同志社大学, 理工学部 化学システム創成工学科, 准教授, 2023年04月 - 現在
同志社大学, 理工学部 化学システム創成工学科, 准教授(有期), 2019年04月 - 2023年03月
九州大学大学院工学研究院, 応用化学分子教室, 特任助教, 2017年03月 - 2019年03月
JST-ERATO秋吉バイオナノトランスポータープロジェクト, 特定研究員, 2012年04月 - 2017年02月
京都大学大学院工学研究科, 高分子化学専攻(秋吉研究室), 特定研究員, 2012年04月 - 2017年02月
日本学術振興会特別研究員(DC1), 2009年04月 - 2012年03月
ナノゲルとは?~あなたのナノ粒子はナノゲルといえるでしょうか?~
田原義朗
生物工学会誌, 102(1) 20 - 22, 2024年01月25日
Self-Assembled Nanogels Consisting of Cholesterol-Bearing Polysaccharides and their Applications in Medicine
Haddad Antonia-Nancy; Michiaki Matsumoto; Yoshiro Tahara
Hydrogels and Nanogels - Applications in Medicine, 2023年06月
イオン液体を利用した経皮吸収製剤の開発動向
田原義朗; 後藤雅宏
2022年08月26日
若手研究者からのメッセージ
田原義朗
日本化学会バイオテクノロジー部会NEWS LETTER, 26(1) 14 - 19, 2022年08月01日
Solid-in-Oil(S/O)技術とバイオ分子の経皮吸収促進
田原 義朗; 後藤 雅宏
オレオサイエンス, 公益社団法人 日本油化学会, 22(3) 121 - 126, 2022年03月04日
イオン液体を利用した経皮DDS研究の進展
田原義朗; 後藤雅宏
MEMBRANE, The Membrane Society of Japan, 46(5) 300 - 305, 2021年10月05日
Ionic Liquids for Transdermal Vaccination
Yoshiro Tahara
Application of Ionic Liquids in Drug Delivery, 10 187 - 193, 2021年08月28日
Solid-in-oil-in-water(S/O/W)型多層エマルションとDDS への応用
田原義朗; 後藤雅宏
オレオサイエンス, 19(5) 15 - 20, 2019年09月
イオン液体という第3の液体を用いた創薬研究
田原義朗; 後藤雅宏
日本化学会バイオテクノロジー部会ニュースレター, 23(1) 3 - 12, 2019年08月
油状ナノ基剤を用いたDDS 技術と非侵襲性経皮ワクチンへの応用
田原義朗; 後藤雅宏
化学工学, 83(7) 408 - 411, 2019年07月
イオン液体を用いた創薬研究
田原義朗
化学工学, 83(6) 365 , 2019年06月
S/O技術によるペプチドの経皮吸収
田原義朗; 後藤雅宏
COSMETIC STAGE, 13(2) 48 - 52, 2018年12月
Solid-in-Oil(S/O)化技術と経皮ワクチンへの応用
田原義朗; 後藤雅宏
PHARM TECH JAPAN, 34(14) 199 - 202, 2018年11月
イオン液体を用いたDDSと経皮デリバリーへの応用の現状
田原義朗; 後藤雅宏
Drug Delivery System, 33(4) 303 - 310, 2018年09月
S/O 技術による皮膚浸透促進と化粧品開発
田原義朗; 後藤雅宏
月刊ファインケミカル, 47(3) pp.38 - 44, 2018年03月
微粒子等を用いたドラッグデリバリーシステム
田原義朗; 秋吉一成
動物用ワクチンとバイオ医薬品, pp.248 - 251, 2017年07月
経皮吸収製剤における最新のDDS技術
田原義朗; 後藤雅宏
DDS先端技術の先端バイオ医薬品への応用開発, 8(1) pp.404 - 409, 2017年06月
Solid-in-Oil(S/O)技術を利用したタンパク質の経皮デリバリーと経皮ワクチンへの応用
田原義朗; 後藤雅宏
Drug Delivery System, Japan Society of Drug Delivery System, 32(3) 176 - 183, 2017年, 書評論文,書評,文献紹介等
自己組織化ナノゲルによるDDS開発
田原義朗; 秋吉一成
月刊ファインケミカル, シーエムシー出版, 45(11) pp.25 - 32, 2016年11月
物理架橋ナノゲルの調製とDDS応用
田原義朗; 秋吉一成
DDSキャリア作製プロトコル集, pp.124 - 130, 2015年08月
Pullulan
Yoshiro Tahara; Kazunari Akiyoshi
Encyclopedia of polymeric nanomaterials, 2121 - 2129, 2015年06月
ナノゲル基盤材料によるタンパク質医薬の徐放技術とその応用
田原義朗; 秋吉一成
遺伝子医学MOOK別冊 – ここまで広がるドラッグ徐放技術の最前線 –, pp.124 - 130, 2013年03月
S/O®技術を用いたタンパク性医薬品の経皮吸収改善と経皮免疫への応用
後藤雅宏; 田原義朗
遺伝子医学MOOK別冊 – ペプチド・タンパク性医薬品の新規DDS製剤の開発と応用 –, pp.141 - 147, 2011年06月
タンパク質の経皮デリバリーは本当に可能か?
後藤雅宏; 田原義朗
化学, 化学同人, 66(5) pp.54 - 57, 2011年05月
Development and clarification of a novel transcutaneous protein delivery system and its mechanism by a solid-in-oil nanodispersion
Yoshiro Tahara; Shota Honda; Noriho Kamiya; Masahiro Goto
JOURNAL OF BIOSCIENCE AND BIOENGINEERING, SOC BIOSCIENCE BIOENGINEERING JAPAN, 108 S39 - S40, 2009年11月, 研究発表ペーパー・要旨(国際会議)
S/O化技術の魅力と新しい経皮薬物送達システム実現の可能性
田原義朗; 神谷典穂; 後藤雅宏
PHARM TECH JAPAN, 25 pp.1409 - 1414, 2009年06月
タンパク質の経皮デリバリーの実現
田原義朗; 神谷典穂; 後藤雅宏
バイオサイエンスとインダストリー, 67 pp.68 - 70, 2009年04月
特許権
多孔質三次元細胞培養用足場材料及びその製造方法
佐藤 良樹, 山本 健太, 堀口 智史, 田原 義朗, 山本 俊郎, 岸田 綱郎, 秋吉 一成, 松田 修
JP2019033678, WO2020-045488, 京都府公立大学法人
特許権
表面麻酔剤
原田 耕志, タランヌム フェルドゥス, 後藤 雅宏, 田原 義朗
特願2018-162980, 特開2020-033321, 国立大学法人山口大学, 国立大学法人九州大学
特許権
免疫組成物
後藤 雅宏, 田原 義朗, 水野 梨瑚
特願2018-099129, 特開2019-202957, 国立大学法人九州大学
特許権
架橋された疎水化多糖ナノゲル粒子とその製造方法
秋吉 一成, 田原 義朗, 向井 貞篤, 澤田 晋一
JP2014059082, WO2014-157606, 国立大学法人京都大学
特許権
水溶性薬物キャリア及びその製造方法
後藤 雅宏, 神谷 典穂, 田原 義朗
JP2010004021, WO2011-004552, 特許第5618307号, 国立大学法人九州大学
がん治療時の口腔粘膜炎に対するアミノ酸併用新規支持療法の開発
原田 耕志; 田原 義朗
日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 2023年04月 -2026年03月, 基盤研究(C), 山口大学
口腔カンジダ症に対する革新的セラノスティクスシステムの開発
金村 成智; 槇村 浩一; 足立 哲也; 田原 義朗; 山本 俊郎; PEZZOTTI G.
日本学術振興会, 科学研究費助成事業 基盤研究(C), 2022年04月 -2026年03月, 研究分担者, 基盤研究(C), 京都府立医科大学
油状ナノ分散化技術を利用した非侵襲性経皮ワクチンの創製
後藤 雅宏; 田原 義朗; 神谷 典穂; 若林 里衣
高効率ながん免疫、花粉症免疫の達成へ向け、まず令和3年度はS/O製剤の最適化および経皮免疫メカニズムの解明を行った。具体的には、(A) 抗原の高効率な皮膚浸透、(B) 抗原提示細胞への高効率デリバリー、(C) リンパ節中の免疫細胞の活性化の3つの過程に注目した。
本S/O製剤では、免疫系細胞の存在する角層下への浸透性のさらなる向上が、抗原提示細胞への高効率なデリバリーに繋がると期待した。そこで今回、膜透過性ペプチドであるオリゴアルギニンや、経皮吸収促進剤として疎水性イオン液体[Cho][FA] をS/O製剤に導入することで、抗原タンパク質の皮膚浸透性が向上し、抗体産生が有意に向上することを見出した。さらに、経皮ワクチンに最適な疎水性イオン液体の開発を通して、生体由来カチオンであるコリンを構成成分とした、皮膚浸透促進効果の高いイオン液体により、抗原の皮膚浸透と抗原提示細胞へのデリバリーの高効率化に成功した。
体内の免疫応答は、大きく液性免疫と細胞性免疫に分類され、互いにバランスを取り合っているが、がん免疫や花粉症免疫治療では、細胞性免疫の活性化が重要であることが知られている。そこで、細胞性免疫の活性化を達成するために、免疫活性化物質(アジュバント)の利用が有効であると考えた。特に、Toll様受容体(TLR)と呼ばれる、免疫細胞に発現している受容体が、免疫応答を制御していることが知られているため、TLR結合性リガンドをアジュバントとして用いた。本研究では特に、細胞性免疫を強力に誘導することが報告されている、CpG オリゴデオキシヌクレオチドやイミキモドの効果を確認した。
経皮がん免疫では、抗原として卵白由来アルブミン(OVA)を用い、腫瘍モデルとして、OVA恒常発現がん細胞株であるE.G7-OVAを移植した担がんマウス(C57BL/6N)の腫瘍成長抑制効果を明らかにした。, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業 基盤研究(A), 2021年04月 -2024年03月, 研究分担者, 基盤研究(A), 九州大学
経口投与のための油状微粒子の開発
田原 義朗
本研究では経口投与(飲み薬)として投与可能な油状微粒子の開発を行い、油状物質の吸収メカニズムの解明と、新しい経口デリバリーシステムの創出につながる研究を行うことを目的としている。初年度には油状微粒子として利用可能な物質の選定を行なっており、飲み薬として投与可能な成分のみによって構成されていること、薬を封入可能であること、粒子サイズをコントロールすることが可能であることに注目して検討を行った。その結果、油状物質はその融点が最も重要であることが分かり、界面活性剤にはそれ単独では薬の可溶化濃度が低い界面活性剤を利用する必要があることが分かった。またこのとき薬の封入特性についても定性的に検討を行った。その結果、油状物質を用いなかった場合には薬が沈殿する条件でも、ある油状物質を用いると薬が沈殿することなく水中に分散することが可能であることが明らかとなった。一方でこの油状物質で得られる油状微粒子は粒子サイズのコントロールは難しいことから、最終的な目標を達成するには、ある一つの油状物質を用いるのではなく、複数の油状物質を組合せることが必要であることが示唆される結果となった。今後は薬の封入性について定量的な検討を行い、最終的には同一の薬の投与量であるが、粒子サイズの異なる油状微粒子などを作成可能であるかを検討したい。またリパーゼなどを含む、消化管内の環境下においての薬の放出についても検討を行う予定である。, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業 基盤研究(C), 2021年04月 -2024年03月, 研究代表者, 基盤研究(C), 同志社大学
イオン液体を利用した創薬研究における新分野開拓
後藤 雅宏; 田原 義朗; 原田 耕志; 若林 里衣
日本学術振興会, 科学研究費助成事業 挑戦的研究(開拓), 2019年06月 -2022年03月, 挑戦的研究(開拓), 九州大学
イオン液体を利用した創薬研究における新分野開拓
後藤 雅宏; 田原 義朗; 原田 耕志; 若林 里衣
イオン液体の創薬応用が、最近注目されるようになったが、世界的にも臨床レベルでイオン液体が利用された例は少なく、研究領域として大きく発展するまでには至っていない。そこで本開拓研究では、この問題点を医工連携研究により克服し、これまでの製剤技術の体系や方向性を大きく変革するようなイオン液体研究にチャレンジする。特に、イオン液体を用いた創薬研究においてポイントとなる、薬物利用が可能な安全性と安定性が確認されたイオン液体製剤を開発する。
本研究では、ヒトに安全なイオン液体を創成し(戦略1)その有効性の検証を行うとともに(戦略3)、薬物動体解析による機能評価(戦略2)を繰り返すという、医工連携研究を展開する。本研究では、結果のみを重視しがちな医療従事者に対し、化学工学的機能解析の重要性を共有し、イオン液体の経皮製剤開発をモデルとして、新たな創薬開発の仕組みを構築する。大規模な臨床試験(Phase I~III)を行う前に、戦略1~3のプロセスが有機的に連携することで、より有効性の高い製剤開発の手法を構築し、イオン液体を利用した創薬研究における新分野を開拓する。これまでに、具体的に麻酔薬、がんワクチン、そして最近ではアビガンにイオン液体が有効であることを明らかにしている。
生体適合性のイオン液体としては、素材にコリン、アミノ酸、脂肪酸及びリン脂質を用いて構成したイオン液体が毒性も小さく有効であることを確認した。また、コリンとオレイン酸から構成される生体適合性イオン液体を用いることで、がん抗原ペプチドの経皮ワクチン製剤の構築が可能となった。また、このイオン液体は低毒性であり皮膚刺激性の低い製剤であることを明らかにした。イオン液体によってがん抗原ペプチドの皮膚深部への浸透が達成され、皮膚樹状細胞へのがん抗原ペプチドの効率的送達を可能にすることで、高い抗腫瘍効果が得られた。, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業 挑戦的研究(開拓), 2020年04月 -2022年03月, 研究分担者, 挑戦的研究(開拓), 九州大学
ナノゲルと油状ナノ分散化技術を融合した革新的エマルションアジュバントの開発
田原 義朗
ワクチンとは感染症対策において最も重要であり、本研究の目的であるアジュバントとはワクチンにおいて免疫を活性化するために添加されるものである。本研究ではナノゲル、エマルション、油中ナノ分散化技術を融合した新しいエマルションアジュバントを創出することを目的として研究を行なった。作成された新規エマルションアジュバントは、既存の方法よりも高い抗体産生、担がんマウスの治療効果などのワクチン活性をもつことが明らかとなり、これは新規エマルションアジュバントが、抗原をエマルション内に封入した状態で、アジュバントと抗原を同一の抗原提示細胞に同時に送達することが可能であることによって達成されたと考えられる。, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業 若手研究(A), 2017年04月 -2021年03月, 研究代表者, 競争的資金, 若手研究(A)
抗原分子の油状ナノ分散化技術を利用した低侵襲性経皮ワクチンの創製
後藤 雅宏; 田原 義朗; 神谷 典穂; 若林 里衣; 南畑 孝介
昨年までの研究で、抗原ペプチドの性質によってS/O製剤の調製条件や免疫の活性に違いがみられることが示唆された。よって本年度は、S/Oシステムにおける免疫産生メカニズムの解明と抗原ペプチドの最適化を行った。さらに、より実現性の高いターゲットに絞り込むことで、新しい形での油状製剤を用いた経皮ワクチンまたは経皮ドラッグデリバリーシステムを構築することを目指した。
1.S/O製剤における免疫活性化メカニズムの解明と抗原ペプチドの最適化:抗原ペプチドを用いたがん免疫療法の検討により、親水基アミノ酸を付与することで改善されることが分かった。このような戦略は花粉症ペプチドなどにも応用可能であると考え、今まで不安定なペプチドに対して機能性ペプチドの導入を試みた。また抗原の免疫原性向上の観点から、抗原提示細胞との相互作用が高いペプチド配列、糖鎖などを修飾した抗原の開発も行った。特に抗原の糖鎖修飾によって免疫細胞への送達量が向上し、S/O製剤に特徴的なリンパ節内での抗原取り込みが明らかとなった。
2.臨床実績のある花粉症抗原の利用:すでに、スギ花粉粗抗原を経口投与する事でヒトにおける花粉症の減感作療法の臨床試験が実施されている。そこで本年度は、既に臨床投与実績のある抗原をS/O製剤化する事で、スギ花粉粗抗原を経皮投与しても花粉症治療効果が得られるかを検証した。その結果、すでに市販されている花粉症治療薬に、同等あるいはそれ以上の減感作効果がマウス実験で確認された。
3.ワクチン機能増強のためのアジュバント開発:これまでの基礎検討ではアジュバントとして、マウスでの活性化が高いCpGやR848を中心に検討してきたが、本年度は臨床応用を目指して、ヒトの経皮投与アジュバントとしてすでに認可されているイミキモドを使用し、S/Oワクチンに対して大きなアジュバント効果が得られることを確認した。, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業 基盤研究(S), 2016年05月 -2021年03月, 基盤研究(S), 九州大学
生体分子の油状ナノ分散化技術を利用した低侵襲性経皮ワクチンの創製
後藤 雅宏; 神谷 典穂; 若林 里衣; 久保田 富生子; 北岡 桃子; 田原 義朗
痛みを伴わない非侵襲性の経皮デリバリーシステムが、従来の注射に変わる薬物投与法として注目されている。本研究では、簡便で高効率な経皮吸収を可能にする新たな経皮デリバリー技術、Solid-in-oil(S/O)ナノ分散技術を開発した。
皮膚は、外敵から身を守るため大きなバリア機能を有している。このため、タンパク質などの薬物を皮膚から投与することは困難であると考えられていた。しかし、このS/O技術を用いれば、タンパク質やペプチドが皮膚から浸透することが示された。この新技術を利用して、がんの経皮ワクチンと花粉症の経皮ワクチンが創製可能であることを示し、その効果をマウスを用いた動物試験によって実証した。, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業 基盤研究(S), 2012年05月 -2017年03月, 基盤研究(S), 九州大学
ボトムアップ型プロセスによるナノゲル架橋マイクロスフェアの開発とDDS応用
田原 義朗
本研究の目的は、ナノメートルサイズのバイオマテリアルとして多くの成果を上げてきた疎水化多糖ナノゲルの機能を、ボトムアップ型プロセスによってマイクロメートル以上のサイズを必要とする研究分野へ発展させることである。本研究では分解性架橋剤を用いることで、生分解性の高いナノゲル架橋マイクロスフェアの調製に成功した。さらに薬物封入ナノゲル架橋マイクロスフェアは、薬物単独ではなく、薬物封入ナノゲルを放出するということが確認された。これは従来の高分子架橋マイクロスフェアでは見られない現象であり、新しい徐放デリバリーシステムを生み出す可能性のある薬物キャリアであることが分かった。, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業 若手研究(B), 2014年04月 -2016年03月, 研究代表者, 競争的資金, 若手研究(B), 京都大学
エマルション内架橋プロセスを導入したラズベリー型ナノゲル集合体の構築
田原 義朗
本研究で開発したラズベリー型ナノゲル集合体(別名:ナノゲル架橋マイクロスフェア)とは、ナノサイズのマテルアル(ナノゲル)をベースとして、ナノからマイクロメートルまでの幅広いサイズ領域をカバーすることが期待できるバイオマテリアルである。本研究の最大の成果は、ラズベリー型ナノゲル集合体の調製条件を確立できたことである(特許出願済み)。調製されたラズベリー型ナノゲル集合体は、共焦点レーザー顕微鏡像、レーザー回折式粒度分布測定などによって、直径10マイクロメートルの真球型の粒子である事が分かり、ラズベリー型ナノゲル集合体の開発・調製条件の最適化に成功した。, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業 研究活動スタート支援, 2012年08月 -2014年03月, 研究代表者, 競争的資金, 研究活動スタート支援, 京都大学
生体分子の油状ナノ分散化技術を応用した高効率経皮免疫システムの創製
田原 義朗
過去の研究で申請者は独自の油状ナノ分散化技術を利用して、抗原を油状基剤中に分散させ、経皮浸透性が向上することを確認した。そこで当該年度では、本系を経皮免疫という実際のアプリケーションへ展開するための研究を行った。経皮免疫法とは抗原を皮膚から投与し、体内の抗原特異的な免疫力を増強・記憶させ、以後その病気にかかりにくくする塗り薬型のワクチン療法である。具体的には卵白アルブミンや卵白リゾチームをモデル抗原タンパク質として、これらを経皮吸収促進効果をもつ油状基剤へナノ分散したものを、マウスの耳介部、モルモットの背部、ウサギの耳介部などへ塗布(経皮デリバリー)し、血清中の抗体価の評価を行った。その結果、本手法によって全例について、血清中の抗体価が上昇し、免疫感受性の高いモルモットでは注射と同等の効果を得ることを確認した。また前年度までに申請者は、本技術を応用した新規細胞デリバリー用キャリアの開発を行ってきた。このキャリアは薬物(遺伝子やタンパク質)の周りを界面活性剤で2重に被覆した新しいダブルコーティングキャリアである。本キャリアは、内封する物質とキャリアの構成成分との間に特別な相互作用を必要とせず、遺伝子でもタンパク質でも封入可能であるという特徴をもつ。遺伝子を封入したキャリアについては、細胞毒性を示すこと無く遺伝子発現が可能であることを確認し、異なる等電点をもったカチオン性のタンパク質や、アニオン性のタンパク質であってもキャリアに封入可能かつ、細胞デリバリーが可能であるということを確認した。現在までにも遺伝子やタンパク質などからなる薬物を細胞デリバリー可能なキャリアは存在するが、その中でも本キャリアは、内封する薬物の種類が限定されないという優れた性質をもっていることから、経皮デリバリーのみに留まらず、大変多くの種類のドラッグデリバリーシステムへの応用が期待できる。, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業 特別研究員奨励費, 2009年04月 -2011年, 研究代表者, 競争的資金, 特別研究員奨励費, 九州大学