サブセットの変性脱落がパーキンソン病のどの症状を引き起こすのかはわかっていない。これまでの研究で、黒質緻密部のドーパミン神経細胞には共発現する遺伝子の違いなどにより、複数のグループに分類されることが知られている。また、応募者らを含む複数のグループの研究により、黒質緻密部のドーパミン神経細胞は、その領域ごとに不明瞭ながら近接した線条体領域へ投射するトポグラフィーを示すことがわかっているが、このような投射様式の違いと遺伝子発現の違いとを結びつける要因が何であるかはわかっていない。言い換えれば、多様性をもつ個々の神経細胞が機能的回路を形成する原理が解明されていない。本研究課題では、ドーパミン神経細胞の投射様式および電気生理学的特性と、遺伝子発現プロファイリングとの相関を明らかにし、機能的ドーパミン神経細胞サブセットを同定することで、大脳基底核回路の機能的解明と、パーキンソン病の病態解明、治療アプローチの可能性を探る。昨年度はまず、中脳黒質のドーパミン神経細胞に経シナプスかつ順行性に運ばれるウイルスベクタとそれを注入するための動物を準備した。まずこのウイルスベクタの特異性を形態学的に検証した。また、このウイルスベクタを中脳黒質のドーパミン神経細胞に注入し、神経投射軸索終末の可視化を行った。, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 2020年04月 -2025年03月, 基盤研究(B), 北海道大学
免疫逃避戦略を支える新規がん代謝リプログラミング機構の解明
公益財団法人SGH財団, 第35回SGHがん研究助成, 2023年12月 -2024年12月, 研究代表者
T細胞応答を抑制する新規がん代謝変動メカニズムの解析
一般財団法人材料科学技術振興財団, 共同研究, 2023年10月 -2024年10月, 研究代表者
転写因子Nrf3 を標的としたシミ予防研究へのHIV-1 プロテアーゼ阻害剤(HIV-PI)リポジショニング
中冨健康科学振興財団, 研究助成, 2023年03月 -2024年03月, 研究代表者
転写因子Nrf3 を標的としたシミ予防研究へのHIV-1 プロテアーゼ阻害剤リポジショニング
和久剛
コーセーコスメトロジー研究財団, コスメトロジー研究助成, 2022年12月 -2024年03月, 研究代表者
細胞内新生Sタンパクを標的とした新規COVID-19治療薬の開発
西川 喜代孝; 和久 剛
1)SタンパクのRBD(S1-RBD)を標的としたペプチド性阻害薬の同定(西川・和久);バキュロウイルス発現系を用いてS1-RBDのC末端にHis-tagを導入したS1-RBD-(H6)、ならびにACE2との結合に重要な役割を果たしているアミノ酸(K417, F486, Q493)に個別に変異を導入した一連の変異体を作成した。各種変異体は、培養上性清をNi-ビーズに吸着、洗浄後、イミダゾールにて溶出を行うことにより回収した。さらに、ゲル濾過カラムPD-10によりバッファー交換を行い、回収タンパク質量を定量した。作成した各S1-RBDを用い、野生型ではACE2との十分な結合活性が観察されること、一方で変異体では結合活性が減弱していることを確認した。確認にあたっては、ACE2をELISAプレートに固相化し、各S1-RBDを添加後、結合したS1-RBDを抗His-tag抗体を用いて検出した。使用した変異S1-RBDの中でもK417A-S1-RBDで最も結合活性が減弱していること、すなわちK417がACE2との結合に最も重要な役割を果たしていることを見出した。そこで、野生型S1-RBDとK417A-S1-RBDを用い、多価型ランダムペプチドライブラリー法による高親和性モチーフの取得を行うこととした。多価型ランダムペプチドライブラリー(7箇所のランダムアミノ酸部位を含むペプチドを4本有する4価型ペプチドライブラリー)をセルロースシート上に合成したものを用い、野生型S1-RBDとK417A-S1-RBDでブロットし、抗His-tag抗体を用いて各スポットへの結合量を評価する。その結果、K417A-S1-RBDよりも野生型S1-RBDにより強く結合することを指標にスクリーンングを行うことにより、最適アミノ酸とそのpositionを同定する。, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 2021年07月 -2024年03月, 挑戦的研究(萌芽), 同志社大学
転写因子NRF3を介した脂質代謝リプログラミングによる新たながん増悪機構の解明
和久剛
一般財団法人材料科学技術振興財団 共同研究, 2022年01月 -2023年03月, 研究代表者
膵臓ガン克服に向けた免疫チェックポイント阻害療法の問題点の解決
小林 聡; 和久 剛
本研究の目的は、膵臓ガンの乳酸産生メカニズムを解明し、その阻害が与えるT細胞への影響を解明することで、免疫チェックポイント阻害療法を奏功させる新たな治療法を開発する点にある。ノーベル生理学医学賞を授与された免疫チェックポイント阻害療法はガン治療に革命をもたらしたが、奏功しないガンも多い。例えば、膵臓ガンは大量に乳酸を分泌することで攻撃してきたT細胞やNK細胞等を不活化するため、同治療法が奏功しない(Brand A (2016) Cell Metabolism)。したがって膵臓ガンの乳酸産生メカニズムを解明し、これを阻害する薬剤を開発すればガン免疫療法の膵臓ガン治療効果を高めるはずである。しかし現時点では、そのような薬剤はまだ開発できていない。
本研究では、膵臓ガンの乳酸産生メカニズムを解明することで、ひいては、その乳酸産生メカニズムを阻害する治療法開発につなげる。解析ターゲットとしては、申請者らが世界に先駆けて発見した転写因子NRF3 (NFE2L3) (Kobayashi A. (1999) J Biol Chem)にフォーカスを当てる。なぜなら申請者らは、NRF3が膵臓がん細胞において乳酸合成酵素LDHAの遺伝子発現を誘導することを発見したためである。そこで、このNRF3-LDHA経路について細胞ないしマウス移植実験を駆使して解明する。この経路の存在が実証された場合は、さらにNRF3阻害剤であるHIV治療薬nelfinavirが膵臓がんの乳酸分泌を抑制することで膵臓がんの免疫回避能を減弱するか検証する。, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 2021年07月 -2023年03月, 挑戦的研究(萌芽), 同志社大学
アミノ酸シグナルの新たな生理作用の解明と寿命延長ならびに免疫イグゾーストへの展開
小林 聡; 和久 剛
タンパク質を構成するアミノ酸がシグナル伝達因子として機能することが明らかにされ、食と医療という観点から大変注目を集めている。例えばロイシンはmTorc1シグナル系を活性化して細胞増殖を亢進させる。しかし生理作用が解明できていないアミノ酸はまだ多く、さらにそれが高次生命現象につながった例も少ない。そのような状況で申請者らは、アミノ酸レベルの低下が転写因子NRF3を活性化しアミノ酸トランスポーター遺伝子を誘導することを発見した。これはアミノ酸低下というシグナルが転写因子に作用し遺伝子発現を制御する珍しい現象である。NRF3は申請者が発見した転写因子であり、その祖先遺伝子である線虫のSkn1は栄養制限による寿命延長に関わる。さらにNRF3はがん抑制因子p53による細胞老化を阻害することでがんを悪性化する。つまりアミノ酸によるNRF3活性制御と生理作用の解明は、寿命延長やがん悪性化という高次生命現象の解明につながる可能性が高い。そこで本研究ではアミノ酸シグナルの新たな生理作用として、アミノ酸低下によるNRF3を介した生理作用を解明する。
本年度の研究成果としては、アミノ酸レベルの低下によりNRF3が活性化する知見から、NRF3を活性化するアミノ酸がアルギニンであること発見した。細胞内アルギニンレベルの低下を回復させるために、NRF3は細胞外物質を取り込むエンドサイトーシスの一種であるマクロピノサイトーシスを誘導することも明らかにした。これらNRF3の作用により回復したアルギニンというシグナルが、NRF3が発現制御する遺伝子とともに、細胞増殖を活性化するmTorc1をリソソームにリクルートしていた。以上の結果から、NRF3はアルギニンのレベルを感知し、細胞増殖を制御する転写因子であることを見出した。, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 2020年04月 -2023年03月, 基盤研究(B), 同志社大学
タンパク質恒常性の破綻による大腸がん増悪メカニズムの解明
和久 剛
日本学術振興会科学研究費助成事業, 基盤研究(C), 2019年04月 -2022年03月, 研究代表者, 競争的資金
アンチエイジングをもたらすタンパク質分解酵素プロテアソームの連動的発現機構の解明
小林 聡; 和久 剛
アンチエイジングをもたらす細胞の恒常性維持機構として、タンパク質分解酵素プロテアソームと転写因子NRF1が形成するタンパク質恒常性維持機構について解析し以下の成果を得た。(1)NRF1はプロテアソームだけではなくオートファジー関連因子p62、TBK1、GABARAPL1も発現制御することを発見した。詳細な作用メカニズムは解析中であるが、NRF1はオートファジーによるタンパク質恒常性も制御する可能性を見出した。(2)がん細胞におけるプロテアソーム発現制御は、NRF1からNRF1関連因子NRF3へシフトすることを明らかにした。この知見はNRF3による新たなタンパク質恒常性機構の存在を示唆する。, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 2019年06月 -2021年03月, 挑戦的研究(萌芽), 同志社大学
腫瘍増悪性転写因子NRF3によるアミノ酸取り込み競合を介した新規がん免疫抑制機構の解明
和久 剛
稲盛財団, 研究助成, 2020年04月
腫瘍増大に寄与する20Sプロテアソーム制御機構の解明
和久 剛
上原記念生命科学財団, 研究奨励金, 2018年04月 -2019年03月, 研究代表者, 競争的資金
腫瘍進展における新規プロテアソーム制御経路の機能解析
和久 剛
日本学術振興会科学研究費助成事業, 若手研究(B), 2017年04月 -2019年03月, 研究代表者, 競争的資金
プロテアソームの発現機構の解明とアンチエイジングへの応用
小林 聡; 和久 剛; 依馬 正次
体を構成する細胞は様々な恒常性維持機構を発動することで、健康維持・アンチエイジングをもたらしている。その恒常性維持機構の1つとして、細胞内で発現しているタンパク質の品質管理があげられる。今回の研究では、転写因子NRF1が、タンパク質品質管理において重要な機能をもつプロテアソームの発現を制御するとともに、異なるタンパク質分解システムであるオートファジーも制御していることを発見した。またNRF1関連因子であるNRF3はPOMPと呼ばれるタンパク質を発現誘導することで、20Sプロテアソームを活性化し細胞の老化に関わるタンパク質を分解していることを見出した。, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 2016年04月 -2019年03月, 基盤研究(B), 同志社大学
プロゲステロン受容体ノンゲノミック機能を標的とするChIP-seq解析と創薬応用
和久 剛
核内受容体は様々な代謝変動に応答するリガンド依存的転写因子であり、多くの代謝異常疾患における創薬の標的分子とみなされている。核内受容体の転写機能は、DNAに直接結合することで発揮されると考えられていた(ゲノミック機能)が、近年はDNA結合非依存的な転写制御機能(ノンゲノミック機構)の存在が報告されていた。本研究では、核内受容体ノンゲノミック機構の全容解明と、創薬応用へ向けた低分子リガンドの同定を目的とし、1)VDRノンゲノミック機構を介した腎線維化の生理学的研究と構造生物学的解析の論文化、および2)核小体因子NMLの肝臓におけるChIP-seq解析に分離することに変更した。加えて、本年度はさらに2つの研究成果を上げたことから、それら成果についてバート毎に下にまとめる。
1)前年度は、高カルシウム血症を併発することなく腎線維化を抑制できる新規化合物DLAMを見出し、本研究における重要なテーマの一つである核内受容体ノンゲノミック機構の生理的意義における新たな研究成果として報告した。本年度はDLAMによるVDR活性制御の詳細な解明を目的としたX線結晶構造解析を行い、現在論文を投稿中である。これら一連のデータは上記の研究の創薬応用において重要な成果となると期待される。
2)核小体は核内に存在し膜構造をもたない核内小器官である。その核小体に局在する因子NMLは肝臓において高発現している。NMLの生体内における役割を明らかにする肝臓特異的NML欠損マウスを作製し、ChIP-seq解析を行った結果、NMLはリボソームRNA転写を特異的に制御していることを見出し報告した。
3)ユビキチン転移酵素CHIPは乳がん患者で発現低下していることが知られていた。申請者は、CHIPの発現低下はタンパク質の品質管理を低下させることでガン悪性化につながることを新たに見出し報告した。, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 2012年04月 -2015年03月, 特別研究員奨励費, 東京大学