京都大学, 理学研究科, 地球惑星科学専攻, - 1998年
京都大学, Graduate School, Division of Natural Science, - 1998年
京都大学, 理学研究科, 地球物理学専攻, - 1995年
京都大学, Graduate School, Division of Natural Science, - 1995年
京都大学, 理学部, - 1993年
京都大学, Faculty of Science, - 1993年
寒冷渦が竜巻・突風現象発現の予測可能性に与える定量的評価
本田 明治; 山根 省三; 川瀬 宏明; 山崎 哲
災害をもたらす竜巻・突風などの極端現象にしばしば伴う対流圏上層の寒冷低気圧(寒冷渦)は、偏西風の蛇行に伴って低緯度側に侵入する極域起源の対流圏上空の寒気である。1週間程度の寿命を持つ特性を考慮して、寒気を伴う極端現象発現予測のリードタイム向上に資する指標として寒冷渦の中心位置、強度、影響半径を客観的指標化する寒冷渦指標を完成させた。寒冷渦指標は、COL(Cutoff Low)マップとして上空寒気を監視するサイト「寒冷渦追跡監視システム」にて新潟大学で公開している。, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 2017年04月 -2021年03月, 基盤研究(B), 新潟大学
暖候期の京阪奈地域に発達する局地循環の解析
山根 省三
暖候期晴天日の京阪奈地域周辺では、日の出後の混合層の発達に伴い、上空の風の影響を受けた風が10時頃から地上で吹くようになり、その後、大阪湾からの海風が侵入してくる。谷や山の斜面の近くでは、夜間に局所的に山風が吹き、日の出から数時間の間にその風向きが逆転する。暖候期晴天日の夕方に京阪奈地域で吹く風は、弱風、西寄り、東寄り、北寄りの4つのタイプに分類された。西寄りの風が吹く海風日では、弱風日に比べて、京阪奈地域の日最高気温の時刻や光化学オキシダント濃度が高くなる時刻が早くなる傾向がみられた。, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 2015年04月 -2018年03月, 基盤研究(C), 同志社大学
最新の全球大気再解析データを活用した対流圏循環の形成と変動に関する総合的研究
中村 尚; 高藪 縁; 向川 均; 廣岡 俊彦; 谷本 陽一; 本田 明治; 山根 省三; 高谷 康太郎; 釜堀 弘隆; 千葉 長; 筒井 純一; 山崎 信雄; 大野木 和敏; 初鹿 宏壮
気象庁作成による最新の全球大気再解析デーとアンサンブル予報データの解析,最新の数値モデリングとを有機的に結合し,(1)中緯度海洋前線帯における大気海洋相互作用が移動性高低気圧活動の維持とジェット気流の形成,その卓越変動に不可欠という新しい大気大循環論の創出,(2)夏季小笠原高気圧の変動をもたらす2つの循環変動パターンの力学を力学モードの観点からの解明,(3)南半球の亜熱帯高気圧の形成機構の解明,(4)停滞性ロスビー波束を介した対流圏・成層圏結合変動の予測可能性の評価等,数々の重要な成果を挙げた., 日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 2006年 -2009年, 基盤研究(A), 東京大学
大気循環の階層的な不安定構造に関する研究
山根 省三
地球を取り巻く大気の運動は不規則であり、様々な時間・空間スケールの現象が存在する。このような大気場の中で発達する微小な擾乱の地理的分布・空間構造の特徴を大気大循環モデルの数値実験を通して調べた結果、擾乱のエネルギーが比較的小さいときは熱帯の対流活動に伴う擾乱の発達が顕著となり、擾乱のエネルギーが比較的大きいときは中緯度帯の移動性高・低気圧に伴う擾乱の発達が顕著となる傾向があることが分かった。, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 2007年 -2008年, 若手研究(B)
「冷える海洋-暖まる大陸」パターンの力学的メカニズムの解明
本田 明治; 山根 省三; 高谷 康太郎; 中村 尚
:「冷える海洋-暖まる大陸」パターン、いわゆるCOWLパターンの空間構造の特徴やその力学的メカニズムの解明に取り組んだ。
再解析データを用いた解析でCOWLは対流圏循環場ではアリューシャン・アイスランド低気圧シーソーに続いて2番目に卓越するモードとして抽出され、長期的なユーラシア及び北米大陸上の昇温傾向に伴って近年の両低気圧の強化傾向を伴っていることが確認された。
一方近年の北半球雪氷圏の急変に伴ってCOWLの変動特性にも影響が現れていることが分かった。, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 2006年 -2008年, 基盤研究(C), 独立行政法人海洋研究開発機構
北極振動の成因解明と長周期変動の力学プロセスの研究
田中 博; 山崎 孝治; 伊藤 久徳; 森 厚; 向川 均; 山根 省三
近年の異常気象や地球温暖化の研究において、北極振動が特に注目されている。初年度の平成18年度には、2006年7月8-9日に第1回北極振動研究集会を筑波大学で開催し、約30名の参加を集めて最新の情報提供や活発な議論が行われた。研究代表者は2007年2月19-20日にアラスカ大学で開催された第7回極域気候変動に関する国際会議(GCCA-7)に主催者のひとりとして参加し、北極振動研究に関するレビュー講演を行った。2007年3月2-3日には筑波大学で第2回北極振動研究会を開催し、約40名の参加者を集めて、研究成果報告と今後の研究計画について議論した。2年目の平成19年度には、5月に開始された地球惑星科学連合大会で「北極域の科学」ユニオンセッションを企画して、研究成果報告を行った。そして日本気象学会の査読付き国際学術誌である気象集誌の12月号に、北極振動研究の成果を集めた「北極振動特集号」を企画し、本研究実績のまとめとして12編の論文およびノートが発刊された。北極振動は、任意の定常外力に共鳴して起こる大気大循環の力学的な特異固有モードとして理解される一方で、それを励起する太平洋と大西洋のストームトラックの活動が互いに独立に大振幅でNAOとNPOのテレコネクションを励起するため、統計的な見かけのモードに見えるという理解に至った。, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 2006年 -2007年, 基盤研究(A), 筑波大学
大気循環系の形成と変動における中緯度・亜熱帯の大気海洋相互作用の役割
中村 尚; 谷本 陽一; 山根 省三
・他の中緯度海域とは異なり,北西太平洋亜寒帯前線帯では,固有の10年規模変動に伴う海面水温偏差が大気への熱放出偏差を制御し,それに付随してストームトラックの緯度を系統的に変わる傾向が判明した.一方,海洋前線帯に伴う水温不均一に対応して大気境界層内の静的安定度が変化し,それが乱渦による下向き運動量輸送量を変化させ海上風速が水温分布と明瞭に対応することが黒潮続流域での観測に基づき確認された.
・南半球では,移動性擾乱の振幅最大域が南インド洋の海洋前線帯に伴う顕著な地表傾圧帯に年間を通じて固定され,そこでは擾乱の極向き熱輸送の効果に因って,海上偏西風を伴う極前線ジェット(PFJ)が形成されることが判明し,ストームトラック・PFJ・海洋前線帯三者の共存系の存在が初めて示唆された.一方.南太平洋では,冬季には強化された亜熱帯ジェット(STJ)に上空の擾乱が捕捉されるが,地表傾圧性が弱く擾乱の発達は抑制される一方,STJの弱い夏季には擾乱発達やPFJが顕著なことが判った.また,こうした新概念で,北大西洋と北太平洋の移動性擾乱活動の季節変化における差異も統一的に説明できることが解った.
・我が国に冷夏をもたらすオホーツク海高気圧の形成が,その北西上空で発達するブロッキング高気圧により下層に引き起された東風偏差に伴う寒気移流に因ることを解明した.ブロッキングの形成は,北欧からシベリア北岸上空を伝播して来た定常ロスビー波束の局所的砕波に伴うことも判った.
・大洋東部における夏季亜熱帯高気圧の発達が,冷たい海上とその東方の大陸との間の加熱差への力学応答に因ることを示し.モンスーンの遠隔影響との定説を覆した.
・冬季に成層圏極夜ジェット(PNJ)と対流圏PFJが重なるオーストラリア南方では,鉛直に導波管が形成され,PNJを伝播してきた定常ロスビー波が下方伝播して対流圏に大規模循環偏差を形成すると言う新しい型の対流圏・成層圏力学結合が見出された., 日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 2003年 -2005年, 基盤研究(B), 東京大学