Doshisha University, Department of Environmental Systems Science, Faculty of Science and Engineering, Associate Professor, 2024/04 - Today
Hokkaido University, Faculty of Environmental Earth Science, Assistant Professor, 2022/11 - 2024/03
Hokkaido University, International Institute for Zoonosis Control, Postdoctoral Research Fellow, 2021/08 - 2022/10
Ryukoku University, 教務部, part-time lecturer, 2021/04 - 2021/09
Kyoto University, Center for Ecological Research, Postdoctoral Research Fellow, 2021/04 - 2021/07
University of British Columbia, Department of Zoology, Postdoctoral Research Fellow, 2017/10 - 2021/03
University o Exeter, College of Life and Environmental Science, Associate Research Fellow, 2016/06 - 2017/09
Kyushu University, School of Sciences, JSPS Postdoctoral Research Fellow, 2015/08 - 2016/03
Theory and applications of interspecific interactions using population acceleration
橋本 洸哉; 伊藤 公一; 池川 雄亮
Japan Society for the Promotion of Science, Grants-in-Aid for Scientific Research, 2024/04 -2027/03, Grant-in-Aid for Scientific Research (C), Hirosaki University
花の病気の理論モデル:送粉者が広げる植物感染症が花形質の進化に及ぼす影響の解明
伊藤 公一
近年、送粉者は花粉だけでなく、植物個体の適応度に悪影響を与えるような微生物をも同時に運んでいることが報告されている。しかし、このような送粉者を介して花から花へと広がる広い意味での「感染症」の存在が、植物の繁殖成功や花形質の進化に与える影響については、これまで十分明らかにされてこなかった。
そこで、本研究プロジェクトではまず一般的な疫学理論モデルを発展させ、送粉者を介した花の感染症固有の要素を取り入れた理論的枠組み作りに取り組んだ。未感染、感染の状態に加えて、送粉者の花粉の有無、花の受粉の有無の、二つの状態を新たに加えることで、感染症と植物の繁殖成功を同時に推定可能な理論モデルの構築を行なった。
構築した理論モデルを用いて、感染症の広がり方に影響する要素について解析をおこなったところ、花の感染症は送粉者の感染比率が低くても容易に蔓延しうること、植物の繁殖成功は訪花頻度が低すぎても高すぎても低下しうることを明らかにした。さらに、花が感染症への耐性(耐病性)を進化させた場合、その結果は花の性表現によって大きく異なることを明らかにした。両性花の場合、感染症のタイプに関わらず感染力に応じて中程度の耐病性を進化させた。一方、雌雄異花の場合、感染症が主に訪花頻度を減らすような病徴を示す場合には雄花において高い耐病性を持ち、感染症は主に雌花において広がるのに対して、感染症が種子を損なうような病徴を持つ場合、雌花が高い耐病性を持ち、感染症は主に雄花において広がった。これらの結果は、花において感染症をめぐる利害は雌雄で異なっており、場合によっては性的対立が生じる可能性を示唆している。, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業 研究活動スタート支援, 2021/08 -2023/03, 研究活動スタート支援, 北海道大学
Development of a mobile sensor for volcanic observation "HOMURA"
Kaneko Katsuya; ITO Koichi; ANBE Yuichi; IWAHORI Kodai; SAGI Hirotaro
We have been developing a practical unmanned-ground-vehicle-type robot for volcanic observation, “HOMURA”, that carries out monitoring near active craters. Homura can obtain pictures of crater and data of sensors in real time with data communication of cellular phone. In this study, we newly did installation of volcanic gas sensors, improvement of softwares for HOMURA, and installation of a solar panel so that we more efficiently use HOMURA for a long time. We also carried out two test campaigns at a natural volcanic field (Kirishima-Iwoyama), and confirmed that HOMURA is stably operated and useful. We will continue volcanic observation by HOMURA., Japan Society for the Promotion of Science, Grants-in-Aid for Scientific Research Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research, 2015/04 -2017/03, Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research, Kyoto University
協力努力の連合様式と協力の進化動態とをつなぐ一般的法則性の理論的解明
伊藤 公一
本年度は、昨年度の研究をさらに深めることを目的に、二つの点から研究を行ってきた。一つは、エラー存在下における意思決定様式の進化の理論的一般性の解明である。昨年度の研究では、協力への投資量に個体ごとに特有のエラーが存在する条件を考えることで、協力の意思決定様式の進化動態を明らかにしたが、協力時に生じるエラーには異なる様式も考えられる。エラーが生じる対象やエラーの種類の違いが意思決定様式の進化動態に与える影響について調べるために、昨年度構築した数理モデルをベースとして6通りのエラー様式を新たに導入した拡張モデルを構築し、進化動態の定性的な解析を行った。結果、エラー様式によって意思決定様式の進化は大きく異なることが明らかとなった。
もう一つは、実際の野外でみられる協力行動を理論的枠組みから捉える事で、協力への投資が利益に変わるプロセスの影響を検討する事である。本年は、訪花者をめぐる花の報酬とシグナルの進化動態について注目した。花は訪花者を集めるために報酬を生産するが、訪花者は報酬の多寡を花の色や形、匂いなどの情報と関連付けて学習することが知られている。このような場合、訪花者の花形質への選好性は花にとっての公共財とみなすことができ、花の報酬の進化は協力ゲームの枠組みから捉えることができる。花の報酬とシグナルの進化動態を考えるために、花の報酬の生産期間と、花の寿命、およびシグナルの有無を進化形質とする理論モデルを構築し、進化的安定な戦略をAdaptive Dynamicsを用いて解析した。結果、学習能力にばらつきが、花形質の進化に大きな影響を与えることを明らかにするとともに、野外でみられる花色変化と呼ばれる現象を説明できる可能性を示唆した。以上の結果は、協力への投資量が利益に変わるプロセスの違いに注目することで、実際の野外でみられる形質の進化の起源について説明できる可能性を示している。, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業 特別研究員奨励費, 2014/04 -2016/03, 特別研究員奨励費