「乾鮭色」の語史―狂言から生まれた言葉―
山本佐和子
同志社国文学, (101) 345 - 358, 2024年12月, 研究論文(大学,研究機関等紀要)
中世室町期の注釈書における「~トナリ」の用法
山本佐和子
筑紫日本語論叢Ⅲ, 105 - 131, 2021年03月, 研究論文(学術雑誌)
中世室町期における「ゲナ」の意味・用法―モダリティ形式「ゲナ」の成立再考―
山本佐和子
同志社国文学, (92) 170 - 185, 2020年03月, 研究論文(大学,研究機関等紀要)
大阪府立中之島図書館蔵『増刊校正王状元集注分類東坡先生詩』の書誌的考察―東坡詩の抄物の受容と展開の一例―
山本佐和子
人文学, (205) 147 - 167, 2020年03月, 研究論文(大学,研究機関等紀要)
嵩山房刊「唐詩選」関連書籍群における注釈表現の諸相
山本佐和子
国語語彙史の研究, (38) 185 - 204, 2019年03月, 研究論文(学術雑誌)
五山・博士家系抄物における濁音形〈候゛〉について
山本佐和子
国語語彙史の研究, (35) 105 - 125, 2016年03月, 研究論文(学術雑誌)
「抄物」と中世室町期の文化―両足院蔵「杜詩抄」の成立を手がかりに―
山本佐和子
『「異文化共生学」の構築』京都府立大学重点戦略研究費成果報告書(研究代表者 岡本隆司), 1 - 12, 2013年03月, 研究論文(研究会,シンポジウム資料等)
モダリティ形式「ラシイ」の成立
山本佐和子
日本語文法史研究, (1) 165 - 188, 2012年12月, 研究論文(学術雑誌)
中世室町期における「ねまる」の意味・用法
山本佐和子
國學院雑誌, 國學院大學綜合企画部, 113(6) 12 - 27, 2012年06月, 研究論文(学術雑誌)
「ツベイ」と「ツベシイ」―助動詞「ベシ」のシク活用化について―
山本佐和子
日本語の研究, 日本語学会, 8(1) 29 - 44, 2012年01月, 研究論文(学術雑誌)
新シク型形容詞の派生について―中世室町期におけるク活用形容詞からの派生を中心に―
山本佐和子
国語語彙史の研究, (27) 223 - 242, 2008年03月, 研究論文(学術雑誌)
イカメイの意味―イカメシイ・イカイとの関わり―
山本佐和子
国語語彙史の研究, (25) 141 - 159, 2006年03月, 研究論文(学術雑誌)
キブイの意味
山本佐和子
国語語彙史の研究, (24) 201 - 219, 2005年03月, 研究論文(学術雑誌)
東洋文庫蔵「古文真宝後集」集成抄の成立について―「古文真宝後集」の抄物の系譜―
山本佐和子
筑紫日本語研究2023, 115 - 126, 2024年06月, 研究発表ペーパー・要旨(全国大会,その他学術会議)
表現学関連分野の研究動向(2022年)「日本語文法(史的研究)」
山本佐和子
表現研究, (117), 2023年04月, 記事・総説・解説・論説等(学術雑誌)
〈資料紹介〉名古屋市蓬左文庫蔵「古文真宝抄」(笑雲清三抄)の文英清韓書入れ注記 ―翻刻・解説―
山本佐和子
同志社国文学, (98) 257 - 270, 2023年03月
〈資料紹介〉静嘉堂文庫蔵五山版『魁本大字諸儒箋解古文真宝後集』書入れ仮名抄 解説・翻刻 ―「書入れ仮名抄」の機能―
山本佐和子
同志社国文学, (96) 65 - 86, 2022年03月, 記事・総説・解説・論説等(大学・研究所紀要)
〈資料紹介〉京都大学文学研究科図書館寿岳文庫蔵「古則聞書零本」解説・翻刻
山本佐和子
同志社国文学, (88) 50 - 66, 2018年03月, 記事・総説・解説・論説等(学術雑誌)
抄物ヲ読マウヨー中世末期口語資料の世界ー
山本佐和子
令和6年度 京たなべ・同志社ヒューマンカレッジ (第4回), 2025年06月29日
名古屋市蓬左文庫蔵『古文真宝抄』の文英清韓書入れ注記をめぐって ―笑雲清三抄『古文真宝抄』の諸本―
山本佐和子
第129回 国語語彙史研究会, 2022年09月24日, 2022年09月24日, 2022年09月24日, 口頭発表(一般)
「~トナリ」の語史
山本佐和子
第81回中部日本・日本語学研究会, 2018年11月03日, 2018年11月03日, 2018年11月03日, 口頭発表(一般)
漢籍国字解の文末形式の位相性―『唐詩選国字解』と『唐詩選画本』の相関関係―
山本佐和子
第118回国語語彙史研究会, 2018年04月28日, 口頭発表(一般)
『唐詩選国字解』の資料性再考―嵩山房「唐詩選」関連書籍群中の位置―
山本佐和子
日本語学会2016年度秋季大会, 2016年10月29日, 2016年10月29日, 2016年10月30日, 口頭発表(一般)
五山・博士家系抄物における語頭濁音の「候゛」―中世室町期の「候」由来の繫辞の諸形式
山本佐和子
第109回国語語彙史研究会, 2015年04月25日, 2015年04月25日, 2015年04月25日, 口頭発表(一般)
文末表現「~ヂャ」を用いる抄物の資料性
山本佐和子
訓点語学会第109回研究発表会, 2013年10月20日, 2013年10月20日, 2013年10月20日, 口頭発表(一般)
接辞「~ゲナリ」の変遷―モダリティ形式「ゲナ」の成立再考―
山本佐和子
日本語学会2012年度秋季大会, 2012年11月04日, 2012年11月03日, 2012年11月04日, 口頭発表(一般)
「ツベイ」と「ツベシイ」―助動詞「ベシ」のシク活用化について―
山本佐和子
日本語学会2010年度秋季大会, 2010年10月24日, 2010年10月23日, 2010年10月24日, 口頭発表(一般)
「抄物コーパス」の構築・公開と通時コーパスを利用した総合的な日本語史研究
青木 博史, 小木曽 智信, 北崎 勇帆, 渡辺 由貴, 村山 実和子, ジスク マシュー・ヨセフ, 山本 真吾, 吉田 永弘, 大槻 信, 山本 佐和子
日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 2024年04月 -2029年03月, 基盤研究(A), 九州大学
室町期成立の集成抄物の資料的性格についての研究―継承・受容の様相―
山本 佐和子
本研究は、中世室町期の抄物のうち、先行する複数の抄物を類聚・編纂した「集成抄物」について、書誌学的・文献学的調査と言語事象の観察を行う。これらの成立経緯や継承・受容の様相を明らかにし、言語資料としての性格を再考して利用を促進することを目的としている。この種の抄物は、抄物の成立時期半ばの1530年代以降、五山僧の抄物について作成されるようになり、織豊期には、公家や有力大名にも注釈書として広く受容されたため、伝来の確かな写本や良質の古活字版が現存する点も、言語資料として貴重である。本研究では、集成抄物のうち、笑雲清三〔生卒年未詳,抄物作成期は永正・大永頃(1500-1530)〕が編纂し、それを継承した文英清韓〔1568~1621頃〕と周辺が古活字版で版行したと推定できる「笑雲和尚古文真宝之抄」「四河入海」及び、二抄と関連する抄物について調査・考察を進めている。
今年度は、新型コロナの制約下にも関わらず、多くの資料所蔵先が閲覧受入れを再開されたため、仁和寺、静嘉堂文庫、東洋文庫、大東急記念文庫、国立国会図書館、国立公文書館内閣文庫、宮内庁書陵部で、抄物の現地調査を行った。
特に、仁和寺と静嘉堂文庫にそれぞれ写本が所蔵される「彭叔守仙抄古文真宝抄」について、静嘉堂文庫、東洋文庫に所蔵される五山版・古活字版「古文真宝後集」への書入れ注記と同系統の書入れ抄物を漢字仮名交じり文にした著作であることを見出したのは大きな成果である。同時に行った「古文真宝後集」の古鈔本及び古活字版・初期整版の書誌学的調査によって、これら版本と「彭叔守仙抄」及び「笑雲和尚古文真宝之抄」の版行に清韓が関わっていることが推定できた。
「四河入海」に関しては、元刊本『増刊校正王状元集註分類東坡先生詩』について、大阪府立中ノ島図書館蔵本と国会図書館蔵本の書入れ注記の翻刻を行った。以上の成果の一部は、22年度末刊行の拙著に収める。, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業 基盤研究(C), 2021年04月 -2026年03月, 研究代表者, 基盤研究(C), 同志社大学
室町末期成立の編纂抄物の資料的性格についての研究
山本 佐和子
本研究では、中世室町期の口語体注釈書「抄物」の作成史上末期に増加する、多くの先行説を類聚、列挙した「編纂抄物」の言語研究資料としての性格を明らかにすることを目的として、文献資料の発掘・調査と言語事象の記述研究を行っている。編纂抄物では、出典を明示せずに複数の先行抄が引用されることが多く、それらの先行抄の区別には文末表現が重要な手がかりとなる。
今年度は、講義と関わりを持つ古典注釈書として抄物の後継にあたる、近世の漢籍国字解の文末表現の用法を記述し、抄物の文末表現の統語的性格を解明する手掛かりを得た。同時に、抄物や国字解では、注釈の主な内容である語釈や解釈で用いられる言語と、それらを提示するための講者・筆者の言語が区別できる場合があることを見出した。
まず、近世の漢籍国字解の文末表現の用法について、嵩山房刊『唐詩選国字解』など一部の漢籍国字解は、繋辞「デアル」を多用する先駆的文献として知られてきたが、『唐詩選国字解』の「である」の多くは、原典の解釈(口語訳)を示す講者・筆者の言語として、別の国字解を改変して作成される際に追加されたものであることを明らかにし、小論にまとめた。
同じ改変元の国字解を利用して作成された平仮名付訓注釈書(『唐詩選画本』『唐詩選和訓』)では、『唐詩選国字解』の「である」と同じ用法で、「~となり」(引用ト+繋辞ナリ)が用いられている。文末表現「である」の統語的性格は、「~となり」と同等であり、国字解や抄物の文末表現では、繋辞(ゾ・ナリ・ヂャ・デアル)が引用表現の一種となっていると考えられる。
以上の近世の「である」「~となり」を手がかりに、編纂抄物のひとつ建仁寺両足院蔵「杜詩抄」での「~となり」の使用状況・用法を調査し、注釈書の表現としての「~となり」の史的変遷について、研究発表を行った。, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業 若手研究(B), 2017年04月 -2021年03月, 研究代表者, 若手研究(B), 同志社大学
中世語資料としての抄物の再評価―両足院蔵「杜詩抄」の言語と資料の研究
山本 佐和子
本研究では、中世室町期の注釈書の一種「抄物(しょうもの)」が、日本語史の資料としてどのような可能性を持っているかを、未調査の抄物における新規の言語事象を検証することで示した。
建仁寺両足院蔵「杜詩抄」(天正9(1581)年書写)では、繋辞「ヂャ」を用いた引用表現や、丁寧語「候」の濁音形「ゾウ」(に+候、繋辞)が多用されている。「ヂャ」と「ゾウ」は共に、「杜詩抄」が引く先行の抄物の一つで見られ、注釈内容で使い分けられている。抄物の元となる講義で、話題に応じた口調の切り換え(スタイルシフト)が行われていたことを反映したものと考えられ、抄物の新たな資料的価値を示す事象である。, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業 研究活動スタート支援, 2014年08月 -2016年03月, 研究活動スタート支援, 大阪教育大学