東アジアの風成堆積物の磁気特性-古地磁気編年と環境復元をめざして-
林田明; 福間浩司; 横尾頼子; 浅井健司; 楊振宇
東アジアのレスー古土壌と旧石器編年、雄山閣, 57 - 66, 2008年
海洋地球研究船「みらい」-その成果と将来-みらい採泥観測成果概要
原田尚美; 阿波根直一; 木元克典; 内田昌男; 坂本竜彦; 板木拓也; 成田尚史; 福間浩司
月刊海洋, 2003年
北太平洋の堆積物の地磁気強度層序
福間浩司; 原田尚美
海洋科学技術センター試験研究報告, 海洋科学技術センタ-, 43(43) 83 - 91, 2001年
アミノ酸のラセミ化反応による年代測定法の進展
原田尚美; 近藤朋美; 福間浩司; 岩井雅夫; 日下部正志
月刊海洋, 32(9) 613 - 617, 2000年
General features of sediment cores collected in the Northwestern Pacific during the R/V "MIRAI" cruise MR98-05
N. Harada, K. Fukuma, M. Iwai, M. Murayama, T. Sugawara, M. Matsuhashi, K. Aoki, T. Kondo
JAMSTECR, 40(3) 113 - 124, 2000年
黄土—古土壌磁化率述評
鳥居雅之; 福間浩司; 葱黎; 杜克玲; 方小敏
海洋地質与第四紀地質, 19 83 - 96, 1999年
General features of sediment cores collected during the R/V "MIRAI" cruise MR97-02
N. Harada, K. Fukuma, T. Kanamatsu, M. Iwai, T. Sugawara, H. Narita, M. Sato, H. Muraki, T. Kondo
JAMSTECR, 39 53 - 66, 1999年
マイクロ磁気学モデリング
福間 浩司
月刊地球, 17 48 - 53, 1997年
堆積物の磁性を用いた過去の気候の復元
福間 浩司
化学工学, 61(9) 66 - 706, 1997年
Proceedings, initial reports, Ocean Drilling Program, Leg 152, East Greenland Margin
Hans Christian Larsen; Andrew D. Saunders; Peter D. Clift; Jason Richard Ali; James Beget; Hervé Cambray; Alain Demant; J. Godfrey Fitton; Miranda S. Fram; Koji Fukuma; Joris M. Gieskes; Mary Anne Holmes; John M. Hunt; Christian Lacasse; Lotte Melchior Larsen; Holger Lykke-Andersen; Alexandr Meltser; Martin L. Morrison; Naoki Nemoto; Nilgün Okay; Saneatsu Saito; Christopher Sinton; Silvia Spezzaferri; Rainer Stax; Tracy L. Valuer; Didier Vandamme; Wuchang Wei; Reinhard Werner
1994年
磁性鉱物からみた堆積物と古環境 -岩石磁気学の新しい展開-
鳥居雅之; 福間 浩司
月刊地球, 9(Gogai 9) 179 - 183, 1994年
Rock magnetic properties of basaltic rocks formed at sediment-covered spreading centers
Koji Fukuma
Rock Magn. Paleogeophys., 19 1 - 6, 1992年
Coagulation due to magnetostatic interaction in fluids
Koji Fukuma
Rock Magn. Paleogeophys., 18 10 - 11, 1991年
Paleomagnetic pole from Late Cretaceous Koto Rhyolites, southwest Japan,
Koji Fukuma; Masayuki Torii
Rock Magn. Paleogeophys., 17 65 - 72, 1990年
Late Cretaceous paleomagnetic pole from the Koto Rhyolite, southwest Japan
Koji Fukuma; Masayuki Torii
Rock Magn. Paleogeophys., 13 26 - 29, 1986年
過去400年間の地磁気強度の変化
福間 浩司; 伊藤 久敏
地球磁場の観測は約150年前から始まり,現在も世界中の地磁気観測所や人工衛星によって精密な機器測定が続けられている.しかし,150年前より古い時代には機器による測定データは存在しない.19世紀半ば以前には機器測定によるデータがない状況は,気象データなどと同様である.それ以前については文献に残された定性的な記述を読み解くか,プロキシと呼ばれる間接的なデータの拠るかしかできないのが通例である.しかし,地球磁場については,考古遺物や火山岩の残留磁化から直接復元することができる.私たちは試料採取と実験室での測定の両面から,古地球磁場強度の精度を機器測定に匹敵するレベルまで引き上げる試みを行ってきた.クリンカ試料を用いて加熱・冷却部と測定部が一体となった自動スピナー磁力計を使用すれば,24時間効率的に測定を進め,温度ステップも極めて柔軟に設定できる.試料採取と装置の両面の進歩により,既存のデータに比べてはるかに高い精度の古地球磁場強度を得ることで,太陽活動やその気候変動への影響を明らかにすることができる.
3年目である今年度は,南インド洋のレユニオン島で採取した溶岩試料を用いてテリエ法による地球磁場強度を求める測定をさらに進めた.溶岩の上部もしくは下部クリンカから採取した定方位のブロック試料について.パイロット試料を用いて熱消磁の結果からアンブロッキング温度の分布を求めることにより,温度ステップを試料毎に適切に定めて古地磁気強度測定を行った.厳格な判定基準を用いて解析をおこなった結果,66%のサンプルから古地磁気強度を得て,12地点中10地点で平均古地磁気強度を求めることができた.また,クリンカ試料からの古地磁気方向も信頼できることがわかり,過去の1000年間の南インド洋における最近の地球磁場の方向と強度を求めることができた., 日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 2019年04月 -2024年03月, 研究代表者, 基盤研究(C), 同志社大学
第四紀花崗岩の生成過程・テクトニクスの解明
伊藤 久敏; 堀江 憲路; 福山 繭子; 外田 智千; 山田 隆二; 福間 浩司
世界で最も新しく地表に露出した花崗岩である北アルプスの黒部川花崗岩を対象に,U-Pb年代測定と古地磁気測定を適用することで,同花崗岩の生成から現在に至るまでの過程を検討した.その結果,同花崗岩は,マグマが一時期に固結・冷却したのではなく,250万年前頃から80万年前頃にかけて複数回のマグマ貫入イベントにより形成されたことを明らかにした.さらに,黒部川花崗岩が磁化を保持する温度(600℃程度以下)に冷却したのはブリュンヌ正磁極期(77万年前以降)であり,北アルプスがこの時期に激しく隆起・削剥したことや同花崗岩が,従来説とは異なり,傾動せずに上昇したことが推定された., 日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 2016年04月 -2019年03月, 研究分担者, 基盤研究(C), 一般財団法人電力中央研究所
湖沼・内湾堆積物の磁気特性に基づく完新世の環境変動の研究
林田 明; 福間 浩司; 安樂 和央; 高梨 祐太郎
完新世の高精度編年と環境変動の高精度復元の進展を目指し,日本の湖沼・内湾堆積物について残留磁化とその安定性,磁性鉱物含有量と保磁力分布,熱磁気特性の検討を行った。青森県小川原湖や北海道網走湖など,汽水域の堆積物は還元的続成作用の影響により初生磁化や砕屑性磁性粒子の情報が失われていたが,沖縄県羽地内海と塩屋湾では等温残留磁化の高保磁力成分を指標として赤色土壌の流入が確認された。礼文島久種湖,秋田県一ノ目潟,大分県別府湾の堆積物には安定な残留磁化が保存されており,日本列島のほぼ全域での古地磁気永年変化の統合が可能になった。, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 2015年04月 -2018年03月, 連携研究者, 基盤研究(C), 同志社大学
地球磁場強度による考古遺物の年代測定
福間 浩司; 磯部 博志; 齋藤 武士
日本での考古地磁気強度の基準曲線を作成するために,考古遺物や火山岩の測定を行った.同志社大学のキャンパスから得られた炻器の破片は,地球磁場の信頼できる記録を提供することが明らかになった.火山岩では急速に冷却されたクリンカーやスコリアなどを採取することにより,テリエ法による実験中に理想的な挙動を観察することができた.過去400年間において年代に不確実性のない火山岩から比類のない高品質の考古地磁気強度データを取得し基準曲線を描くことができた.制御ソフトウェアを私たち自身で開発した完全に自動化された磁力計は,テリエ法による測定のために非常に有用であった., 日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 2012年04月 -2016年03月, 研究代表者, 基盤研究(C), 同志社大学
東北アジアにおける古環境変動と旧石器編年に関する基礎的研究
松藤 和人; 林田 明; 渡辺 満久; 加藤 真二; 福間 浩司; 横尾 頼子; 津村 宏臣; 成瀬 敏郎; 麻柄 一志; 中川 和哉; 菊池 強一; 竹花 和晴; 早瀬 亮介; 上峯 篤史; 面 将道
韓国萬水里遺跡の多層位出土石器群を世界標準の海洋酸素同位体編年に同期したレス-古土壌連続にもとづいて再評価するとともに、年代論争中の中国侯家窰遺跡に対する真の地質年代の解明と出土石器群の技術型式学的検討を実施し、MIS5-4(127-57ka)の編年上の基準資料を提供した。また日本列島最古の島根県砂原旧石器遺跡を発掘し、その地質年代(MIS; 11?12万年前)と堆積環境を究明した。, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 2009年 -2012年, 連携研究者, 基盤研究(A), 同志社大学
海洋地殻から求める地球磁場強度変動
福間 浩司; 磯部 博志; 林田 明
地球磁場強度の変動を明らかにすることは,地球磁場による太陽風や宇宙線に対するシールド効果を解明するために重要である.過去1億年に亘り連続的に噴出し,冷却時の地球磁場を記録している海洋地殻を用いて地球磁場強度を求めた.その結果,海洋地殻最上部の枕状溶岩の急冷されたガラス質の部分だけでなく隠微晶質の部分も用いれば強度を求められることがわかった.さらに,比較対象として陸上に分布する溶岩を用いて,どの部分を測定に使えばよいかを選別するためのプロトコルを確立できた., 日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 2009年 -2011年, 研究代表者, 基盤研究(C), 同志社大学
東アジアのダスト堆積物中の磁性ナノ粒子
福間 浩司; 磯部 博志; 林田 明
中国沿岸部や韓国などの東アジアの湿潤地域では, アジア大陸内部からダストが間断なく供給されると同時に, 過去から現在まで人類が継続的に活動してきた痕跡が数多く残されており, 人類の活動と気候変動の影響を研究するための理想的なフィールドである. 中国沿岸域や韓国の旧石器遺跡のダスト堆積物について交流磁化率や磁気ヒステリシス特性の測定を行い, 磁性ナノ粒子の種類・含有量・粒径分布を求めた. 乾燥地域のダスト堆積物との比較から, 従来の磁気測定では解明できなかった湿潤地域の気候と磁性ナノ粒子の対応関係を明らかにすることができた., 日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 2007年 -2008年, 研究代表者, 基盤研究(C), 同志社大学
粘性残留磁化による定置年代の測定
福間 浩司; 渋谷 秀敏; 中村 浩
石器・礎石・石垣などの考古試料が定置された年代を,地球磁場中に置かれた時間に応じて獲得される粘性残留磁化を使って直接求める新しい方法に取り組んできた.過去2年間は須恵器の熱消磁による粘性残留磁化の分離をはじめサヌカイトや黒曜石の岩石磁気測定を行ってきた.本年度(平成17年度)は,世界各地の考古遺跡で発見される黒曜石を対象として,粘性残留磁化をもつ試料を選別するために低温における磁気測定から粒径分布を求める測定法とデータ解析法の開発に取り組んだ.低温(10-300K)のある一定の温度において2.5Tで獲得させた等温残留磁化を逆向きの磁場を段階的に加えることで直流消磁を行い,保磁力の分布を求める.10Kステップで温度を上昇させて同様の測定を繰り返し行うことにより様々な温度での保磁力分布が得られ,これをネールダイアグラムにプロットすることにより体積すなわち粒径の分布を得ることができた.得られた粒径分布から計算した交流磁化率の温度依存性は測定されたデータと非常によく一致し,走査型電子顕微鏡(FE-SEM)において計測された粒径とも対応し,低温直流消磁が信頼できる粒径分布を与える方法であることを示唆する.このことは黒曜石中に包含され分離することができない磁性鉱物についても粒径を求める新しい方法が得られたことになる.黒曜石中の磁性鉱物の粒径分布は産地により明瞭な違いがあり,粘性残留磁化によって定置年代を求めるために最も重要な要因であることがわかった., 日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 2003年 -2005年, 競争的資金, 萌芽研究
北太平洋へのダスト輸送の変動
福間 浩司; 林田 明; 原田 尚美; 渋谷 秀敏
ダストの供給が海洋や気候に与える影響を解明するため,大気と海洋の間の気体交換が活発な海域であり,ダスト供給の変動が大気中の二酸化炭素濃度を変化させてグローバルな気候に影響する北太平洋において,ユーラシア大陸からのダスト供給と気候変動の関係を調べた.まず,これまで時間解像度が低かった北太平洋の堆積物の年代を地磁気強度層序によって高時間解像度で求めた.酸素同位体比や放射性炭素法による年代測定が困難である珪質堆積物コアからU-channelサンプラーを使って連続試料を採取し,2cm間隔で自然残留磁化測定を行った.自然残留磁化は交流消磁によって磁化の安定性の検討を行い,自然残留磁化強度を規格化するために交流消磁後に非履歴性残留磁化を付加して自然残留磁化と同様に交流消磁を行った.この試料から得られた地磁気強度の変化と地磁気強度の標準曲線との比較から,過去約80万年間の年代を数千〜数百年のオーダーで求めることができた.次に,ダストの供給量を示す磁性鉱物の含有量ならびにダストの粒径を表す磁気的性質を求めるため,磁気ヒステリシス測定,低温磁化測定,さらに初年度に製作された改良型の磁気天秤を用いて,高温(〜600℃)での熱磁気測定を行った.その結果,磁気ヒステリシス測定から堆積物は2種類に明瞭に分類することができ,堆積物の色調に対応することがわかった.高感度の低温ならびに高温での磁気測定からその2種類の堆積物はマグネタイトの酸化度の違いに起因し,磁気的性質は堆積物中での酸化還元状態の変化を記録していることがわかった.地磁気強度年代を基にして磁気的性質を高い解像度の時系列で表すことができ,氷期-間氷期サイクルと明瞭な対応関係が存在することを明らかにすることができた., 日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 2002年 -2003年, 研究代表者, 競争的資金, 基盤研究 (B), 熊本大学
疑似単磁区粒子の3次元マイクロ磁気学モデリング
福間 浩司
住友財団, 基礎科学研究助成, 2001年 -2003年, 研究代表者, 競争的資金
深層水循環の磁気学的研究
福間 浩司
過去の深層水の変動を求めるため,深層水の沈み込む海域である北大西洋の海底堆積物試料の磁気異方性の測定を昨年度(平成12年度)に継続して行った.昨年度の予察的な磁化率異方性の測定によって,従来のサイズの数分の1である1ccの立方形試料を使っての測定が可能であることを確かめ,深層流による磁性鉱物の配列を示すと考えられる磁気ファブリックを見いだすことができた.しかし,流れによる配列は限られた粒径・形状を持つ粒子に顕著に現れるため,粒径・形状によって分別することができる部分的非履歴性残留磁化異方性がよりシャープなシグナルを与えることができる.非履歴性残留磁化を与えるためのコイルを設計し,特定の交流磁場の範囲で自動的に直流磁場をオンにすることができる回路を組み,高い精度で異方性を与えることができるアダプターをデザインした.非履歴性残留磁化異方性は,低保磁力の範囲で堆積物の圧密に伴うと考えられる扁平なファブリックを示し,高保磁力の範囲で深層流を反映している直線性のファブリックを示す.
一方,深層水の太平洋への流入経路にあたるニュージーランド沖の堆積物中の磁性鉱物の種類・量・粒径を調べるため,交番磁場勾配磁力計によって磁気ヒステリシスの測定を行った.磁性鉱物の含有量は極めて少なく,高感度の交番磁場勾配磁力計によっても測定は困難を極めたが,測定方法の改良によりノイズを抑えることができた.磁性鉱物の含有量は氷期・間氷期サイクルに応じて明瞭に変化し,基本的に氷期に低く間氷期に高くなる.しかし,氷期には含有量の鋭いピークも見られ,これらのピークはニュージーランドからの氷山の流出を示しているものと考えられる.磁気的性質からみた北大西洋の深層水沈み込みの数千年周期の変動,それに伴う流速を変化を示す磁気ファブリックの変化,さらにニュージーランド沖での深層水の太平洋への流入についての論文を執筆中である., 日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 2000年 -2001年, 研究代表者, 競争的資金, 奨励研究 (A), 熊本大学
堆積物における残留磁化の獲得機構と化学変化による影響
福間 浩司
日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 1993年 -1994年, 研究代表者, 競争的資金, 特別研究員奨励費