『リットン調査団 満鉄特製アルバム』について
村田雄二郎
東方文庫書報, (55) 1 - 21, 2024年03月, 研究論文(学術雑誌)
習近平時代の中国政治:民主・集権・官僚制──近代史からの視点
村田雄二郎
『現代中国・別冊』, 日本現代中国学会, 3 - 9, 2022年12月, 研究論文(学術雑誌)
孫中山之後的大亜洲主義:民国時期中国的日本認識
村田雄二郎
『日本学研究』, (30) 9 - 28, 2020年07月, 研究論文(学術雑誌)
1949年の選択 : 知識人と中国革命 (特集 1949年中華人民共和国成立の歴史的意味)
村田 雄二郎
研究中国 = Study China = Yanjiu Zhongguo, 日本中国友好協会『研究中国』刊行委員会, (9) 30 - 38, 2019年10月
民国初年約法体制中的『清室優待条件』
村田雄二郎
『人文亜太』, (1) 251 - 281, 2018年01月, 研究論文(学術雑誌)
岡倉天心の中国南北異同論
村田 雄二郎
Odysseus, 東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻, (22) 37 - 50, 2017年, 研究論文(大学,研究機関等紀要)
The late Qing "national language" issue and monolingual systems: Focusing on political diplomacy
Murata Yujiro
CHINESE STUDIES IN HISTORY, 49(3) 108 - 125, 2016年05月, 研究論文(学術雑誌)
The Regional Structure of the 1911 Revolution: The North and the South in Chinese History
MURATA Yujiro
Journal of cultural interaction in East Asia, Society for Cultural Interaction in East Asia, 3(0) 7 - 18, 2012年
章炳麟と支那亡国記念会
孔 祥吉; 村田 雄二郎
孫文研究, 孫文研究会, (45) 61 - 74, 2009年03月
清末の言論自由と新聞--天津『国聞報』の場合 (特集 近現代中国のリベラリズム)
村田 雄二郎
近きに在りて, 野沢豊, (54) 2 - 16, 2008年11月
敵の敵は友?--中米関係100年 (特集 反米--その歴史と構造)
村田 雄二郎
アメリカ太平洋研究, 東京大学大学院総合文化研究科附属アメリカ太平洋地域研究センター, 8 18 - 27, 2008年03月
一位日本外交書記官記述的康有爲與戊戌維新--讀中島雄《随使述作存稿》與《往復文書目録》
孔 祥吉; 村田 雄二郎
東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻紀要, 東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻, (13) 29 - 46, 2008年
日本の外交文書から見た翁同〔ワ〕罷免の真相
孔 祥吉; 村田 雄二郎
中国研究月報, 一般社団法人中国研究所, 57(8) 30 - 34, 2003年08月, 研究論文(学術雑誌)
清代の正音教育と雍正帝
村田 雄二郎
東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻紀要, 東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻, (8) 52 - 69, 2003年
辛亥革命期の国家想像--五族共和をめぐって (特集 グローバル化と近現代中国)
村田 雄二郎
現代中国研究, 中国現代史研究会, (9) 20 - 26, 2001年09月30日
Chinese Nationalism and Modern Japan : Imitation and Resistance in the Formation of National Subjects
MURATA Yujiro
Senri Ethnological Studies = Senri Ethnological Studies, 国立民族学博物館, 51(51) 25 - 42, 2000年03月27日
ラスト・エンペラーズは何語で話していたか?--清末の「国語」問題と単一言語制 (特集 単一言語支配)
村田 雄二郎
ことばと社会, 三元社, (3) 6 - 31, 2000年
もう一つの簡体字──漢字とナショナリズム
村田雄二郎
言語・国家そして権力』(ライブラリ相関社会科学), (4) 194 - 203, 1997年10月, 研究論文(学術雑誌)
「文白」の彼方に : 近代中国における国語問題
村田 雄二郎
思想, 学術雑誌目次速報データベース由来, 853 4 - 34, 1995年
辛亥革命時期的"尊孔"問題--清末教育改革与張之洞
村田 雄二郎
外国語科研究紀要, 〔東京大学教養学部外国語科〕, 41(5) p53 - 61, 1993年
康有為と「東学」--「日本書目誌」をめぐって
村田 雄二郎
外国語科研究紀要, 〔東京大学教養学部外国語科〕, 40(5) p1 - 43, 1992年, 研究論文(大学,研究機関等紀要)
陳独秀在広州(1920〜21年)
村田 雄二郎
中国研究月報, 一般社団法人中国研究所, (496) p1 - 15, 1989年06月, 研究論文(学術雑誌)
理と力--李大釗の「平民主義」
村田 雄二郎
思想, 学術雑誌目次速報データベース由来, 765(765) p79 - 101, 1988年03月
五四時期の倫理問題
村田 雄二郎
中哲文学会報, 東大中哲文学会, (7) p75 - 93, 1982年06月, 研究論文(大学,研究機関等紀要)
新編 明治以降日本人の中国旅行記(解題)
東洋文庫現代中国研究班; 池田, 尚広; 久保, 茉莉子; 関, 智英; 辻, 直美; 中村, 元哉; 村田, 雄二郎; 山口, 早苗; 吉見, 崇
東洋文庫レポジトリ, 1 - 227, 2025年03月, その他
書評:陶徳民・吾妻重二・永田知之編『中国学の近代的展開と日中交渉』(勉誠社,2023年)
村田雄二郎
中国研究月報, (917) 30 - 31, 2024年07月, 書評論文,書評,文献紹介等
座談会:思想状況から読み解く現代中国──改革開放への転換から現在まで
村田雄二郎; 緒形康; 李暁東; 王前; 中村元哉; 福嶋亮大; 砂山幸雄
中国21, (60) 5 - 40, 2024年03月, その他
『明治以降日本人の中国旅行記(解題)』増補版
池田, 尚広; 久保; 茉莉子; 関, 智英; 辻, 直美; 中村, 元哉; 村田, 雄二郎; 山口, 早苗; 吉見, 崇
東洋文庫リポジトリ, 2023年09月, その他
書評:吉澤誠一郎著『愛国とボイコット―近代中国の地域的文脈と対日関係―』
村田, 雄二郎
アジア経済, 日本貿易振興機構アジア経済研究所, 64(1) 32 - 35, 2023年03月
書評 吉川次郎著 風響社『近代中国南方のメディア言説 : 辛亥革命期の雲南・広西とベトナム/日本』
村田 雄二郎
中国研究月報 = Monthly journal of Chinese affairs, 76(9) 41 - 44, 2022年09月
陶徳民著『もう一つの内藤湖南像 : 関西大学内藤文庫探索二十年』書評会紀要
高木 智見; 小嶋 茂稔; 石 暁軍; 村田 雄二郎; 山田 智; 二ノ宮 聡; 石 永峰; 陶 徳民
湖南 / 内藤湖南先生顕彰会 編, (42) 42 - 59, 2022年03月
近現代中国史研究の魅力;「大清帝国展;完全版」によせて(INTERVIEW;この人に聞く)
村田雄二郎
『東洋見聞録』(公益財団法人東洋文庫), (30) 8 - 11, 2021年04月, その他
新型コロナウィルスと社区,そして臨時党支部
村田 雄二郎
中国年鑑, 2021 75 - 80, 2021年
書評 武藤秀太郎著 慶應義塾大学出版会『大正デモクラットの精神史 : 東アジアにおける「知識人」の誕生』
村田 雄二郎
中国研究月報 = Monthly journal of Chinese affairs, 中国研究所, 74(7) 37 - 39, 2020年07月
インタビュー 満洲研究から国際文化関係論へ : 平野健一郎氏訪談録(下)
関 智英; 村田 雄二郎
中国研究月報 = Monthly journal of Chinese affairs, 中国研究所, 73(9) 17 - 29, 2019年09月
インタビュー 満洲研究から国際文化関係論へ : 平野健一郎氏訪談録(中)
平野 健一郎; 関 智英; 村田 雄二郎
中国研究月報 = Monthly journal of Chinese affairs, 中国研究所, 73(8) 18 - 34, 2019年08月
インタビュー 満洲研究から国際文化関係論へ : 平野健一郎氏訪談録(上)
平野 健一郎; 関 智英; 村田 雄二郎
中国研究月報 = Monthly journal of Chinese affairs, 中国研究所, 73(7) 14 - 28, 2019年07月
インタビュー 孫文研究と宮崎家文書 : 久保田文次氏訪談録(上)
久保田 文次; 村田 雄二郎
中国研究月報 = Monthly journal of Chinese affairs, 中国研究所, 72(8) 14 - 25, 2018年08月
文化大革命という亡霊 (大会シンポジウム 文化大革命から五十年 : 研究対象としての文革/記憶の中の文革)
村田 雄二郎; 馬場 公彦; 尾崎 文昭; 坂元 ひろ子
中国 : 社会と文化, 中国社会文化学会, (32) 46 - 85, 2017年07月
序言
村田 雄二郎
Modern Asian Studies Review / 新たなアジア研究に向けて = Modern Asian Studies Review / 新たなアジア研究に向けて, Toyo Bunko, (8) 84 - 84, 2017年03月
時の聖なるもの : 黒住真先生を送ることば
村田 雄二郎
Odysseus : 東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻紀要, 東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻, 20(20) 145 - 146, 2016年03月31日
世界史の森へ : 三谷博先生を送る
村田 雄二郎
Odysseus : 東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻紀要, 東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻, 19(19) 143 - 144, 2015年03月20日
Introduction : 1911 Revolution at the Boundaries (SPECIAL ISSUE : 1911 Revolution at the Boundaries)
MURATA Yujiro
The journal of contemporary China studies, Waseda Institute of Contemporary China Studies, Waseda University, 3(1) 3 - 5, 2014年
東洋文庫蔵『康有為先生手札』簡釈
村田 雄二郎
東洋文庫書報, 東洋文庫, (46) 85 - 97, 2014年
いまこそ袁世凱研究を(光陰似箭)
村田 雄二郎
中国研究月報, 一般社団法人中国研究所, 66(12) 47 - 48, 2012年12月25日
座談会 清朝と辛亥革命 (王朝から「国民国家」へ : 清朝崩壊100年)
馬場 公彦; 宮脇 淳子; 村田 雄二郎
アジア遊学, 勉誠出版, (148) 17 - 32, 2011年12月
辛亥革命の歴史的位置 : 中国史の「北」と「南」 (王朝から「国民国家」へ : 清朝崩壊100年)
村田 雄二郎
アジア遊学, 勉誠出版, (148) 33 - 46, 2011年12月
辛亥百年(光陰似箭)
村田 雄二郎
中国研究月報, 一般社団法人中国研究所, 65(10) 53 - 53, 2011年10月25日
世界史Q&A 近代中国の「国語」統一について教えてください (世界史の研究(226))
村田 雄二郎
歴史と地理, 山川出版社, (641) 45 - 47, 2011年02月
『いまなぜ民族か』の頃 : 山内昌之先生を送る
村田 雄二郎
Odysseus, 東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻, (16) 119 - 121, 2011年
東アジアはどこにあるか?--册封=朝貢体制論再考 (シンポジウム記録 日本とアジアの相互の照射--近代日本とアジアはお互いをどのように捉えてきたか)
村田 雄二郎
アジア研究, 静岡大学, 5(5) 5 - 15, 2010年03月
ドアの内と外 : 各人自掃門前雪,…(光陰似箭)
村田 雄二郎
中国研究月報, 一般社団法人中国研究所, 63(11) 60 - 60, 2009年11月25日
『シリーズ20世紀中国史』へのいざない(2)六月のとある日、駒場キャンパス、某研究室にて--外貨兌換券をめぐる教師と学生の会話
村田 雄二郎
UP, 東京大学出版会, 38(9) 20 - 28, 2009年09月
若林正丈先生を送る
村田 雄二郎
東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻紀要, 東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻, (14) 69 - 71, 2009年
現代中国研究と訓詁学(光陰似箭)
村田 雄二郎
中国研究月報, 一般社団法人中国研究所, 62(10) 50 - 51, 2008年10月25日
企画の趣旨 (小特集 近現代中国と東アジアの公共性--自由と統合をめぐって)
村田 雄二郎
中国, 中国社会文化学会, (22) 200 - 202, 2007年06月
個人情報保護と近代史研究(光陰似箭)
村田 雄二郎
中国研究月報, 一般社団法人中国研究所, 60(4) 50 - 51, 2006年04月25日
書評 孫歌『竹内好という問い』
村田 雄二郎
思想, 岩波書店, (980) 90 - 94, 2005年12月
2005年元旦, バマコにて日中を想う(光陰似箭)
村田 雄二郎
中国研究月報, 一般社団法人中国研究所, 59(2) 40 - 41, 2005年02月25日
書評 20世紀中国と辛亥革命--『近きに在りて』39号「辛亥革命90周年記念特集」
村田 雄二郎
近きに在りて, 野沢豊 汲古書院(発売), (41) 86 - 96, 2002年06月
東アジア研究--誰にとって?誰のための? (特集 「二十一世紀の日本に東アジア文化研究は必要か?」私の意見)
村田 雄二郎
中国, 中国社会文化学会, (17) 88 - 92, 2002年06月
史料紹介 『翁同〔ワ〕日記』改削史実
孔 祥吉; 村田 雄二郎
中国研究月報, 一般社団法人中国研究所, 56(4) 17 - 28, 2002年04月
非「聖戦」の文化研究(光陰似箭)
村田 雄二郎
中国研究月報, 一般社団法人中国研究所, 56(3) 50 - 51, 2002年03月25日
資料紹介 ハーバード・イエンチン図書館蔵ピケンズ・コレクション『清書叢書』目録(『清書叢書』解説)
村田 雄二郎; 松本 ますみ
中国研究月報, 一般社団法人中国研究所, 54(12) 28 - 42, 2000年12月
第3章 チベットの活仏転生と世俗化 (グローバル化の中の「宗教」の行方) -- (第1部 現代世界における「宗教」の諸相--グローバル化の文脈の中で)
村田 雄二郎
NIRA政策研究, 総合研究開発機構, 13(4) 14 - 17, 2000年04月
クレオール・アイデンティティ・「中国」 (特集(1)クレオールの視点から見た環カリブ広域移民研究)
村田 雄二郎
東京大学アメリカン・スタディーズ, 東京大学大学院総合文化研究科附属アメリカ研究資料センター, (4) 91 - 97, 1999年
毛里和子著『周縁からの中国-民族問題と国家』
村田 雄二郎
国際政治, 一般財団法人 日本国際政治学会, 1999(121) 201 - 204, 1999年
国語教科書という名の装置--藤井省三『魯迅「故郷」の読書史』
村田 雄二郎
創文, 創文社, (399) 18 - 22, 1998年06月
国民国家論をめぐる覚書--曽田三郎編『中国近代化の指導者たち』に寄せて
村田 雄二郎
近きに在りて, 野沢豊 汲古書院(発売), (33) 81 - 87, 1998年05月
イスラム茶との出会い
村田 雄二郎
中国研究月報, 一般社団法人中国研究所, 52(3) 55 - 56, 1998年03月25日
公開シンポジウム「西欧人の自画像とイスラ-ム世界」
稲賀 繁美; 三木 亘; 村田 雄二郎
イスラム世界, 日本イスラム協会, (50) 64 - 100, 1998年02月
初瀬龍平編著『エスニシティと多文化主義』
村田 雄二郎
アジア経済, アジア経済研究所, 38(3) 91 - 96, 1997年03月
多文化主義と中国の少数民族政策 (多文化主義と政策課題) -- (第3章 アジアの多文化主義の可能性)
村田 雄二郎
NIRA政策研究, 総合研究開発機構, 10(2) 30 - 33, 1997年02月
南米ガイアナ・スリナムの旅--カリブと中国
村田 雄二郎
東方, 東方書店, (184) 2 - 7, 1996年07月
蒙蔵委員会とチベット(光陰似箭)
村田 雄二郎
中国研究月報, 一般社団法人中国研究所, 50(5) 49 - 49, 1996年05月25日
情報時代と漢字(光陰似箭)
村田 雄二郎
中国研究月報, 一般社団法人中国研究所, 49(1) 46 - 47, 1995年01月25日
民族問題 漢化・洋化・クレオ-ル化 (中国・「大国」への全シナリオ<特集>) -- (社会変動のシナリオ)
村田 雄二郎
世界, 岩波書店, (598) p112 - 115, 1994年08月
中華ナショナリズムの現在
村田 雄二郎
世界, 岩波書店, (588) p127 - 135, 1993年11月
馬鹿と聡明と
村田 雄二郎
中国研究月報, 一般社団法人中国研究所, (547) p40 - 42, 1993年09月
中国文化-開放と多元化へ--80年代から90年代への変容を語る
金 観涛; 劉 青峰; 村田 雄二郎
世界, 岩波書店, (575) p272 - 280, 1992年12月
毛沢東と火葬(光陰似箭)
村田 雄二郎
中国研究月報, 一般社団法人中国研究所, 46(11) 48 - 48, 1992年11月25日
現代中国社会の準身分制について--幹部・労働者・農民
李 銀河; 村田 雄二郎; 村田 久美子
中国研究月報, 一般社団法人中国研究所, (535) p31 - 39, 1992年09月
"吃"と"包" : 中国式"大家拿主義"(光陰似箭)
村田 雄二郎
中国研究月報, 一般社団法人中国研究所, 46(1) 34 - 35, 1992年01月25日
印章のはなし(街談巷議)
村田 雄二郎
中国研究月報, 一般社団法人中国研究所, 45(4) 34 - 36, 1991年04月25日
中国民主化運動-5-愛国と民主--学生・市民の動き(資料)
村田 雄二郎
世界, 岩波書店, (536) p360 - 373, 1990年01月
中国民主化運動-3-知識人の異議申し立て(資料)
村田 雄二郎
世界, 岩波書店, (534) p306 - 323, 1989年11月
6.2ハンスト宣言 (中国民主化運動(資料))
劉 暁波; 村田 雄二郎
世界, 岩波書店, (532) p296 - 299, 1989年09月
中国におけるマルクス主義試論-上-
李 沢厚; 村田 雄二郎
思想, 岩波書店, (783) p111 - 135, 1989年09月
J・A・フォーゲル著 井上裕正訳『内藤湖南-ポリティックスとシノロジー-』, 平凡社, 一九八九・六刊, A5, 三五八頁
村田 雄二郎
史学雑誌, 公益財団法人 史学会, 98(10) 1714 - 1715, 1989年
サイバネティックスから見た中国封建社会像--金観涛著「在歴史的表象背後--対中国封建社会超穏定結構的探索」
村田 雄二郎
中国研究月報, 一般社団法人中国研究所, (450) p41 - 43, 1985年08月
「李大〓文集」の刊行に寄せて
村田 雄二郎
中国研究月報, 一般社団法人中国研究所, (449) p30 - 32, 1985年07月
『戦後日本と中華圏の人物交流史――日中国交正常化まで(東洋文庫論叢85)』
中村元哉; 村田雄二郎; 山口早苗編
公益財団法人東洋文庫, 2024年09月, 共編者(共編著者), 学術書
アジア人物史 第9巻 激動の国家建設
陶徳民,村田雄二郎
集英社, 2024年02月26日, 共編者(共編著者), 京都帝国大学の東洋学──アジアの再発見
国際シンポジウム論集:内藤湖南研究の最前線
陶徳民編
関西大学出版部, 2023年03月, 共著, 内藤湖南の1912 年奉天訪書と清室古物問題
アジアのかたちの完成
村田, 雄二郎
集英社, 2022年12月, 共編者(共編著者), 「悪女」と「権臣」がもたらした王朝政治の終焉
集体化時代的中国:日中共同研究
公益財団法人東洋文庫超域亜洲研究部門現代中国研究班
公益財団法人東洋文庫, 2021年09月, 編者(編著者), 全体の編集,および前言・後記の執筆
反米 : 共生の代償か、闘争の胎動か
遠藤, 泰生
東京大学出版会, 2021年03月, 分担執筆, 近現代中国における「反米」と「親米」──対立と競存の構造
語言·民族·国家·歴史——村田雄二郎中国研究文集
村田雄二郎
重慶:重慶出版社, 2020年06月, 単著
展望当代中国研究──檔案資料的内与外
公益财团法人東洋文庫超域亜洲研究部門現代中国研究班主編
公益財団法人東洋文庫, 2018年03月, 編者(編著者)
『順天時報』社論・論説目録
青山, 治世; 関, 智英; 村田, 雄二郎
東洋文庫, 2017年
共和の夢 膨張の野望 1894-1924(日中の120年 文芸・評論作品選①)
張競; 村田雄二郎編
岩波書店, 2016年03月, 共編者(共編著者)
敵か友か : 1925-1936
張, 競; 村田, 雄二郎; 谷崎, 潤一郎; 岸田, 劉生; 佐藤, 春夫; 小牧, 近江; 里村, 欣三; 与謝野, 晶子; 与謝野, 寛; 里見, 弴; 吉行, エイスケ; 草野, 心平; 郁, 達夫; 王, 雪萍; 篠崎. 美生子; 周, 作人; 豐, 子愷; 夏, 丏尊; 銭, 歌川; 劉, 大杰; 陈, 源; 小野寺, 史郎; 鄒, 韜奮; 王, 朝佑
岩波書店, 2016年
侮中と抗日 : 1937-1944
張, 競; 村田, 雄二郎; 金子, 光晴; 小林, 秀雄; 武田, 泰淳; 竹内, 好; Foujita, Tsugouharu; 奥野, 信太郎; 草野, 心平; 山川, 均; 巴, 金; 飯倉, 照平; 郁, 達夫; 鈴木, 将久; 吉川, 英治; 萩原, 朔太郎; 蕭, 軍; 中野, 重治; 謝, 冰瑩; 黄, 瀛; 井伏, 鱒二; 佐藤, 春夫; 茅, 盾; 吉屋, 信子
岩波書店, 2016年
断交と連帯 : 1945-1971
張, 競; 村田, 雄二郎; 吉川, 幸次郎; 実藤, 恵秀; 高村, 光太郎; 竹内, 好; 堀田, 善衛; 林, 房雄; 郭, 沫若; 飯塚, 容; 鹿地, 亘; 高良, とみ; 村田, 省蔵; 南, 博; 南原, 繁; 平塚, らいてう; 草野, 心平; 小林, 勇; 野上, 弥生子; 梅, 汝璈; 及川, 淳子; 谢, 冰心; 梅, 兰芳; 呉, 半農
岩波書店, 2016年
蜜月と軋み : 1972-
張, 競; 村田, 雄二郎; 中島, 健蔵; 永井, 陽之助; 衛藤, 瀋吉; 竹内, 好; 遠藤, 三郎; 張, 香山; 鈴木, 英司; 司馬, 遼太郎; 加藤, 周一; 有吉, 佐和子; 堀田, 善衛; 船橋, 洋一; 中野, 孝次; 黒井, 千次; 山崎, 豊子; 孫, 平化; 及川, 淳子; 蕭, 向前; 水上, 勉; 田辺, 聖子; 宮崎, 市定; 陳, 舜臣
岩波書店, 2016年
社会人のための現代中国講義
高原, 明生; 丸川, 知雄; 伊藤, 亜聖; 平野, 聡; 村田, 雄二郎; 川島, 真; 松田, 康博; 関, 志雄; 高見澤, 磨; 園田, 茂人; 阿古, 智子
東京大学出版会, 2014年11月
ユーラシア地域大国の文化表象
望月, 哲男; 井上, 貴子; Srinivas, S. V.; 小尾, 淳; 高橋, 沙奈美; 小林, 宏至; 前島, 訓子; 村田, 雄二郎; 武田, 雅哉; 越野, 剛; 杉本, 良男; 中村, 唯史
ミネルヴァ書房, 2014年
戦争と向き合って : 満洲事変〜日本敗戦
趙, 景達; 原田, 敬一; 村田, 雄二郎; 安田, 常雄
有志舎, 2014年
さまざまな戦後 : 日本敗戦〜一九五〇年代
趙, 景達; 原田, 敬一; 村田, 雄二郎; 安田, 常雄
有志舎, 2014年
共同討議日中関係なにが問題か : 1972年体制の再検証
高原, 明生; 菱田, 雅晴; 村田, 雄二郎; 毛里, 和子
岩波書店, 2014年
辛亥時期袁世凱秘牘 : 静嘉堂文庫藏檔
劉, 路生; 駱, 寶善; 村田, 雄二郎
中華書局, 2014年
「社会」の発見と変容 : 韓国併合〜満洲事変
趙, 景達; 原田, 敬一; 村田, 雄二郎; 安田, 常雄
有志舎, 2013年12月
近代国家の形成 : 日清戦争〜韓国併合・辛亥革命
趙, 景達; 原田, 敬一; 村田, 雄二郎; 安田, 常雄; 深町, 英夫; 三浦, 顕一郎; 山泉, 進; 愼, 蒼宇; 白石, 昌也; 有山, 輝雄; 谷川, 穣; 吉沢, 誠一郎; 康, 成銀; 真鍋, 昌賢; 石井, 剛; 井上, 厚史; 初瀬, 龍平; 能川, 泰治; 川尻, 文彦; 陶, 徳民; 見城, 悌治; 三ツ井, 崇
有志舎, 2013年11月
文明と伝統社会 : 19世紀中葉〜日清戦争
趙, 景達; 原田, 敬一; 村田, 雄二郎; 安田, 常雄
有志舎, 2013年10月
國聞報 : 外二種
孔, 祥吉; 村田, 雄二郎
國家圖書館出版社, 2013年10月
王朝から「国民国家」へ : 清朝崩壊100年
楊, 海英; 馬場, 公彦; 宮脇, 淳子; 村田, 雄二郎; 劉, 燕子
勉誠出版, 2011年12月
当代日本中国学家治学历程 : 中国学家采访录
何, 培忠; 石, 之瑜; 平野, 健一郎; 土田, 哲夫; 村田, 雄二郎; 平, 战国; 纪, 晓晶; 邵, 轩磊; 邵, 艳红
中國社会科學出版社, 2011年10月
戰後日本的中國研究 : 口述知識史
石之瑜; ほか] 編
國立台灣大學政治學系中國大陸曁兩岸關係教學與研究中心, 2011年, 編者(編著者)
インタビュー戦後日本の中国研究
平野, 健一郎; 土田, 哲夫; 村田, 雄二郎; 石, 之瑜
平凡社, 2011年, 編者(編著者)
从东瀛皇居到紫禁城 : 晚清中日关系史上的重要事件与人物
孔祥吉; 村田雄二; 郎]著
广东人民出版社, 2011年
清末中国と日本 : 宮廷・変法・革命
孔, 祥吉; 村田, 雄二郎
研文出版(山本書店出版部), 2011年
リベラリズムの中国
村田, 雄二郎
有志舎, 2011年, 編者(編著者)
国家建設と民族自救 : 国民革命・国共分裂から一致抗日へ
野村, 浩一; 近藤, 邦康; 村田, 雄二郎; 光田, 剛; 中村, 元哉
岩波書店, 2010年12月
民族と国家 : 辛亥革命
村田, 雄二郎; 深町, 英夫; 吉川, 次郎
岩波書店, 2010年
万国公法の時代 : 洋務・変法運動
村田, 雄二郎; 茂木, 敏夫
岩波書店, 2010年
現代中国と歴史学
飯島, 渉; 久保, 亨; 村田, 雄二郎
東京大学出版会, 2009年10月
シリーズ20世紀中国史
飯島, 渉; 久保, 亨; 村田, 雄二郎
東京大学出版会, 2009年
中華世界と近代
飯島, 渉; 久保, 亨; 村田, 雄二郎
東京大学出版会, 2009年
近代性の構造
飯島, 渉; 久保, 亨; 村田, 雄二郎
東京大学出版会, 2009年
グローバル化と中国
飯島, 渉; 久保, 亨; 村田, 雄二郎
東京大学出版会, 2009年
中島雄其人與《往復文信目録》 : 日本公使館與總理衙門通信目録, 1874-1899
孔祥吉; 日; 村田雄二郎編著
國家圖書館出版社, 2009年
『婦女雜誌』總目録・索引 : 第1卷第1號-第17卷第12號/1915-1931
村田雄二郎編
東京大学『婦女雑誌』研究会, 2006年11月
思想空間としての現代中国
汪, 暉; 村田, 雄二郎; 砂山, 幸雄; 小野寺, 史郎
岩波書店, 2006年
一个日本记者笔下的袁世凯
日; 佐藤铁治郎著; 孔祥吉; 日; 村田雄二郎整理
天津古籍出版社, 2005年
漢字圏の近代 : ことばと国家
村田, 雄二郎; Lamarre, Christine
東京大学出版会, 2005年
『婦女雑誌』からみる近代中国女性
村田, 雄二郎
研文出版, 2005年
罕为人知的中日结盟及其他 : 晩清中日关系史新探
孔祥吉; 村田雄二郎著
巴蜀书社, 2004年
東アジアにおける公共知の創出 : 過去・現在・未来
佐々木, 毅; 山脇, 直司; 村田, 雄二郎; 李, 仁浩; 金, 觀濤; 劉, 青峰; Duara, Prasenjit; 酒井, 哲哉; 白, 永瑞; 柳, 弘林; 季, 衛東; McCormack, Gavan; 汪, 暉; 金, 泰昌; 木畑, 洋一
東京大学出版会, 2003年11月
グローバル化した中国はどうなるか
国分, 良成; 藤原, 帰一; 林, 振江; 明石, 康; 厉, 以宁; 梁, 云祥; 深川, 由起子; 蕭, 琛; 王, 躍生; 村田, 雄二郎; 小熊, 英二; 尚, 会鵬
新書館, 2000年
ナショナリズム : 歴史からの接近
西村, 成雄; 村田, 雄二郎; 曽田, 三郎; 松本, ますみ; 副島, 昭一; 久保, 亨; 貴志, 俊彦; 安井, 三吉; 古厩, 忠夫
東京大学出版会, 2000年
岩波現代中国事典
天児, 慧; 石原, 享一; 朱, 建栄; 辻, 康吾; 菱田, 雅晴; 村田, 雄二郎
岩波書店, 1999年
帝国とは何か
山内, 昌之; 増田, 一夫; 村田, 雄二郎
岩波書店, 1997年
カミング・マン : 19世紀アメリカの政治諷刺漫画のなかの中国人
Choy, Philip P.; 村田, 雄二郎; 貴堂, 嘉之
平凡社, 1997年
中国という視座
溝口, 雄三; 村田, 雄二郎; 伊東, 貴之
平凡社, 1995年
いま、なぜ民族か
蓮実, 重彦; 山内, 昌之; 村田, 雄二郎; 若林, 正丈; 古田, 元夫; 長崎, 暢子; 能登路, 雅子; 木村, 秀雄; 柴, 宜弘; 中井, 和夫; 足立, 信彦; 増田, 一夫; 木畑, 洋一; 中村, 健二
東京大学出版会, 1994年
20世紀知識社会の構図
Weigl, Engelhard; 新田, 義弘; 鈴木, 直; 鷲田, 清一; 松枝, 到; 上山, 安敏; 村田, 雄二郎; 藤井, 省三; 杉山, 光信; 港道, 隆; 酒井, 直樹
岩波書店, 1994年
現代アジア論の名著
長崎, 暢子; 山内, 昌之; 村田, 雄二郎; 砂山, 幸雄; 並木, 頼寿; 石井, 明; 高橋, 満; 竹内, 信夫; 小川, 晴久; 若林, 正丈; 三谷, 博; 山下, 晋司; 古田, 元夫; 山影, 進; 小泉, 順子; 杉田, 英明; 帯谷, 知可
中央公論社, 1992年
天安門の渦潮 : 資料と解説 : 中国民主化運動
加々美, 光行; 村田, 雄二郎
岩波書店, 1990年
中国社会の超安定システム : 「大一統」のメカニズム
金, 觀濤; 劉, 青峰; 若林, 正丈; 村田, 雄二郎
研文出版, 1987年
講座東アジアの知識人
趙, 景達; 原田, 敬一; 村田, 雄二郎; 安田, 常雄
有志舎
日中の120年文芸・評論作品選
張, 競; 村田, 雄二郎
岩波書店
中国の改革開放萌芽期の再検討:メディア空間からみた旧東欧との分岐
中村 元哉; 石川 禎浩; 松戸 清裕; 加茂 具樹; 吉見 崇; 網谷 龍介; ホルカ イリナ; 村田 雄二郎; 中田 瑞穂; 家永 真幸
1年目は、感染状況が拡大するなか、国内外の移動に著しい不便が生じたが、オンラインを主とする研究会と史料講読会で、それぞれ次のことを検討した。まず、研究会では、ヨーロッパ研究者、とりわけソ連史・旧東欧史の研究者から、改革開放期の中国を分析する際の有力な視座について提供を受けた。つぎに、史料講読会では、改革開放期の中国における主要な争点を精査し、あわせて、中国のソ連・旧東欧観に関する整理に着手した。
これらの研究過程を具体的に記すと、以下のようになる。
【研究会】①中村元哉「日本の中国近現代史研究の動向」、②網谷龍介「デモクラシーの青写真・現実・『モデル』」、③松戸清裕「ソ連史研究の動向紹介」、④加茂具樹「現代中国政治研究の動向紹介」、⑤ホルカ イリナ「共産主義政権下のルーマニアにおける日本像、そして中国像」、⑥中田瑞穂「東欧諸国における社会主義をめぐる議論――チェコスロヴァキアを事例に」
【史料講読会】①吉見崇/司法、②中村元哉/新民主主義・プロレタリア独裁、③久保茉莉子/国際私法、④横山雄大/経済政策、⑤中村元哉/中間総括、⑥横山雄大/経済政策、⑦中村元哉/ソ連・旧東欧観(国家と自治)、⑧比護遥/ソ連・旧東欧観(ペレストロイカ)
この他にも、オンラインで国際ワークショップ「中国当代史研究」を共催し、外部から研究者をお招きして2度ほど個別テーマに即して検討を重ねた。
以上の1年目の活動から、当時のソ連・旧東欧諸国との対比で浮上してきたキーワードが、直接選挙、労働者、労働組合、自治、憲法裁判所、経済グローバル化などであった。, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業 基盤研究(A), 2021年04月 -2026年03月, 基盤研究(A), 東京大学
対日協力政権下の中国知識人の研究:周化人と楊鴻烈
村田 雄二郎; 山口 早苗
日本学術振興会, 科学研究費助成事業 基盤研究(C), 2022年04月 -2025年03月, 基盤研究(C), 同志社大学
大正期日本の中国研究と第一次世界大戦前後の世界──内藤文庫所蔵資料を中心に
陶 徳民; 玄 幸子; 小嶋 茂稔; 高木 智見; 二ノ宮 聡; 高田 時雄; 石 暁軍; 村田 雄二郎; 錢 鴎; 山田 智
1)本研究の基礎作業である内藤文庫の調査と利用は着実に進み、その成果として数多い個別論文だけでなく、『もう一つの内藤湖南像―関西大学内藤文庫探索二十年』(関西大学出版部、2021年3月)などの編著書も出版された。
2)2020年度7月19日開催の第1回セミナー(東洋文庫超域アジア研究現代中国研究班・関西大学東西学術研究所と共催)で、カナダのJ.A. フォーゲル氏が「How Much Does an Understanding of History Help? Naito Konan's Reading of "Communism" in China」と題する講演、米国の譚汝謙氏と中国の孫江氏がコメントを行い、毛里和子・大里浩秋諸氏をはじめ約30名が参加した。なお、2021年1月23日に開催された第2回セミナーも約30名の参加を得、筑波大学の中野目徹氏が(記者時代の内藤湖南に関係深い)「高橋健三に関する新出史料について」と題する特別講演を行った。
3)2021年11月6日、7日に、分担者玄幸子氏が代表を務める関西大学研究拠点形成支援経費「内藤文庫および石濵文庫所蔵資料の調査と整理に関する共同研究」と協力し、関西大学東西学術研究所研究例会として開催した国際シンポジウム「内藤湖南と石濵純太郎ー近代東洋学の射程」では、科研メンバー全員だけでなく、従来交流を続けている羅Kun(王へんに昆。羅振玉の孫娘)、銭婉約、劉岳兵、呉偉明、林少陽、黄東蘭、朱琳諸氏も講演や発表を行った。会議の内容は関西大学東西学術研究所の叢書として刊行予定である。
4)2022年3月16日にNHKBSプレミアム・BS4K/全国放送をされた番組『英雄たちの選択 1000年のまなざしで中国を見よ~内藤湖南が描いた日本と中国』の取材(関西大学の内藤文庫および恭仁山荘)に協力した。, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業 基盤研究(B), 2020年04月 -2024年03月, 基盤研究(B), 関西大学
陳独秀の文字学と言語思想
村田 雄二郎
・陳独秀の未公刊の草稿『中国ピンイン文字草案』を入手し,原稿の整理と分析を行った。これは,陳独秀の弟子でその死後に移行を整理した何子瑜の手になるものであり,原稿の成立過程や執筆の背景が明らかになった。
・近代中国における言語学の展開および国語政策や文字表音化運動に関する先行研究を入手し,陳独秀の文字学の背景に関する理解を深めた。
・上記の初歩的な考察を,2018年12月15日(土)に関西大学で開催された国際シンポジウム「国語施策/言文一致運動を東アジアの視点から考える」にて,「陳独秀の言文一致思想」と題して発表した。その結論は,以下のとおりである。(1)陳独秀の中国語表音化構想は,中国語を完全にローマ字化する,あるいはエスペラントを全面採用するといったラジカルな改革方案に比べると,文字改革を過渡期の便法とする穏健なもので,革命運動による社会の改革と同時並行で進められるべきものであった。この点,その急進的な政治路線から,陳独秀の言語思想が解釈されていた既往の見方は修正されなければならない。(2)そうは言うものの,共産党のリーダーとして,陳独秀の言語観は一貫して階級論的な立場に発するもので,瞿秋白ら同じ左翼陣営の「国語」批判や「洋八股」批判と一脈通じていた。陳独秀のピンイン化構想が時代に直接影響を与えることはなかったが,民国期の左翼陣営による代表的な「国語」批判として重要であることに変わりはない。(3)方言を活かし,民衆のことばを取り入れるという陳独秀の言語改革の構想は,一種の文化革命としての性格を帯びている。民衆の生活に根ざした言語・文字改革という思想は,近代中国における革命思想の一つの重要な水脈である。, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業 基盤研究(C), 2018年04月 -2021年03月, 基盤研究(C), 同志社大学
明治日本の言文一致・国語施策と中国をはじめとする漢字圏諸国への波及についての研究
林 少陽; 陳 力衛; 三ツ井 崇; 村田 雄二郎; 岩月 純一; 野平 宗弘
本年度は、前年度における「江戸」の見直しという成果を踏まえ、明治の「言文一致・国語施策」を、実際の歴史的出来事のレベルと、言説のレベルにおいて考察した。と同時に明治期における「江戸」表象・認識についての調査を行った。また、言文一致・国語施策」の清末中国・同時代のベトナムとの関連の視点について国際シンポジウム「国語施策/言文一致運動を東アジアの視点から考える」が開かれた(関西大学との共催、2018年12月15日)。ベトナムの「国語」の登場は一九世紀六十年代以来のフランス植民地政策によって推進されたものであるが、日本の「言文一致:国語施策」と漢字圏の共通の書記体体系としての漢文・儒学との関連の解明も推進されたと評価できる。また、近代東アジアにおける漢字廃止論・それと関連する「文学」概念の検討、「国語」と文学との関連の解明についても日本、中国大陸、台湾、アメリカからの学者とともに国際的なワークショップを開いた(2018年7月15日、愛知大学)。そして、清朝官僚・学者と明治の官僚・学者との書簡、筆談などの史料における日本の「言文一致・国語施策」についての議論も調査した。「言文二致」という斬新な概念も漢字圏言文一致問題の新しい視点としても提起され、今後の研究においてさらに解明されることが期待されている。また海外のゲストを呼んで「江戸時代の漢語の日本語化」という題目の講演会なども行われた。査読付きの英語論集Literary Chinese as the Common Enemy: East Asian Written Languages’ National Turn from 19th Century to Early 20th Century(仮題)の原稿も準備しつつある。, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業 基盤研究(A), 2017年04月 -2020年03月, 基盤研究(A), 東京大学
儒教的民本主義と国民国家建設―東アジアの政治文化史的比較
趙 景達; 伊藤 俊介; 久留島 浩; 武内 房司; 村田 雄二郎; 須田 努; 愼 蒼宇; 山田 賢; 小川 和也
東アジア四国の近世社会では、儒教的民本主義が共有されていた。しかし日本の場合、それは国家の原理ではなく、国家統治の手段として機能した側面が強かった。そのため、平等思想は朱子学や陽明学の体内から形成されず、西欧思想の受容によって外来的に形成され、富国強兵思想も尋常でないほどに発展した。このことは勢い、民衆運動のあり方にも影響を及ぼし、日本では士人が民衆運動の指導者になることはほとんどなかったが、他の三国では士人が民衆の先頭に立つことは珍しいことではなかった。, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業 基盤研究(B), 2014年04月 -2018年03月, 基盤研究(B), 千葉大学
社会主義中国の憲政論・憲政体制を再考する――20世紀中国憲政史の視角から
中村 元哉; 久保 亨; 加茂 具樹; 小野寺 史郎; 水羽 信男; 村田 雄二郎
20世紀初頭から現在までの中国は、共和国という名称に象徴されるように、憲政のあり方を追求してきた歴史でもあった。本科研プロジェクトは、20世紀中国憲政史のうち、とりわけ社会主義建設期に相当する1950年代から1970年代までの憲政史に焦点をあて、それが民国史とどのように接続され、1980年代以降のいわゆる改革開放期の現代中国にどのように継承されているのかを検討した。その成果は、『憲政から見る現代中国(仮)』として2018年春に出版予定である。, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業 基盤研究(B), 2013年04月 -2017年03月, 基盤研究(B), 津田塾大学
現代中国思想史構築のための中国知識界言説研究
石井 剛; 砂山 幸雄; 坂元 ひろ子; 佐藤 普美子; 村田 雄二郎; 高見澤 磨; アン ニ; 竹元 規人; 加治 宏基; 羽根 次郎
研究成果は次のように要約できる。
1)中国で最も影響力のある学術雑誌『開放時代』及びその学術委員会を構成する中山大学の研究者と協力関係を構築した。それにより、中国の知的生産の現実についてより深い理解を得た。2)同時代思想の認識方法を批判する視座を得た。日中間の歴史的・政治的条件において、認識方法自体が研究者が自覚すべき問題を不可避的に含むと結論した。3)中国の周縁的側面に注目し、国民国家の枠組みで中国研究を行うことの限界を明らかにした。
本研究に関してはすでに論文や書籍が出版されており、今後もさらなる出版が予定されている。将来は、東アジア横断的学術ネットワークが形成されることを期待したい。, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業 基盤研究(B), 2012年04月 -2016年03月, 基盤研究(B), 東京大学
戦後日本における中国研究と中国認識
代田 智明; 谷垣 真理子; 伊藤 徳也; 石井 剛; 岩月 純一; 田嶋 俊雄; 若林 正丈; 田原 史起; 小野 秀樹; 刈間 文俊; 村田 雄二郎; 楊 凱栄; 瀬地山 角; 中島 隆博; 吉川 雅之; 村田 雄二郎
本プロジェクトは、第二次世界大戦後の日本でどのように中国が認識されたのかを、中国研究の動態を通じて考察する。新たな日中関係を構築するため、本プロジェクトは日本の対中認識の知的インフラの自己点検を目指した。具体的には参加者がそれぞれの分野における戦後の対中認識を分析した。同時に戦後の中国研究の第1世代の人文系の研究者に聞き取り調査を行った。最終年度には本プロジェクトの先行プロジェクトである台湾大学の石之瑜氏を招聘して国際ワークショップを開催した。, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業 基盤研究(B), 2010年 -2012年, 基盤研究(B), 東京大学
地域大国の文化的求心力と遠心力
望月 哲男; 井上 貴子; 中村 唯史; 武田 雅哉; 杉本 良男; 村田 雄二郎; 三谷 恵子; 野町 素己; 越野 剛; 後藤 正憲; 住家 正芳; 前田 しほ; 小松 久惠; 平山 陽洋; 高本 康子; 高橋 紗奈美; 今井 昭夫; 高山 陽子; 岡光 信子; 小林 宏至; 前島 訓子; 近藤 光博; 塚崎 今日子; 藤井 得弘; 久野 康彦; 鳥山 祐介; 常田 夕美子; 田村 容子; 向後 恵里子; 中野 徹; 桜間 瑛; 松尾 瑞穂
ロシア、中国、インドの近代に関して、1)相互イメージの形成とその動態、2)思想・宗教文化の相互作用のあり方、3)表現文化におけるユーラシア表象のありかた、4)文化アイデンティティにおける記憶の意味、5)現代的文化状況への対応の形、という諸点から比較分析し、ユーラシア3 大国の近代文化の特徴を解明した。, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型), 2008年 -2012年, 連携研究者, 競争的資金, 新学術領域研究(研究領域提案型), 北海道大学
世紀交代期中国の文化転形に関する言説分析的研究
砂山 幸雄; 尾崎 文昭; 坂元 ひろ子; 村田 雄二郎; 石井 剛; 菅原 慶乃; 加治 宏基; 佐藤 普美子; 晏 〓; 佐藤 普美子; 晏 〓
本研究は、市場経済化の急速な進展によって大きく変容を遂げつつある中国について、文化の側面から変化の内容と方向を探求することをめざしたものである。言説分析の方法により、主として1990年代以降の政治、思想、イデオロギー言説、文学作品や文化批評を分析し、従来から存在していた近代と反近代(近代批判)、グローバル化と土着性の対立に加え、近年では近代性内部の諸価値相互の対立が顕著になっていることを明らかにした。また、それが中国政治の展開、社会の変化といかに密接に関連しているかを考察した。, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業 基盤研究(B), 2009年 -2011年, 連携研究者, 競争的資金, 基盤研究(B), 愛知大学
なぜ中国の産婦人科は女医が多いのか―医療専門化と国家・ジェンダー
村田 雄二郎; 姚 毅
本研究の目的は、1949年以後の中国の母子衛生や出産に関する政策と実施状況、医療従事者、特に女医養成の具体的状況を文献調査とフィールド調査によって解明することである。本年度は、21年度及び22年度に行った、中国の北京及び湖南省のある村での調査(1950-60年代に医療を従事していた産婦人科女医・助産師11人及び出産経験のある村の女性34人のインタビュー)資料を整理し、さらに必要な補充調査を行った。調査資料を踏まえた初歩的分析の結果は以下の通りである。(一)調査地における母子衛生、出産の近代化の情況。中国では、ほぼ建国と同時に、助産を専門とする「接生員」への訓練も始まった。しかし、調査地の二つ村は、一つは、訓練産婆も「接生員」もいなかったため、90年代半ばまで殆ど旧産婆あるいは近隣女性による家庭出産だった。もう一つは、1960年代から産婆一人を訓練したにもかかわらず、旧産婆や近隣女性による助産が多くあった。(2)2004年を境として、村ではほぼ一斉に家庭出産から病院出産に移行し、それに伴い、帝王切開による出産が異常に多かったことが判った。
その変化の要因の一つは、国家による病院出産の推進にある。2004年の『郷村医生従業管理条例』によって、今まで農村女性の出産に立ち会った近隣女性や訓練産婆は勿論のこと、郷村医者による助産も禁止された。また新生児戸籍登録に必要な出生証明書は、医師しか発行できないと規定したことで、家庭出産の道はほぼ閉ざされたのである。
(二)女医養成の具体的情況。建国初期人材の深刻な不足の中で、政府は以下の方法を講じていた。第一、民国期に養成した助産師を短期的再訓練させ医師に昇格させた。第二、建国初期は、質より数を重視し、「短期速成」を特徴とする医学教育制度を採用し、産婦人科医師を含む医師の養成を急いだ。第三、夜間大学のみならず、医科大学も、二年間の産婦人科医師専修科を設け、現場で働く中級技術人員を再訓練した。このようにして、産婦人科における女医の割合を大幅に増加させた。しかし、女医の養成・抜擢は、パラドックスが存在している。女医の養成・抜擢は「男女平等」という公式イデオロギーのいわば「看板」となっている。一方、女性の身体は男性に触られてはならないとする「男女隔離」の伝統的ジェンダー規範を暗黙の前提とし、出産領域における男性医師の存在空間を狭めていた。こうした政治目的と伝統文化との協商、あるいは近代化過程での伝統文化の流用は、社会主義中国の特質の一つと言える。, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業 特別研究員奨励費, 2009年 -2011年, 特別研究員奨励費, 東京大学
デニズンシップ:非永住・非同化型広域移民の国際比較研究
高橋 均; 荒 このみ; 山本 博之; 増田 一夫; 遠藤 泰生; 足立 信彦; 村田 雄二郎; 外村 大; 森山 工
戦後、欧米先進諸国に向けて、開発途上国出身の多くの移民が流入し、かれらを文化的に同化することは困難であったため、同化ではなく統合を通じてホスト社会に適応させようとする≪多文化主義≫の実験が各地で行われた。本研究課題はこのような≪多文化主義≫が国際標準となるような≪包摂レジーム≫に近い将来制度化されるかを問うものである。結論として、(1)≪多文化主義≫の背景である移民のエンパワーメントは交通・通信技術の発達とともになお進行中であり、いまだバックラッシュを引き起こす危険を含む。(2)第一世代はトランスナショナル化し、送出国社会と切れず、ホスト社会への適応のニーズを感じない者が増えている。(3)その反面、第二世代はホスト社会の公立学校での社会化により急速に同化し、親子の役割逆転により移民家族は不安定化する。このために、近い将来国際標準的な≪包摂レジーム≫の制度化が起こる可能性は低い。, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業 基盤研究(A), 2008年 -2011年, 基盤研究(A), 東京大学
国際秩序の再編における"内モンゴル"地域の形成-20世紀前半を中心に
村田 雄二郎; HUSIRE; HUSILE; HUSILE
平成22年度、研究代表者村田雄二郎は、研究の全体を総括し、中国、モンゴル、チベット地域をとりまく国際秩序と関わる諸史料を整理し、研究をおこなった。著書(野村浩一・近藤邦人・村田雄二郎他)『新編原典中国近代思想史』全5巻(東京大学出版会、2010年)を出版したほか、第3回日モ国際シンポジウム「モンゴルと日本の過去と現在-20世紀を中心に」に招待され、日本の研究者を代表して、基調報告をおこなった。同報告は、「地域」という視点から、「辺境」の民族統合をめぐる国際政治上の「紛争」を近代ナショナリズムの「病理」として再検討し、中華民族による国民統合の是非が国際的に問われている、その政治的、学問的根源を解き明かした。
外国人特別研究員HUSILEは、著書『中国共産党・国民党の対内モンゴル政策(1945-49年)-民族主義運動と国家建設との相克』(風響社、2011年2月)を出版した。同書は、現地調査によってえられた情報などに基づいて、20世紀前半の国際勢力の再編がモンゴル社会にどのような変化をもたらしたかに焦点をあて、1920年代の内モンゴル人ナショナリズムの形成、とりわけ第2次世界大戦後の、内モンゴルにおける民族運動とそれに対する中国国民党・共産党の政策決定のプロセス、及びソ連、モンゴル人民革命党の政策転換とその内実を考察するとともに、「内モンゴル」という地域がどのように形成されたか、「中国」というあたらしいタイプの多民族国家による非漢民族の統合がどのように実現したかを解明することをめざしたものであった。このほか、論文「明治時代における日本人の外モンゴル調査」をも発表した。, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業 特別研究員奨励費, 2008年 -2010年, 特別研究員奨励費, 東京大学
近現代中国におけるリベラリズム思想の受容と展開
村田 雄二郎; 久保 亨; 川尻 文彦; 中村 元哉; 小野寺 史郎; 竹元 規人
20世紀の中国史は、ナショナリズムや社会主義に加えて自由主義を受容した歴史でもあった。本研究は、自由主義の視点から、新たな中国近現代史像を提示した。その具体的な成果は『リベラリズムの中国』(有志舎、2011年)である。, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業 基盤研究(B), 2007年 -2010年, 研究代表者, 競争的資金, 基盤研究(B), 東京大学
Chinese Modern Liberalism
2006年 -2010年, 競争的資金
漢字文化圏の「近代」に関する総合的研究
刈間 文俊; 高橋 満; 古田 元夫; 若林 正丈; 黒住 真; 代田 智明; 深川 由紀子; 生越 直樹; クリスティーン ラマール; 高見澤 磨; 楊 凱栄; 谷垣 真理子; 伊藤 徳也; 瀬地山 角; 田原 史起; 有田 伸; 岩月 純一; 若林 正丈; 村田 雄二郎; 生越 直樹; 伊藤 徳也; 代田 智明; 瀬地山 角
中国では、漢字が、簡略化や教育によって、血肉化され、作家達も、前近代的なものを凝視し続けた.戦前の日中関係では、日本の漢学者と漢字紙が大きな役割を果たした.戦後韓国は、漢字を駆逐する一方、伝統的な同姓不婚制度を再構築させ、台湾は、漢字を簡略化せず、80 年代以降には、多文化主義的な社会統合理念を形成した.それに対して、中国大陸では今や、漢字文化からも消費文化からも疎遠な農村が、自律と国家による制御の間で揺れ動いている.本研究は以上を実証的に解明した., 日本学術振興会, 科学研究費助成事業 基盤研究(B), 2005年 -2008年, 連携研究者, 競争的資金, 基盤研究(B), 東京大学
アブラハム的伝統の臨界:三大一神教の哲学、神学・政治論とその外部の地域文化研究
大貫 隆; 北川 東子; 杉田 英明; 増田 一夫; 村田 雄二郎; 網野 徹哉; 安西 信一; 安岡 治子
ユダヤ、キリスト、イスラームの三大一神教を「アブラハム的伝統」と捉え、そこに内在する差異、および他の宗教との差異を、地域文化研究に特有な多元的視点でもって分析、理論化した。その作業によって、「文明の衝突」論に見られるような、文明(西洋)/野蛮(非西洋)という図式の看過や行きすぎを指摘、訂正するとともに、世俗性もしくは世俗化についても、社会のあり方に応じて多様な形態がありうることを示した。, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業 基盤研究(A), 2005年 -2008年, 連携研究者, 競争的資金, 基盤研究(A), 東京大学
清末・明治期日中関係史
2006年 -2007年, 競争的資金
改革開放期中国における思想・イデオロギー変動
砂山幸雄; 尾崎文昭; 村田雄二郎; 坂元ひろ子; 高見澤磨; 伊藤剛; 菅原慶乃; 佐藤普美子
本研究は、中国共産党がそれまでの階級闘争路線から改革開政策に転換した1970年代末から今日までの30年間におよぶ中国の思想とイデオロギーの変動を分析することを目的としたものである。本研究では以下の3つのテーマについて調査した。
第1は、政策転換の出発点において、共産党の理論家や有力な知識人たちがその転換をどのような方向に向かうものとして受け止めていたかを、「思想解放」というスローガンをキーワードとして分析し、当時の彼らの間には多様な理解があったことを明らかにした。これは今日の多くの人びとの「改革開放」政策の始まりについての理解とは異なっている。第2は、今日の中国知識人のなかで大きな影響力を持つ一人、許紀森に注目し、彼の1990年代中国の思想と文化に関する見解を紹介、分析したものである。中国知識人の思想には1980年代と1990年代との間に大きな断絶が起こったといわれているが、許紀霖はこの2つの時期を中国における「啓蒙」の発展から自己崩壊への一つながりのプロセスと見なす独自の見解を示している。また、中国の知識人界を二分している自由主義者と新左派の間に立って社会民主主義にもとつく「第3の道」を主張している。第3に、今世紀に入ってから表舞台に登場してきた中国の「民族主義」言説について、その台頭のプロセスと背景を概観し、さらにそれが中国国内の反日感情や反日言論とどのように結びついたかについて、新聞・雑誌の記事の分析を通じて明らかにした。現代中国については、経済や社会の変化にばかり注目が集まる傾向があるが、それと平行して生じている文化や思想の広範かつ深い変化は、今後の中国の政治や社会の変動に長期的な影響を及ぼすことが予想される。, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 2006年 -2007年, 基盤研究(C), 愛知大学
ジェンダーの政治過程-戦争と民主主義の国際比較
竹中 千春; 白石 さや; 村田 雄二郎; 西崎 文子; 吉村 真子; 合場 敬子
5つのキーワード(「ジェンダー」「政治」「戦争」「民主主義」「国際比較」)に基づき、国際政治学・政治学・国際関係論を中心に、アジア・太平洋地域の現代的・歴史的な事例を取り上げ、地域研究を比較・統合する努力をしつつ、学際的に研究を進めた。この共同研究の目的は、(1)国際政治学・政治学・国際関係論におけるジェンダー研究を進めること、(2)「戦争」と「民主主義」のジェンダー化を分析すること、(3)ジェンダー研究の中に国際政治学・政治学・国際関係論の視点から新しい視角や概念を提起していくこと、であった。平成17・18年度の2年間で、地域と問題別に立てたサブ・グループを基盤に、資料収集・現地調査を行い、事例分析と理論構築を試みた。
平成18・19年度は、中間的な研究成果をまとめ、公表する作業に精力を注いだ。平成18年度7月には、イギリス・インド・韓国から専門家を招き、国際学術交流として世界政治学会(IPSA)研究集会で「War and Democracy from Gender Pespective(戦争と民主主義のジェンダー分析)」というセッションを開催した。同年10月の日本国際政治学会では、「グローバリゼーションの中の市民・女性・移民」をテーマに第1回ジェンダー分科会を開催し、同時に「グローバル・ガヴァナンスへの胎動:人権・環境・地雷」という部会も開催した。平成19年度も同学会にて人権侵害をテーマに第2回ジェンダー分科会を開催した。現在、総括的な単行書の準備を進めているが、学際的に編成した本科研の研究分担者は各専門領域で個別に成果を公表し、それぞれ高い評価を得ている。総括すれば、本共同研究は、共同研究と研究成果発表の過程を通して、国際政治学・政治学・国際関係論の分野でジェンダー研究の裾野を広げるという点で初期の目的を十分な程度達成したと考えている。, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業 基盤研究(B), 2005年 -2007年, 連携研究者, 競争的資金, 基盤研究(B), 明治学院大学
中島雄『随使述作存稿』の研究
村田 雄二郎
一年目は,外務省外交資料館にて清末日中関係に関する梢案(行政文書)を広く精査し,中島雄が清国公使館書記官をつとめていた時代の日中関係史に対する理解を深めた。また,ネット上にデータベース公開されている同館所蔵の外交文書を,電子ファイルベースで精査・印刷し,いくつかの重要な外交問題に関して,海外研究協力者である孔祥吉氏と共同で論文を著述した。さらに,中島雄『随史述作存稿』を閲覧する過程で,新資料『袁世凱』(佐藤鉄次郎著,1911年刊)と題する中国語の著述を発見し,孔祥吉氏との共同作業により,長文の解題を付して,天津古籍出版社より「国家清史編纂委員会・文献叢刊」の一冊として刊行した。
二年目は,引き続き『随使述作存稿』の分析を進めた。この間,中島雄の伝記資料を若干収集し,「中島雄と清朝史研究」と題する論文を執筆した。この論文はまもなく脱稿し,中国語と日本語で,それぞれ中国と日本の学術雑誌に投稿する予定である。同時に,清末の日中関係をめぐる資料を新たに発見し,それらについての論考二篇を完成させ,2006年11月に中山市(中国)で行われた国際学術会議で報告し,さらにそれを中国の学術誌に掲載した。すなわち「章太炎与支那亡国記念会史実考略」と「《孫逸仙演説」与《滅漢種策》」がこれである。
今後は上記論考「中島雄と清朝史研究」の成果をふまえて,『随使述作存稿』の資料的価値を中国の清朝史研究者に広く伝え,同書の影印版出版の可能性について,日中の研究者や出版関係者と協議してゆく所存である。, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業 基盤研究(C), 2005年 -2006年, 研究代表者, 競争的資金, 基盤研究(C), 東京大学
奴隷制社会における拘束型労働の実践と記憶ならびに制度正当化の言説
高橋 均; 足立 信彦; 遠藤 泰生; 木村 秀雄; 増田 一夫; 村田 雄二郎
1)近代市民社会の価値観と奴隷制:近代世界システムを支える二本の柱である国民国家と市場経済ののうち、市場経済の二大原理である営業の自由と所有権の神聖の原理はそれぞれ奴隷貿易と奴隷制を擁護するものであった。他方において国民国家の成立要件としてこの時期浮上しつつあった近代市民社会の平等の論理は、国民国家のメンバーではない奴隷には効果が及ばなかった。このため奴隷制廃止論の主唱者は、ウィルバーフォースにせよシェルシェールにせよ、主流の立場からすればかなり異端的な、主流以外の思想に支えられていた人々であった。2)南北アメリカ奴隷制の実態:大西洋奴隷貿易は大量かつ持続的な奴隷の供給を保証した。この条件を最大限に活かして成立したのが、奴隷の消耗を人口再生産に頼らず新規輸入で補うブラジル・カリブ地域の奴隷制であった。このため第一世代の奴隷が逃亡して奥地にマルーン共同体を作ったり、第二世代のクレオール奴隷がプランテーションの外の社会に進出したりする現象が見られた。ところがこの形態は近代市民社会の原理が強く浸透していた北アメリカにおいては忌避された。大多数の奴隷に事実婚による家族を持たせるかわりに、特別の立法により市民と奴隷との間に厳密な線引きをしたので、大多数の奴隷はプランテーション外の社会と没交渉で生涯を過ごす結果となった。このことは、奴隷制廃止後の人種関係を険悪なものとする一原因となった。3)現代のサバルタン労働者の国際間移動。いま現在イスラム圏を含む諸地域から多くの住民が欧米や日本に移動してきてサバルタン労働者として働いている。かれらの多くは受け入れ国に定着し、出身地域への帰属感を次第に希薄にしていくが、しかしその国の社会には同化せず固有の宗教や文化を堅持する。国民国家の原理によっては包摂も排除もできないこの種の集団の研究に、北米のアフリカン・アメリカンの事例は最良の参照事例を提供するであろう。, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業 基盤研究(A), 2002年 -2005年, 連携研究者, 競争的資金, 基盤研究(A), 東京大学
市場経済下の現代チベット―宗教復興と文化教育
村田 雄二郎
日本学術振興会, 科学研究費助成事業 基盤研究(B), 2003年 -2003年, 研究代表者, 競争的資金, 基盤研究(B), 東京大学
漢字文化圏の言語と「近代」に関する総合的研究
刈間 文俊; 楊 凱栄; 代田 智明; 村田 雄二郎; 吉川 雅之; 伊藤 徳也; 生越 直樹; 岩月 純一; 瀬地山 角
中国において、清雍正帝期に、福建省で正〓書院が設立され,官話教育が展開されたが、それは近代的な意味での言語の標準化・規範化ではなかった。19世紀末から20世紀初頭にかけて出てきた国語運動は近代特有のものと言える。近代国家とともに生まれそれを支えたのは、国語national languageだけではなく、古典文明批判によって成立した近代文学も、国民国家形成に参与した。古典的な文学形式からの離脱は、簡明に遂行されたわけではなく、英語語法や欧州近代文学の語りを参照した欧化と、北方方言の口語を参照した口語化を主流としながらも、古語や方言の導入などを伴っていた。国語としての現代中国語も、形成の過程で、北方方言に従来あったとは考えられない語法が、南方方言から導入されたと考えられる。漢字以外の文字が混在しない中国語においても、語の文法化という現象が常に漢字の表意性を無視して働くことも、本研究の文脈では注目に値する。広東語における有声無字の周辺韻母の承認をめぐる混乱あるいは矛盾は、漢字と非漢字、さらには国語と方言との間の矛盾につながっていくものであろう。近年中国に返還された香港では、中学以上は原則母語教育が実施され、外国語としての「中国語標準語」教育がなされるようになった。広東語に対応するような香港の地域主義は「ナショナリズム」と呼べるようなものではないが、台湾においては、国語に対する台湾語の独立性は社会的にゆるぎないものとなっており、それが直接的に台湾ナショナリズムと結びついている。しかし、いかに台湾ナショナリズムが沸騰し、台湾社会が多文化主義的様相を強めても、台湾文化が漢字と決別しようとする気配はみえない。韓国や特にベトナムにおいては、他の東アジア諸国に比べてより強く、国語から漢字が排除されている。漢字文化圏の言語の近代は実に多様である。, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業 基盤研究(C), 2000年 -2003年, 連携研究者, 競争的資金, 基盤研究(C), 東京大学
東アジアにおける「公論」形成の比較史的研究
三谷 博; 並木 頼寿; 黒住 真; 季 衛東; 岩月 純一; 村田 雄二郎
この研究は、民主化について、東アジアにおける経験を吟味し、未来の可能性を探ることを目的とした。日本と韓国は、現在、かなり似通った自由な政治体制を持っているが、その達成の経路はかなり異なったものだった。それは、中国とヴェトナムが自由な体制を創り出すならば、日本や韓国さらに欧米とは違う経路を辿ることを予想させる。我々は、このような観点から、20世紀初頭を中心とする前後100年につき日本・朝鮮・中国・ヴェトナムの経験を比較し、民主化を可能にし、活性化するモジュールを探索してきた。
獲得された知見は、A)民主化に際し、他国の完成されたモデルの直輸入や強制を回避すべきこと。それは歴史的事実として存在せず、未来に向かって有効でもない。「先進国」の経験は常に参照されるが、採用は一部である。かつ、自国の過去にあった要素も再利用される。それを欠くと民主化に強い正当性は与えられない。用語上は、B)「民主化」と「人権」を回避し、「公論形成」を強調すべきこと。欧米の伝統に根ざす概念を振りかざし、東アジアにおける欠如を批判することは、西洋の覇権へのトラウマを刺激し、「人権」自体の実現を妨げかねない。むしろ、現地の主体に様々なモジュールを提示し、状況に応じて使ってもらう方が良い。具体的には、C)政治運動や政治制度、イデオロギーよりは、「公論」の慣習とメディアの形成に着眼すべきこと。とくに、政府内部の決定慣行、民間の快定慣行、政府と民間のコミュニケーション慣習、政府批判が正当となる「公論空間」の生成、メディアの役割、「公論」が暴力より正当と認知される過程に注目すべきである。
この研究の知見は、東アジアのみならず、非西洋世界全体の民主化について、重要なヒントを与えることであろう。今後、20世紀の後半の東アジア、さらに他地域も視野に入れて、さらに研究を発展させる予定である。, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業 基盤研究(C), 2000年 -2002年, 連携研究者, 競争的資金, 基盤研究(C), 東京大学
中華民国期の中国・チベット関係
村田雄二郎
研究1年目の今年度は、当初の研究計画にしたがい、備品購入による研究環境の整備、基礎的な文献の収集と調査を行った。また、北京に出張した機会を利用して、中央民族大学を訪問し、胡振華・索文清教授と面談し、中国の民族学研究をめぐって、研究交流を進めた。索教授からは、大陸におけるチベット近現代史研究の現況に関して、貴重な提言と示唆を得た。さらに研究開始後まもなく、日本の外交資料館に収蔵される外交文書「西蔵問題及事情関係雑纂」に、本研究に有用な資料が含まれることが判明した。次年度も引き続き、これらの資料や情報を活用した研究を進めて行くつもりである。以上の作業にもとづく今年度の研究成果は、次の通りである。1、 南京国民政府はその成立当初から、周辺民族、とくにチベット・新疆・モンゴルの統合問題を重要な政治課題に掲げ、行政院(内閣)に蒙蔵委員会を設置するなど、その実効支配のための制度や環境を整えようとした。2、 しかし、そうした努力にもかかわらず、対チベット関係においては、東チベット地区(中央は1939年に西康省を設置)で1930年唄から、チベット・漢軍の激しい武力衝突が頻繁に発生したことが物語るように、中央政府がチベットに実効支配を及ぼす力はなかった。1931年の満州事変が、国民政府による国家統一の危機をさらに深めたことはいうまでもない。3、 こうした状況の中で、1933年にダライ・ラマ13..., 文部科学省, 科学研究費補助金(基盤研究(C)), 1998年 -1999年, 研究代表者, 競争的資金, 基盤研究(C), 東京大学
近現代アジアにおける地域形成と言語文化に関する比較史的研究
並木頼寿; 若林正丈; 山内昌之; 村田雄二郎; 三谷博; 古田元夫
本研究は「近現代アジアにおける地域形成と言語文化に関する比較史的研究」という課題のもとに、アジア諸地域に固有の文化的条件との関連を手がかりとして、地域言語とそれに付随する社会的変容の地域的特質を歴史的に解明し、さらにそれらの成果を諸地域相互に比較検討することによって、上記の課題に対する一定の展望を探求することを目的とした。まずアジア諸地域の近代言語と社会統合・国民形成との関連を、それぞれの地域の特殊性を考慮しながら、相互に比較することが可能となるように、情報の整理を行うことが第一の作業であり、ついでそのような研究を基盤として綜合的な分析を加え、固有文化の持続の側面と現在顕著に進行しつつある国境・民族を超えた文化的融合現象の意義、およびその将来像について、展望をえようとした。研究課題の実施期間において、当該研究課題に関する研究条件の整備と情報の収集整理に力を入れるとともに、研究成果のとりまとめを行った。ただし、東アジアから中東にいたる広大なアジア地域には、多様な地域文化と地域言語が存在し、それらの言語で表現された情報が存在する。これらの情報を収集しデータベース化を進め、可能な限り多言語同時使用のもとで運用できるようつとめたが、なお、情報機器の言語環境には大きな制約があるなどの理由により、データの運用については今後に課題を残した。, 文部科学省, 科学研究費補助金(基盤研究(B)), 1996年 -1998年, 連携研究者, 競争的資金, 基盤研究(B), 東京大学
現代中国における歴史的連続と不連続
西村成雄; 久保亨; 鉄山博; 上田信; 村田雄二郎; 蔡建国; 古厩忠夫
本研究課題として以下の社会的諸空間における歴史的連続と不連続を解明した。政治空間では、20世紀中国ナショナリズムを構成する中華ナショナリズム(「中華民族」イデオロギー)と近代ナショナリズム(国民国家イデオロギー)のそれぞれの固有の空間と、それらの交錯する曲面をとりあげつつ、それらの歴史的連続と不連続の交錯現象が解明・再定義された。(西村成雄)。また、20世紀前半期(清末民国期)の中国ナショナリズムには、伝統的要素と近代的要素の複雑な絡み合いが見られるが、しかし総体としていえば、主権・領域国家としての「中国」は世界標準モデルとでもいうべきネーション・ステートの形成に向かい、さらに、そうした動きは人民共和国の時期にも継承され、強化されていったことなどの特質が明らかにされた(村田雄二郎)。社会空間では、政党国家(party-state system)として持続する構造のなかで、中国における人民・公民・中華民族概念は重層構造を形づくりつつ、状況の変化に対応して使い分けられていることが明らかにされた(古厩忠夫)。また、長期的スパンをもった森林史・環境保護・緑化運動などの新しい視点からの分析が開始された。その場合、森林破壊の進行のなかで宗族や風水説により森林が保護されてきた歴史があり、環境保護には政治的解決よりも社会の建設・自立、下からの取り組みの重要性が指摘された(上田信)。経済空間で..., 文部科学省, 科学研究費補助金(重点領域研究, 特定領域研究(A), 重点領域研究), 1996年 -1998年, 連携研究者, 競争的資金, 重点領域研究, 特定領域研究(A), 重点領域研究, 大阪外国語大学
近代中国における「国語」問題
村田雄二郎
1)初年度は、東洋文庫、東京大学東洋文化研究所図書館などで資料収集につとめ、また研究上必要な新規図書とパ-ソナル・コンピュ-タ一式を購入した。さらに、1996年7、8月には(財)交流協会の研究助成を得て台湾を訪れた機会を利用して、図書館や公文書館において資料調査を行った。このようにして集積された資料をもとに研究を進めたが、初年度はとくに、近代中国の国語統一運動に大きな足跡を残した銭玄同の言語思想を中心に分析し、彼の漢字改革をめぐる認識とその歴史的背景を、1935年の国民政府による簡体字施行の動きと重ね合わせつつ考察した。2)二年目は、前年に引き続き東京大学東洋文化研究所図書館などで資料収集につとめ、また研究上必要な新規図書を購入した。このようにして集積された資料をもとに、最終年の本年度は清末から民国に至る国語統一運動の流れをあとづけ、その言語思想史上の意味を総合的に解明することを試みた。また、1997年12月26日より1998年1月3日まで、本研究経費による海外出張を行い、中国北京市にて専門研究者からの情報提供を受けた。3)上記の研究活動から得られた知見のうち、最も重要と思われるのは、近代中国における俗語運動が先発近代化諸国との共通面を多くもちながら、他面ではまた書記言語の連続性という中国に特殊な事情が存在していた、ということである。すなわち、西洋や日本における俗語革命・言文..., 文部科学省, 科学研究費補助金(基盤研究(C)), 1996年 -1997年, 研究代表者, 競争的資金, 基盤研究(C), 東京大学
クレオ-ル文化からみた広域移民の比較研究
木村秀雄; 柴田元幸; AquinoTerri; RozasWashin; BreinerLaur; 遠藤泰生; 村田雄二郎; 足立信彦; 増田一夫; 高橋均
平成7年度より9年度までの3年間の調査研究の成果は、次のようにまとめられる。1.カリブ海地域のクレオ-ル文化と広域移民7年度の集中調査および8年度の補充調査によって明らかになったのは、1)各地においてクレオ-ル化現象は顕著に見られるが、そのあり方はさまざまであり、カリブ海地域を一体として捉えることが困難であること 2)カリフ海地域文化の分断に、旧宗主国の政治文化的基本政策の違いが、大きく寄与していること 3)現在に至ってもカリブ海地域に隠然たる力をふるう植民地期の政治経済体制が、地域内の文化的差異や移民送り出し状況の違いをもたらしていること 4)現在の政治体制の違い(独立国・海外圏・自治領)が文化的差異の基盤を形成していること、である。2.世界各地のクレオ-ル文化と広域移民8年度および9年度における、日本側研究代表者および分担者による各々の専攻地域における調査および、海外の研究分担者による調査によって明らかになったのは、1) ヨ-ロッパの旧植民地宗主国を比較した場合、移民のもたらす文化的影響が強く.意識されるオランダ、植民地の問題がほとんど年頭に上らないドイツ、移民の問題を個人の人権といった普遍的な問題として処理するフランス、世界のさまざまな旧植民地からの影響が混じりあうイギリスといったように、移民の問題に対する対応と影響に大きな違いがあること 2)中国のようにクレオ-ル化と..., 文部科学省, 科学研究費補助金(国際学術研究), 1995年 -1997年, 連携研究者, 競争的資金, 国際学術研究, 東京大学
康有為と清末の「保教」問題
村田雄二郎
まず,清末政治史・思想史の基本文献である『清実録』を1セット購入した。ほかに,近代中国思想史関連の図書を若干冊購入した。残念ながら,希望した『孔子改制考』進呈本のマイクロ化は関係方面の許可を得られず実現しなかったが,康有為の尊孔保教運動に対する当時の官僚や知識人の反応を,厳復,黄遵憲,章炳麟,張之洞らの文集・年譜などを広く渉猟することにより、清末の全般的思想状況の中に位置づけようと試みた。そのため,京都大学,大阪大学,天理大学などの図書館に資料調査に赴いた。こうした作業の過程で漢人の有力官僚であった張之洞と康有為一派との間の政治的な敵対関係にもかかわらず,国民教育の普及や「国民」の創造といった革新的次元において,両者の思想的傾向に多く共通するものがあることに気がついた。この点については,1993年11月23日より27日まで,中国広東省新会市及び南海市で開催された「戊戌以後の康有為・梁啓超と維新派」国際シンポジウムで,「辛亥革命時期的“尊孔"問題」と題して中国語にて報告した。このときの提出論文は,一部補訂を加えた上で,所属学部の研究室紀要に掲載する予定である。また,国民の「創造」に深く関わる近代中国におけるナショナリズムの問題に関しては,東京大学大学院総合文化研究科地域文化専攻が1993年7月17日に催した公開シンポジウム「いま,なぜ民族か」において,「中華ナショナリズムの現在..., 文部科学省, 科学研究費補助金(奨励研究(A)), 1993年 -1994年, 研究代表者, 競争的資金, 奨励研究(A), 東京大学