玉井 史絵
タマイ フミエ
グローバル・コミュニケーション学部グローバル・コミュニケーション学科
教授
Last Updated :2025/04/29

研究者情報

研究キーワード

  • ヴィクトリア朝文学
  • Victorian Literature

研究分野

  • 人文・社会 / ヨーロッパ文学

研究歴

  • 1986-1996 ディケンズ後期の作品論の研究に従事
  • 1996-1997 英語教育(TESOL)の研究に従事
  • 1997- ディケンズにおける帝国と階級の表象についての研究に従事

経歴

  • 同志社大学グローバル・コミュニケーション学部, 教授, 2011年04月 - 現在
  • 同志社大学言語文化教育研究センター, 教授, 2010年04月 - 2011年03月
  • 同志社大学言語文化教育研究センター助教授, 2003年04月 - 2010年03月
  • 同志社大学言語文化教育研究センター専任講師, Institute for Language and Culture, 2000年 - 2003年
  • 同志社大学言語文化教育研究センター非常勤講師, Institute for Language and Culture, 1994年 - 1997年
  • 龍谷大学非常勤講師, 1992年 - 1997年
  • 成安造形短期大学非常勤講師, 1989年 - 1995年
  • Part-time lecturer at Seian Junior College of Fine Arts, 1989年 - 1995年

学歴

  • University of Leeds, School of English, Ph.D, 1998年09月 - 2004年06月
  • University of Leeds, School of English, M.A. in Victorian Literature, 1997年09月 - 1998年06月
  • Temple University Japan, Graduate College of English, TESOL, 1994年02月 - 1996年06月
  • 同志社大学, 文学部文学研究科, 英文学専攻, 1986年04月 - 1989年03月
  • 同志社大学, 文学部, 英文学科, 1982年04月 - 1986年03月

学位

  • Ph.D., リーズ大学
  • M.A., リーズ大学
  • M.ed., テンプル大学
  • 文学修士, 同志社大学

所属学協会

  • 日本ギャスケル協会
  • 大学英語教育学会
  • 日本ヴィクトリア朝文化研究学会
  • 日本英文学会
  • ディケンズ・フェロウシップ日本支部
  • Japan Society of English Literature
  • Dikcens Fellowship

委員歴

  • 副支部長, 2020年 - 現在, ディケンズ・フェロウシップ日本支部, 学協会, ディケンズ・フェロウシップ日本支部
  • 事務局長, 2020年 - 現在, 日本ヴィクトリア朝文化研究学会

論文

  • 『二都物語』における「怒り」と「癒し」のコミュニケーション
    玉井史絵
    ディケンズ・フェロウシップ日本支部年報, (47) 84 - 94, 2024年12月, 研究論文(学術雑誌)
  • 『ラドロー卿の奥様』における包摂的社会の構築とその限界
    玉井史絵
    『ギャスケル研究』, 33 75 - 89, 2023年10月, 研究論文(学術雑誌)
  • 学校と墓地ーー『ニコラス・ニクルビー』と『骨董屋』における共感の教育(2)ーー
    玉井史絵
    『コミュニカーレ』, (11) 1 - 25, 2022年03月, 研究論文(学術雑誌)
  • 学校と墓地ーー『ニコラス・ニクルビー』と『骨董屋』における共感の教育(1)ーー
    玉井史絵
    『コミュニカーレ』, (9) 21 - 39, 2020年03月, 研究論文(大学,研究機関等紀要)
  • A Handkerchief or a Child?: Nicholas Nickleby and the Problem of Copyright
    Fumie Tamai
    ディケンズ・フェロウシップ日本支部『年報』, ディケンズ・フェロウシップ日本支部, 39(39) 4 - 19, 2016年
  • Educating Oliver: The Conflicting Ideas of Education in Oliver Twist
    玉井 史絵
    ディケンズ・フェロウシップ日本支部『年報』, ディケンズ・フェロウシップ日本支部, 32(33) 4 - 18, 2011年
  • 国家を〈見る〉快楽―『イラストレイティッド・ロンドン・ニュース』におけるヴィクトリア女王のジュビリーの表象―
    玉井 史絵
    『言語文化』, 同志社大学, 11(1) 1 - 25, 2008年
  • 包含と排除―『骨董店』における「同情」のメカニズム
    玉井 史絵
    『主流』, 同志社大学英文学会, 67(67) 35 - 52, 2006年
  • The Representation of Savagery and Civilization in The Old Curiosity Shop
    玉井 史絵
    『言語文化』, 同志社大学, 8(4) 739 - 760, 2006年
  • Globalisation and the Ideal of Home (2): Dombey and Son
    玉井 史絵
    『言語文化』, 同志社大学言語文化学会, 6(4) 637 - 653, 2004年03月, 研究論文(大学,研究機関等紀要)
  • ディケンズとポストコロニアル批評
    玉井 史絵
    ディケンズ・フェロウシップ日本支部『年報』, ディケンズ・フェロウシップ日本支部, (26) 111 - 120, 2003年
  • Great Expectations: The Problem of Social Inclusion
    玉井 史絵
    ディケンズ・フェロウシップ日本支部『年報』, ディケンズ・フェロウシップ日本支部, (25) 55 - 67, 2002年
  • Globalisation and the Ideal of Home (1): Martin Chuzzlewitt
    玉井 史絵
    『言語文化』, 同志社大学, 5(2) 275 - 298, 2002年
  • David Copperfield: Colonial Dissemination of Self (2)
    玉井 史絵
    『言語文化』, 同志社大学, 4(1) 229 - 251, 2001年
  • Nationalism and the Shadow of the Declining Empire: Dickens's Journalism and Speeches in the Mid-Fifties
    玉井 史絵
    『比較文化研究』, 学術雑誌目次速報データベース由来, 52(52) 1 - 13, 2000年
  • David Copperfield, Colonial Dissemination of Self, (1)
    玉井 史絵
    『言語文化』(同志社大学言語文化学会), 同志社大学, 3(2) 179 - 201, 2000年
  • Mental Translation in Japanese Learners' L2 English Reading
    玉井 史絵
    『比較文化研究』, 学術雑誌目次速報データベース由来, 34(34) 80 - 97, 1997年
  • 過去の回復―Our Mutual FriendにおけるHarmonプロットに関する一考察
    玉井 史絵
    『比較文化研究』, (31) 25 - 34, 1996年
  • Lizzieの影響力―Our Mutual Friendに関する一考察
    玉井 史絵
    『比較文化研究』, (28) 1 - 12, 1995年03月
  • Little Dorritにおける虚構の構造
    玉井 史絵
    『主流』, (54) 33 - 50, 1993年
  • Bleak Houseにおける死と再生
    玉井 史絵
    『主流』, 同志社大学英文学会, (53) 55 - 70, 1992年

MISC

  • 書評:小川公代著『ケアする惑星』
    玉井史絵
    『女性とジェンダーの歴史』, 12 63 - 64, 2026年02月, 書評論文,書評,文献紹介等
  • 書評:Clare Pettitt, Serial Forms: The Unfinished Project of Modernity, 1815-1848
    『ヴィクトリア朝文化研究』, (19) 273 - 277, 2021年11月
  • 書評:Lauren M. E. Goodlad, The Victorian Geopolitical Aesthetic: Realism, Sovereignty, and Transnational Experience (OUP, 2015)
    Fumie Tamai
    『英文學研究』, 96 64 - 68, 2019年12月
  • プロシーディング「〈グローバル市民〉育成のための文学教育のあり方」2017
    玉井史絵
    『日本英文学会第89回大会Proceedings』, 37 - 38, 2017年09月
  • 書評:Thedore Koditschek, Liberalism, Imperialism, and the Historical Imagination: Nineteenth-Century Visions of Greater Britain (CUP, 2011) & Ciaran Brady, James Anthony Froude: An Intellectual Biography of a Victorian Prophet (OUP, 2013)
    玉井史絵
    『ヴィクトリア朝文化研究』, 日本ヴィクトリア朝文化研究学会, 12(12) 126 - 130, 2014年11月
  • プロシーディング「階級を越えた連帯:Dickensとクリミア戦争」
    玉井史絵
    『日本英文学会第86回大会Proceedings』, 61 - 62, 2014年09月
  • プロシーディング「帝国主義と教育――George GissingのThe Whirlpoolをめぐって」
    玉井史絵
    『日本英文学会2012年度支部大会Proceedings』, 195 - 196, 2013年09月
  • 書評:Ayse Celikkol, Romances of Free Trade: British Literature, the Laissez-Faire and the Global Nineteenth Century (OUP 2011)
    玉井史絵
    『ディケンズ・フェロウシップ日本支部年報』, ディケンズ・フェロウシップ日本支部, (35) 23 - 26, 2012年11月
  • 書評:松村昌家著『ヴィクトリア朝文化の世代風景――ディケンズからの展望』(英宝社2012)
    玉井史絵
    『ギャスケル論集』, 日本ギャスケル協会, (22) 67 - 71, 2012年08月
  • プロシーディング「文学の教材としての可能性――実践的コミュニケーション能力育成のために」
    玉井史絵
    『日本英文学会第82回大会Proceedings』, 38 - 40, 2010年09月
  • 書評:Elizabeth Gargano, Reading Victorian Schoolrooms: Childhood and Education in Nineteenth-Century Fiction (Routledge, 2008)
    玉井史絵
    『ヴィクトリア朝文化研究』, 日本ヴィクトリア朝文化研究学会, 7(7) 93 - 96, 2009年11月
  • 「文学と経済学の接点」(海外新潮:イギリス文学 1 )
    玉井史絵
    『英語青年』, 152(11) 683 - 684, 2007年02月
  • 「イギリス人男性は優しい?」(海外新潮 イギリス文学1)
    玉井史絵
    『英語青年』, 152(8) 486 - 487, 2006年11月
  • 「copyrightとauthorship」(海外新潮 イギリス文学1)
    玉井史絵
    『英語青年』, 152(5), 2006年08月
  • 「民主主義におけるinclusionの問題」(海外新潮 イギリス文学1)
    玉井史絵
    『英語青年』, 152(2), 2006年05月

書籍等出版物

  • シリーズ「ナイチンゲールの越境」6『ナイチンゲールはなぜ戦地クリミアに赴いたのか』
    玉井史絵; 石川一洋; 森田由利子; 杉浦裕子; 丸山健夫; 小宮彩加; 中島俊郎; 太田垣裕子; 金沢美知子
    2022年02月, 分担執筆, クリミア戦争はどのような戦争だったのか
  • Dickens and the Anatomy of Evil : Sesquicentennial Essays
    松岡, 光治
    Athena Press, 2020年, 分担執筆, "Bemoaning the Present Evil Period": The Uneasy Relationship between Sympathy and Social Reform in The Uncommercial Traveller
  • 『ことばとの対話 ――理論・記述・言語教育』
    藤岡, 克則; 北林, 利治; 長谷部, 陽一郎
    同志社ことばの会記念論文集刊行会,英宝社 (発売), 2019年02月, 分担執筆, 文学の教材としての可能性ーーグローバル市民育成のためにーー
  • 『ディケンズとギッシング ――底流をなすものと似て非なるもの』
    松岡, 光治
    大阪教育図書, 2018年12月, 分担執筆, 第四章「小説家の使命―〈共感〉をめぐるポリティクスー」
  • Evil and Its Variations in the Works of Elizabeth Gaskell: Sequicentennial Essays
    松岡光治
    大阪教育図書, 2015年06月, 分担執筆, Chapter 20: "Sylvia's Lovers: Liberty, Violence and the Problem of Democracy", 学術書
  • Dickens in Japan, Bicentenary Essay
    原英一; 新野緑; 松岡光治; 佐々木徹ほか
    大阪教育図書, 2013年05月, 分担執筆, "The Times Are Levelling Times": Violence in the Age of Democracy and Imperialism in The Mystery of Edwin Drood, 学術書
  • 『ディケンズ文学における暴力とその変奏―生誕二百年記念』
    玉井 史絵; 松岡光治; 中和彩子; 西垣佐理; 猪熊桂子; 渡辺智也; 畑田美緒; 川崎明子; 中村隆; 武井暁子; 矢次綾; 鵜飼信光; 宮丸裕二; 加藤匠
    大阪教育図書, 2012年10月, 分担執筆, 第10章「『ハード・タイムズ』―教育の(暴)力』, 学術書
  • 『英語研究と英語教育 ――ことばの研究を教育に活かす』
    岡田, 伸夫; 南出, 康世; 梅咲, 敦子; 大学英語教育学会
    大修館書店, 2010年12月, 分担執筆, 第13章「文学教材論――英文学教育と文学教材づくり」(玉井史絵、齊藤安以子、松田早恵、藤岡千伊奈)
  • 『エリザベス・ギャスケルとイギリス文学の伝統』
    日本ギャスケル協会編
    2010年09月, 分担執筆, 第一部第四章「国家ー自由貿易主義の帝国のなかで」191-202, 学術書
  • 『ギャスケルで読むヴィクトリア朝前半の社会と文化』
    松岡光治編著
    渓水社, 2010年09月, 分担執筆, 第1部第4章「国家――自由棒歴主義の帝国の中で」83-100, 学術書
  • 『ギッシングを通してみる後期ヴィクトリア朝の文化と社会』
    松岡光治(編著)
    渓水社, 2007年11月, 分担執筆, 第七章「犯罪―越境する犯罪と暴力」131-148, 学術書
  • 『ディケンズ鑑賞大事典』
    西條隆雄; 植木研介; 原英一; 松岡光治他
    南雲堂, 2007年05月, 分担執筆, 第五部第一章「出版小説と挿絵」, 学術書
  • 表象と生のはざまで―葛藤する米英文学
    山下 昇; 林 以知郎; 佐々木 隆; 斉藤 延喜
    南雲堂, 2004年08月, 分担執筆, 『荒涼館』自由と監視の間で」622-38

講演・口頭発表等

  • なぜ文学が英語教育に必要なのか?
    玉井史絵
    大学英語教育学会(JACET)2024年度第2回関西支部講演会, 2024年10月19日, 2024年10月19日, 2024年10月19日, 公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等
  • A Tale of Two Citiesにおける「怒り」と「癒し」のコミュニケーション
    玉井史絵
    第 1 回 19 世 紀 イ ギ リ ス 文 学 合 同 研 究 会シンポジウム, 2023年11月04日
  • 「文学研究は英語教育にいかに貢献できるのか?」セミナー「英米文学と英語教育の接点」
    玉井史絵
    関西英語教育学会第46回KELESセミナー, 2019年10月06日
  • 「ドキュメンタリーを使って養う批判的思考能力」シンポジウム「ノンフィクション素材活用法」
    玉井史絵
    映像メディア英語教育学会第 16 回西日本支部大会, 2019年03月02日
  • 〈グローバル市民〉育成のための文学教育のあり方
    玉井史絵
    日本英文学会第89回大会, 2017年
  • 「小説家の使命――〈共感〉の表象をめぐって」シンポジウム「ディケンズとギッシング――隠れた類似点と相違点」
    玉井史絵
    ディケンズ・フェロウシップ日本支部総会, 2017年
  • 「『シルヴィアの恋人たち』― 個人の自由と帝国の秩序 ―」 シンポジウム「Britain and Beyond―ギャスケルと帝国」
    玉井史絵
    日本ギャスケル協会大会, 2014年
  • 「階級を超えた連帯―Dickensとクリミア戦争」シンポジウム「戦争と文学の軌跡」
    玉井史絵
    日本英文学会第86回大会, 2014年
  • 「帝国主義と教育―George GissingのThe Whirlpoolをめぐって」
    玉井史絵
    日本英文学会関西支部総会, 2012年
  • 「“The times are leveling times”: The Mystery of Edwin Droodにおける民主主義と暴力」シンポジウム―「ディケンズと暴力」
    玉井史絵
    ディケンズ・フェロウシップ日本支部総会, 2011年
  • 「文学の教材としての可能性―実践的コミュニケーション能力育成のために」
    玉井史絵
    日本英文学会第82回大会, 2010年
  • 「Charlie and the Chocolate Factoryを用いた授業の実践報告」 ワークショップ「私の文学教材実践報告―絵本からシェークスピアまで―」
    玉井史絵
    大学英語教育学会関西支部春季大会, 2008年
  • 「フェミニズムとアンチ・フェミニズムのはざまで」ワークショップ「ギャスケルの短篇三作を読む―“The Old Nurse’s Story,” “The Poor Clare,” “The Grey Woman”―」
    玉井史絵
    日本ギャスケル協会例会, 2007年
  • 「国家を〈見る〉快楽―The Illustrated London Newsにおけるジュビリーの表象」シンポジウム「二つのジュビリー」
    玉井史絵
    日本ヴィクトリア朝文化研究学会全国大会, 2007年
  • 「Harry Potter and the Philosopher’s Stoneを使った授業の実践報告」シンポジウム「英語教育における文学の可能性」
    玉井史絵
    (大学英語教育学会全国大会), 2006年
  • 「The Old Curiosity Shopにおける都市と農村、そして帝国」
    玉井史絵
    ディケンズ・フェロウシップ日本支部、日本ギャスケル協会合同大会, 2004年
  • 「ディケンズとポストコロニアル批評」シンポジウム「1980年代以降のディケンズ批評」
    玉井史絵
    ディケンズ・フェロウシップ日本支部春季大会, 2003年
  • 「David Copperfieldにおけるポストコロニアル的解釈の試み」
    玉井史絵
    日本英文学会全国大会, 2001年
  • 「日本人学習者による『内的翻訳』」
    玉井史絵
    大学英語教育学会全国大会, 1997年

Works(作品等)

  • 共訳:ルーシー・ワースリー著『イギリス風殺人事件の愉しみ方』
    2015年
  • 共訳:ルーシー・ワースリー『暮らしのイギリス史―王侯から庶民まで』
    2013年
  • 翻訳:エリザベス・ギャスケル「貧しきクレア修道女」(『エリザベス・ギャスケル全集 別巻I 短編・ノンフィクション』所収)
    2008年

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 19世紀イギリス小説における共感と社会改革
    玉井 史絵
    日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 2022年04月 -2027年03月, 基盤研究(C), 同志社大学
  • 小説と学校-19世紀イギリスにおける文学と教育
    玉井 史絵
    当該年度は前年度の遅れから、当初の研究実施計画では2017年度に行う予定であった1830年から1850年の期間における教育と文学の研究を継続して行った。特にディケンズの初期の小説、『ニコラス・ニクルビー』に焦点をあて、ジャーナリストから作家としての地位を築きつつあったディケンズがいかに自らの教育的役割を定義したかを検証した。2018年度中に完成することはできなかったが、その成果は「学校と墓地――『ニコラス・ニクルビー』おける共感の教育」(仮題)としてまとめ、2019年度中に発表したいと考えている。『ニコラス・ニクルビー』はディケンズが執筆前に行ったヨークシャーの学校への取材の旅が原点となっている。本論文では『ニコラス・ニクルビー』に登場する犠牲者としての子供の表象に着目し、ディケンズがいかに公教育の限界を描き、公教育を超えた領域での作家の役割を提示したかを論じる。 また、前年度より取り組んできた論文「小説家の使命―共感をめぐるポリティクス」は松岡光治編著『ディケンズとギッシング―― 底流をなすものと似て非なるもの』(大阪教育図書)第4章として発表された。この論文においては、共感の喚起という小説の教育的意義に対するディケンズとギッシングの見解の相違を分析し、その接点と分岐点を明らかにした。両者ともに、小説による読者の教育を通じた社会改革を志した点は共通する。けれども、ディケンズが読者の共感を喚起することによって社会を変革しようとしたのに対し、ギッシングは共感を排除した観察に基づいて貧民を描写し、その実態を知らしめることで社会を変革しようとした。本論文では、以上のことをディケンズの『骨董屋』とギッシングの『暁の労働者たち』を中心に論じている。, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業 基盤研究(C), 2017年04月 -2022年03月, 基盤研究(C), 同志社大学
  • 文学作品を用いた英語教育の教授法と教材の開発に関する研究
    寺西 雅之; 奥 聡一郎; 玉井 史絵; 深谷 素子; 寺西 雅子; 西原 貴之; 小澤 緑; 藤原 知予
    英語教育における文学作品の役割を再評価した本研究の成果として、まず教育現場での実地調査が挙げられる。特に、言語教育において評価の高いフィンランドや英国において実施した授業参観からは重要な教育的示唆を得ることができた。また、上級レベルの外国語学習者に対して行ったインタビューより、外国語習得における文学作品の具体的な役割を発見することができた。さらに、『文学教材実践ハンドブック』等の教材・授業実践集を作成し文学教材を用いた英語教育の普及に貢献できた点も大きい。最後に国際誌への論文投稿や国際学会での発表等本研究の成果を世界に向けて発信し、各国の研究者との協力体制を築いたことも大きな成果である。, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 2011年 -2013年, 基盤研究(C), 兵庫県立大学