中西 裕樹
ナカニシ ヒロキ
グローバル・コミュニケーション学部グローバル・コミュニケーション学科
教授
Last Updated :2024/04/27

研究者情報

研究キーワード

  • 歴史言語学
  • 記述言語学
  • Historical linguistics
  • Descriptive linguistics

研究分野

  • 人文・社会 / 言語学

学位

  • 文学碩士, 北京大学

所属学協会

  • 日本言語学会
  • 日本中国語学会

書籍等出版物

  • 畬語海豐方言基本詞彙集
    中西 裕樹
    京都大学人文科学研究所, 2003年, 単著, 学術書

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 言語保持対策および比較研究に供するためのショオ語四方言の緊急現地調査
    中西 裕樹
    現地調査: 一、2006年8月1日〜17日にショオ語博羅方言・増城方言・恵東方言の音韻・語彙調査、ショオ語海豊方言の語彙・文法・民話調査を行った。その際、深〓大学客員教授の潘家懿教授と香港城市大学の郭必之博士に同道してもらい、現地の言語使用状況や周囲の漢語方言専門的知識の提供を得た。本調査により、ショオ語四方言の音韻・基礎語彙比較研究および保持対策のための基礎資料が揃った。これらの資料は、本研究の報告書としてまとめ、出版した。 二、2007年2月21日〜3月2日に恵東県大湖洋村に赴き、旧正月の祭祀とそれに関連する語彙の調査を行った。祭祀の全体像をつかむには、現地の風俗・慣習等に精通せねばならず、今後さらなる補充調査が必要である。しかしながら、本調査により祭祀に使われている言語やそのコードスイッチについて知見を得ることができたのは大きな収穫であった。 研究発表: 一、2006年4月22日に東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所で行われた「音韻に関する通言語的研究」研究会において「ショオ語の音韻について」と題する発表を行った。その一部は「〓〓鼻音韵尾的形成」という論文にして中国国内の雑誌に投稿中である。二、2007年1月19日〜20日に香港中文大学で行われた第七回客家方言研討会に出席し、郭必之氏と連名で「〓客互動中〓語聲母的演變」と題する発表を中国語で行った。本発表は、英文論文にしてJournal of Chinese Linguisticsに発表予定である。 論文等: 報告書一冊、雑誌論文一篇、雑文一篇。, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 2004年 -2006年, 若手研究(B), 京都大学
  • 新・旧キリスト教ミッションの東アジアにおける出版活動
    高田 時雄; 中西 裕樹
    カトリック・ミッションの出版物がどのように受け入れられたかの一例として、『廣州通記』という我が國に傳存する一寫本を取り上げた。この寫本がミッションの出版活動と接點を有するのは、それが實はイエズス會士艾儒略の著作『職方外紀』のいわば改編本に他ならないからである。『職方外紀』は享保年間、吉宗によって解禁されるまで長く日本では禁書に指定されており、また解禁以後もそのことが廣く知られなかったため、基本的に寫本によって流通した。しかし世界の地理知識を要領よく提供するこの書物が、鎖国日本において大きな歓迎を受け、廣く讀まれたことは、多数の寫本が現在もなお各處に殘っている事實から容易に推測される。また江戸末期になると大惣のような貸本屋の藏書中にも含まれていることは、時代を追って幅広い讀者に浸透していったであろうことを示している。ところでこの寫本は禁書『職方外紀』を見かけ上、それと分からないように廣州の地方志のごとき名稱にすり替えたものである。さらに細かく見ると、『職方外紀』を基礎とし、それに南懐仁の『坤輿圖説』、黄裳『海語』からの引用を挿入するかたちで作られていることが分かる。とくに序文は艾儒略、南懐仁など宣師の編纂した書物から採らず、黄裳『海語』の序文に手を加えたものを使っているのは、幕府の禁教政策に封する大きな警戒がはたらいているからである。本文を細かく見ても、『職方外紀』中の記述で、「天主堂」や「耶蘇」など些かでもキリスト教に言及する個所は、非常な注意深さで削除したり改變を加えたりしている。、カトリック・ミッションの中國における出版活動は非常に活發なものがあったが、また非宗教的な著作の場合でも宗教弾歴の餘波を蒙ることは不可避であった。それが日本のように極めて嚴格な禁教が實行されていた地域に流通することは、少なくともそのままの形ではあり得なかった。この寫本はそういったミッションの出版活動の限界を示す一例でもある。, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 2001年 -2004年, 特定領域研究, 京都大学
  • 中国広東省の消滅の危機に瀕した言語、ショオ語の緊急調査
    中西 裕樹
    本年度は、前年度に引き続きショオ語海豊方言の現地調査(二回、合計五週間)を行い、語彙の記述・意味分析および文法の分析を進めた。このほか、映像資料として現地の結婚式の様子をビデオで記録した。これは言語資料としても民俗資料としても非常に貴重なものであり、将来ウェブ上で公表したいと考えている。 本年度の成果としては以下の三点が挙げられる。 一、民話資料:前年度に現地のショオ語話者と協同してショオ文字を作成したが、このショオ文字とIPAによって記述した民話四篇を、A03班の「論集3』に「〓語海豊方言故事四則」(中国語)として発表した。この民話四篇は、日本での発表以前に現地でプリントの形で配布してみたところ、資料が民話であり、ショオ文字が中国人が慣れ親しんでいるピンインに基づいていることから、ショオ族の子どもたちも喜んで読んでいた。今後はさらに多くの民話をショオ文字によって記録して、ショオ語民話集を出版したいと考えている。 二、語彙集:およそ五千語の語彙をショオ文字とIPAにより記述して、京都大学人文科学研究所より『〓語海豊方言基本詞彙集』(中国語)として出版した。三年間をかけ、同じ語彙を複数の人に何度も尋ねることによって、記憶の彼方に消えかけていた語彙を発掘することもあった。本書もショオ文字を用いており、現地のショオ族の人々も参照することができるので、今後のショオ語保存に向けての一助となることが期待される。 三、現地情報の発信:本特定領域研究のホームページの「現地情報コラム」欄に「犬を先祖にもつ人たち」として発表した(http://www.nihongo.aichi-edu.ac.jp/〜kitano/A03/nakanishi.html)。, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 2001年 -2002年, 特定領域研究, 京都大学
  • Descriptive study of the She(Ho-ne) language, Historical study of Chinese dialects and Hmong-Mien(Miao-Yao)
    競争的資金
  • ショオ語の記述言語学的研究、漢語方言およびミャオ・ヤオ諸語の歴史言語学的研究
    競争的資金